東京ガスグループトピックス

2024年度 省エネ大賞を2件受賞!◆「複合商業施設アミュプラザ鹿児島」および「ミチノテラス豊洲」における取り組み

2025年4月11日

このたび、東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(TGES)は、「複合商業施設アミュプラザ鹿児島における省エネルギーの取り組み」と「ミチノテラス豊洲におけるスマートシティと省エネルギーの取り組み」で、一般財団法人 省エネルギーセンターが主催する2024年度(令和6年度)省エネ大賞の「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。取り組みの概要と今後の展望についてご紹介します!

【複合商業施設アミュプラザ鹿児島における省エネルギーの取り組み】概要と「省エネ大賞」受賞のポイント

アミュプラザ鹿児島 施設概要・導入概要

株式会社JR鹿児島シティ(以下「JR鹿児島シティ」)が運営する鹿児島中央駅に直結の複合商業施設「アミュプラザ鹿児島」(鹿児島県鹿児島市)において、設備の経年化に伴うリプレースと運用改善の取り組みを行いました。

エネルギーシステムイメージ 

最新の高効率なガスコージェネレーションシステム

設備のリプレースにおいては、アミュプラザ鹿児島における熱と電気の需要に合わせて設備の規模を見直し、最新の高効率なガスコージェネレーションシステム(以下「CGS」)1基と、その廃熱を優先的に利用し冷暖房を行う、廃熱投入型ガス吸収式冷温水機2基をエネルギーサービス方式※1で導入しました。あわせて、電力・熱の需要を予測し、CGSや熱源機等のエネルギー設備の高効率な運転計画を立案して遠隔自動制御を行う、ヘリオネットアドバンス※2により設備稼働の最適化も実施しています。

運用改善においては、施設を運営するJR鹿児島シティ、設備管理を担うJR九州エンジニアリング株式会社(以下「JR九州エンジニアリング」)、エネルギーサービス事業者のTGESが連携し、BEMS※3データの分析結果に基づき冷水送水温度の引き上げ、外気取入量の適正化、通年での冷水/温水供給の見直し等の省エネルギー(以下、省エネ)対策を実施しました。

上記の取り組みにより、当初の一次エネルギー削減目標として定めていた年間1,000kL・約18%を上回る、1,542kL・27.0%(2023年度実績・2019年度比)の省エネを達成したことが評価され、省エネルギーセンター会長賞を受賞しました。
基本的な省エネ対策を着実に実施したほか、共同受賞者であるJR鹿児島シティ、JR九州エンジニアリングと連携し、試行錯誤を重ねた結果、最適な対策を実現できたことが、本件の評価ポイントとして挙げられます。また、確実な省エネチューニングができるよう分かりやすいマニュアルを整備し、実績データ分析と定期的な報告を実施するなど、省エネを持続させる仕組みが構築されていることも評価点に繋がったと考えられます。

※1 エネルギーサービス事業者がエネルギーシステムを設計・設置、所有、メンテナンスまでワンストップで行い、利用者は初期投資不要でエネルギーサービス利用料を対価として支払うサービス
※2 電力・熱の需要を予測し、CGSや熱源機等のエネルギー設備の高効率な運転計画を立案して遠隔自動制御を行う、東京ガスグループ独自のエネルギーマネジメントシステム
※3  BEMS (ベムス:Building Energy Management System)。ビルのエネルギー利用状況を一元管理するシステム

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【ミチノテラス豊洲におけるスマートシティと省エネルギーの取り組み】概要と「省エネ大賞」受賞のポイント

ミチノテラス豊洲全景
ホテル棟(ラビスタ東京ベイ) と交通広場(豊洲MiCHiの駅)、オフィス棟(メブクス豊洲)

TGESが豊洲スマートエネルギーセンターから冷熱/温熱と電気を供給するシステム「豊洲スマートエネルギーネットワーク」は、2022年に誕生した複合開発街区「ミチノテラス豊洲」(東京都江東区豊洲)に導入されています。今回、熱のカスケード利用(冷熱の2段階利用)等による56.6%(想定実績値※4・基準値比)の省エネとスマートシティの取り組みが評価され、省エネルギーセンター会長賞を受賞しました。

「ミチノテラス豊洲」は、ホテル棟(ラビスタ東京ベイ)と交通広場(豊洲MiCHiの駅)、オフィス棟(メブクス豊洲)からなる複合開発街区になります。ホテル棟で採用したファンコイル空調システムは温度差を大きく取れないため、冷熱利用後の冷水還水※5にも冷熱利用の余地がありました。そこで、共同受賞者である清水建設株式会社と連携し、この冷水還水を中温冷水としてオフィス棟の一部の空調の冷熱源として有効活用する「熱のカスケード利用(冷熱の2段階利用)」を行い、冷凍機負荷と冷水搬送動力負荷を軽減。開発区域全体で省エネを実現しました。
本取り組みも省エネの取り組みの一部として評価され、省エネルギーセンター会長賞の受賞に繋がりました。

※4 テナント入居率を面積按分で満床と仮定した値
※5 豊洲スマートエネルギーセンターから供給される冷水をホテル棟の空調の熱源として利用した後の温度が上がった冷水

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今後の展望

【複合商業施設アミュプラザ鹿児島における省エネルギーの取り組み】担当者

近年の気候変動による猛暑・厳寒に伴う冷暖房負荷の増加への対応により、老朽化した熱源設備の更新が計画されているため、更新後の設備を含めた最適運用を検討し、さらなる省エネに貢献すると共に、エネルギーの安定供給との両立を図ります。

東京ガスエンジニアリングソリューションズ ソリューション営業本部 藤井

【ミチノテラス豊洲におけるスマートシティと省エネルギーの取り組み】担当者

TGESとオフィス棟・ホテル棟からなる会議体にて、開発区域全体の稼働状況の共有および運用改善を図っています。今後は開発区域全体のエネルギーの最適運用に向けて次の内容の検討を計画しています。
オフィス棟においては今後入居テナントの増加が見込まれるため、建物へのエネルギー負荷が増加することが予想されます。それに合わせ、豊洲スマートエネルギーネットワークからの熱供給とオフィス棟に設置している空調用冷凍機の運用の最適化を行います。
また、オフィス棟での中温冷水使用量が想定よりも低い場合は、中温冷水の往き温度を調整しホテル棟冷水還水をそのままオフィス棟の中温冷水に使用することで、オフィス棟の空調用冷凍機の負荷を軽減します。

東京ガスエンジニアリングソリューションズ 都市エネルギー営業本部 伊藤

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