

2019年、グループ経営ビジョン「Compass2030」にて
国内エネルギー企業として初めてCO2ネット・ゼロへの挑戦を宣言した東京ガスグループ。
2050年カーボンニュートラル社会実現に向けた具体的な道筋や、
具体的取り組みをご紹介します。
「安定供給」と「脱炭素化」を両立させる
昨今、地政学リスクの高まりにより、国内外のエネルギーを取り巻く情勢は、より不透明で変動の激しいものへと変化しています。一方、脱炭素化の潮流も依然としてその重要性に変化は見られません。
このような中、当社グループは、エネルギー供給などの事業を通してくらしと社会を支える事業者として、安定供給を確保しつつ、カーボンニュートラル社会への移行をリードする、「責任あるトランジション」を大切にしています。
そのため、2030年代に向けては他の化石燃料よりも低炭素な天然ガスの高度利用等により、社会全体のCO2排出量を着実に削減します。2030年にはCO2削減貢献量1,700万トンを目指しています。並行して再生可能エネルギー(以下、再エネ)の活用や、e-メタン・水素等、脱炭素化に向けた技術開発及び社会実装に取り組んでいます。
「減らすために、増やします」
2030年代に向け天然ガスへのシフト・高度利用を徹底することで、お客さま先でのCO2排出を削減します。その結果、当社グループの事業活動に伴うCO2排出量※は増えることになりますが、トータルで社会全体のCO2削減に貢献します。
※国内の直接排出+間接排出(Scope1+2)。
カーボンニュートラルに向けた道筋
2050年CO2ネット・ゼロへ至る具体的な道筋を示すべく、「カーボンニュートラルロードマップ2050」を策定しました。
ガスはe-メタン導入を主軸に、コストダウンおよび導入拡大に取り組むと共に、バイオガスや水素、信頼性の高いオフセット手段の拡大など、あらゆる手段を総動員してまいります。
電力は再エネ拡大を主軸に、再エネ調整力等の役割を担う火力発電所についてもゼロエミッション化を進めます。
さらに、e-メタンの原料やゼロエミッション火力の燃料となる水素については、コストダウンに向けた製造・利活用技術開発に取り組み、エリア特性に応じた活用も推進します。
これにより、国内で供給するガス・電力は共に2040年カーボンニュートラル化率5割、2050年CO2ネット・ゼロを目指します。
ポイント1
ガスはe-メタン導入拡大を
主軸にあらゆる手段を総動員
ポイント2
電力は再エネ拡大に加えて
火力のゼロエミ化も推進
ポイント3
ガス・電力に共通する
水素の製造・利活用を推進
東京ガスグループの目指す国内供給エネルギーのカーボンニュートラル化率
関連資料・リンク
カーボンニュートラルに向けた主要な取り組み
天然ガスの高度利用
2030年代に向けたトランジション期においては、化石燃料の中で最もCO2排出量が少なく、再エネ導入拡大に向けた調整力・供給力としての役割も期待される天然ガスの高度利用を進めます。石炭・石油等から天然ガスへの燃料転換や、家庭用燃料電池エネファームなどの高効率機器の普及、スマートエネルギーネットワークの構築等により、天然ガスのエネルギーを最大限無駄なく利用します。
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家庭用燃料電池エネファーム
都市ガスから電気をつくり、同時に発生する熱を給湯・暖房に利用することで、快適かつ低炭素な暮らしを実現します。
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スマートエネルギーネットワーク・地域冷暖房
エネルギーを面的に供給し、エリア全体で省エネ・省CO2を実現します。
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ガスコージェネレーションシステム
都市ガスを燃料として電気をつくり、同時に発生する熱を冷房・暖房・給湯・蒸気などに利用できるシステムです。
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ハイブリッド空調(スマートマルチ)
ガス空調(GHP)と電気空調(EHP)を組み合わせガスと電気をハイブリッド化、遠隔自動制御で最適運転を実現。
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オンサイトエネルギーサービス
省エネ・省CO2、災害対策、設備管理の効率化まで、エネルギーに関するあらゆる課題の解決をワンストップで支援。
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カーボンオフセット都市ガス
バリューチェーン全体で排出される温室効果ガスを、森林保全等で創出されたCO2クレジットで相殺した都市ガスです。
信頼性の高いオフセット手段の拡大
