東京ガスグループトピックス

国内初!東京都産グリーン水素と下水汚泥由来のCO₂を活用したe-メタン製造実証◆東京都と協定締結

2025年7月10日

下水汚泥由来のCO₂が発生する消化槽
提供:東京都

東京ガスは、東京都が公募した「東京都産グリーン水素と下水汚泥由来の二酸化炭素によるグリーンメタン製造(合成)事業」に採択され、本事業の実施に向け、東京都と協定を締結しました。東京ガスのこれまでの取り組みと、本事業の概要や今後の展望をご紹介します!

メタネーションとは?

「メタネーション」は、水素(H₂)と二酸化炭素(CO₂)を原料に、都市ガスの主成分であるメタン(CH₄)を合成する技術です。メタネーションによって作られた合成メタンを「e-メタン」と呼び、この利用(燃焼)によって排出されたCO₂と、メタネーションのために回収されたCO₂が相殺されるため、大気中のCO₂は増加しないという特長があります。
東京ガスは、現在の都市ガスの原料である天然ガスを、このe-メタンに置き換えることで、脱炭素化を目指しています。

参考:「脱炭素社会の実現に向けて◆メタネーション実証試験を開始」

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「水素エネルギーの社会実装化」に向けて

グリーン水素製造プラント
提供:東京都

小型メタネーション装置
提供:株式会社IHI

下水汚泥由来のCO₂が発生する消化槽
提供:東京都

東京都は、2050年代に目指す東京の姿を実現するため、2035年に向けて取り組む政策を取りまとめた『2050東京戦略~東京 もっとよくなる~』 の中で、脱炭素社会を実現し、世界のネットゼロ達成に大きく貢献することをビジョンの一つとし、その中で「水素エネルギーの社会実装化」を強化ポイントとして位置づけています。

今回、東京都が公募した「東京都産グリーン水素と下水汚泥由来の二酸化炭素によるグリーンメタン製造(合成)事業」は、東京都が大田区京浜島にて製造するグリーン水素※1と、大田区昭和島の森ヶ崎水再生センターの下水汚泥由来の混合ガス中※2のCO₂を原料として、e-メタンの実用化に向けた検討と課題の抽出を行います。
東京ガスは、これまでの知見を活かして東京都の政策に貢献するとともに、e-メタン技術のトップランナーとして、本事業を通じて下水汚泥から発生する混合ガスを活用したe-メタン製造の新たな知見を得ることを目指しています。

※1:再生エネルギ—を利用し、水を電気分解してつくる水素。製造時にCO₂を排出しない
※2:下水汚泥を処理する工程で発生するバイオガスで、CH₄とCO₂の混合ガス

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国内初!混合ガスをパイプラインで連続供給しながらe-メタン製造

設備フロー図

現在、森ヶ崎水再生センターで発生した下水汚泥の一部は、消化槽でガス化して発電の燃料として活用しています。この消化槽で発生する混合ガスからCO₂を取り出そうとすると、そのための分離装置※3が必要となり、その分の設備コストが増加します。
そこで、CH₄とCO₂を分離せずに原料として使用することで、設備費のコストダウンを図ることができます。下水汚泥から発生する混合ガスを直接配管で連続的に供給しながらメタネーション装置を設置してe-メタンを製造するのは、本事業が国内初の取り組みとなります。
製造したe-メタンは消化ガス系統に戻し、現在稼働中の消化ガス発電に活用します。下水処理で発生するCO₂を無駄なく使うことができます

※3:混合ガスのCO₂分離実証を目的としたもの

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今後の展望

東京支社 東京カーボンニュートラル共創グループ 福地

今回の実証により、下水汚泥から発生する混合ガスの有効利用の可能性が広がることになると思っています。下水汚泥由来のCO₂はカーボンニュートラルなので、グリーン水素とでe-メタンを製造することにより、都市ガスのカーボンニュートラル化に貢献できると考えています。

東京ガスグループは、経営ビジョン「Compass2030」において「CO₂ネット・ゼロへの挑戦」を掲げ、2022年3月よりe-メタンの製造実証試験※4を行ってきました。これまで獲得した知見を活かして本事業を実施することでe-メタンの地産地消の実用化に向けた検討と課題を抽出するとともに、e-メタンの普及を促進し、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」に貢献していきます。

※4:2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けメタネーション実証試験を開始

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