天然ガス火力発電所ゼロエミッション化
電力のカーボンニュートラル化の主軸は再生可能エネルギーの導入拡大ですが、その導入拡大を促進する調整力、大規模な供給力、これらの役割を果たすのが大規模電源の一つである天然ガス火力発電所です。天然ガス火力発電所については、化石燃料から水素、e-メタンへの転換や、発電所から排出されたCO2の回収・貯留を行うCCSなど、あらゆる選択肢の活用を視野に脱炭素手段を実装し、ゼロエミッション化を実現していきます。
化石燃料からの転換
「エミッション」とは「排出」という意味です。「ゼロエミッション」とは、「人間の活動から発生するあらゆる排出(Emission)をできる限りゼロ(Zero)に近づけることを目指す理念や手法」のことです。
現在の火力発電所では、化石燃料を燃焼させて発電を行いますので、CO2が排出されます。
火力発電所のゼロエミッション化とは、火力発電をしたときの温室効果ガスの排出をゼロにすることです。
現在、東京ガスの火力発電所は化石燃料の中でもCO₂排出量がもっとも少ない天然ガスを使っています。東京ガスの火力発電所の一つである千葉袖ケ浦パワーにおいては、2040年代に燃やしてもCO₂を出さない水素を使ったり、CO₂をリサイクルしてできたe-メタンを活用したり、排出されたCO₂を分離回収して貯留する技術(CCS)※1を導入したりしていくことを目指しています。
※1 CCS(Carbon Dioxide Capture and Storage)の取り組みとは
火力発電所のゼロエミッション化を進めていく中で、CO₂を分離回収して地中深くに埋めることによって、CO₂を大気放散することなく、実質的に減らしていくことも検討しています。
千葉袖ケ浦パワーでの取り組み
千葉県袖ケ浦市に建設するLNG(液化天然ガス)火力発電所では、将来的な水素の活用を見据え、水素混焼が可能な最新鋭の高効率ガスタービンコンバインドサイクル発電195万kWを導入し、2029年度より順次運転開始することを予定しています。
また、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、ガスタービン等を改造することで水素専焼も可能とする等、次世代化・高効率化および脱炭素型火力への置き換え双方の側面で重要な役割を果たしていくと考えています。
千葉袖ケ浦パワーの計画概要
予定地 | 千葉県袖ケ浦市中袖3番地3 |
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発電方式 | ガスタービンコンバインドサイクル方式 |
発電規模 | 195万kW(65万kW級×3軸) |
燃料 | LNG(液化天然ガス) |
運転開始 | 2030年3月より順次 |