熱の脱炭素化に向けて、省エネ・省CO2やe-メタン等の推進とともに、削減が困難な温室効果ガスについてカーボンクレジット等で埋め合わせるオフセット手段の活用にも取り組んでいます。信頼性の高いカーボンクレジットの創出・提供や、大気中のCO2を除去する(工学的プロセスに基づく)ネガティブエミッション技術(DACCS、BECCS等)の活用に向けた取り組みも進めています。
e-メタン推進
ガスの脱炭素化の主軸としてe-メタン導入を推進します。e-メタンは、グリーン水素等の非化石エネルギー源を原料に合成して製造されたメタン(都市ガスの主成分)で、排気ガス等から回収したCO2を使うため、燃焼しても大気中のCO2は増加しません。当社グループでは、2030年度の日本国内への導入を目指し、各種取り組みを実施しています。
水素製造、利活用技術開発
e-メタンの原料であり、ゼロエミッション火力発電の燃料にも活用できる水素は、ガス・電力のカーボンニュートラル化の双方にとって欠かせないものです。このため、水素を大量かつ低コストに製造し、輸送、利活用するための取り組みを進めています。
再生可能エネルギーの拡大
電力の脱炭素化に向け、再生可能エネルギーの取扱量拡大に取り組んでいます。具体的には、国内外での再エネ電源開発、再エネ電力調達・販売、PPA事業等を展開しています。また、分散型電源の最適制御技術や電力調整力なども活用し、再エネ電源の普及拡大に貢献していきます。
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東京ガスグループの再生可能エネルギー
電源開発や他社調達により再エネ取扱量を拡大し、天然ガス火力発電等の調整力を組み合わせ安定・低廉な電力を供給します
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太陽光発電・蓄電池(ご家庭向け)
ご家庭向けに太陽光発電の提供を行っています。また、蓄電池の提供により再エネの普及拡大に貢献しています。
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ヒナタオソーラー(工場向け太陽光発電)
初期費用無料・メンテナンスフリーで、軽量パネルにより太陽光の導入を断念していた屋根への設置も可能としました。
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ソーラーアドバンス(商業施設・工場等向け太陽光発電ソリューション)
設計から運用までを東京ガスグループが行い太陽光発電システムを設置。安価なサービス料金で再エネを供給します。
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デマンドレスポンス
既存設備を活用し電力需給バランス平準化に貢献するデマンドレスポンスへの参加をサポートし再エネ拡大に貢献します。
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VPP(バーチャルパワープラント)
DX技術により、分散型電源を束ね一つの発電所のような機能を果たすVPPに取り組み電力安定供給と再エネ拡大に貢献。
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系統用・再エネ併設蓄電池
様々な分散型リソースのアグリゲーション・最適な需給運用の推進を目指し、系統用蓄電池事業も推進していきます。
火力発電所ゼロエミッション化
出力変動の大きな再エネの調整力および大規模な供給力の役割をはたすのが火力発電です。当社グループでは、天然ガス火力発電所の燃料に水素、e-メタンを活用していくことや、発電所から排出されたCO2の回収・貯留を行うCCSなど、あらゆる選択肢の活用を視野にゼロエミッション化を実現していきます。
関連サイト
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サステナビリティ脱炭素社会の実現をはじめとした社会課題の解決と持続的成長の両立に挑み続け、地球・社会・地域・お客さまの未来に貢献していきます。
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R&Dこれまで培ってきたエネルギー事業に関する「研究開発」に加えて、「デジタルイノベーション」と「オープンイノベーション」という新たな取り組みを推進しています。
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東京ガスとやる?カーボンニュートラル東京ガスグループが取り組んでいる、カーボンニュートラル社会への挑戦・取り組みをご紹介します。
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日本ガス協会「GO!ガステナブル」都市ガス事業者は、持続可能な社会を目指し、業界一丸となって低・脱炭素化にチャレンジしていきます。