東京ガスグループトピックス

国内初の取り組み!◆HARUMI FLAGへの水素供給事業開始

2024年7月11日

東京ガスと、100%出資子会社の晴海エコエネルギー株式会社は、2024年3月29日より、HARUMI FLAGへの水素供給事業を開始しました!水素パイプラインによる住宅・商業施設向け水素供給は、国内初の取り組みとなります。その事業内容や担当者の想いをご紹介します!

HARUMI FLAGでの水素供給事業の特色

(東京都の資料より引用)

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村地区として使用された本地区は、大会後の「レガシーとなるまちづくり」として、環境先進都市のモデルとしてふさわしいインフラ整備が計画されました。そのための取り組みの一つが低炭素社会の切り札となる「水素エネルギーの活用」です。

2018年2月、東京ガスと晴海エコエネルギーは、JXTGエネルギー株式会社(現:ENEOS株式会社)、株式会社東芝、東芝エネルギーシステムズ株式会社、パナソニック株式会社とともに、東京都と「選手村地区エネルギー事業」に係る基本協定を締結しました。以降、東京都が2017年3月に作成した「選手村地区エネルギー整備計画」の実現に向けて、選手村地区における水素供給事業を推進してきました。

水素パイプライン(工事中)

燃料電池(工事中)

燃料電池(竣工後)

そして2024年3月29日、東京ガスと晴海エコエネルギー株式会社は、選手村地区であった晴海地区(晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業である「HARUMI FLAG」)への水素供給事業を開始。供給先は集合住宅(4つの街区)と商業施設(1つの街区)の全5街区となり、水素パイプラインによる住宅・商業施設向け水素供給は国内初の取り組みとなります。

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「水素エネルギー」優れている点は?

水素エネルギーの大きな特長は、おもに二つあります。
一つ目は、CO₂フリーであり環境性が高い点。
二つ目は、水素キャリア(水素を効率的に貯蔵・運搬するために別の状態や水素化合物に変換する技術)を活用して、純水素、e-methane(合成メタン)、アンモニア、e-fuel(合成燃料)といった様々な形に変換し、それぞれの特徴を活かし適材適所に使うことによって、水素の活用を広げることができる点です。

住宅向け純水素燃料電池

商用向け純水素燃料電池

水素パイプライン

水素パイプラインによる住宅・商業施設向け水素供給は国内初の取り組みであるため、導入には大きなハードルがありました。その一つが法整備です。本事業により、日本で初めて水素パイプラインがガス事業法の適用を受けることになりましたが、ガス事業法が水素供給を前提としていないことから、主に安全性や規制緩和に関して評価する委員会での議論に苦慮しました。

そのほか、ガス小売事業の登録・水素への付臭など、“国内初”の取り組みだからこそのさまざまなハードルがありつつも、都市ガス事業者としての「つくる」「はこぶ」「つかう」のすべての分野での知見を結集し、国内初の水素パイプラインの敷設と供給を実現しました。

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本事業に対する想いと今後の展望

水素パイプラインによる住宅・商業施設向け水素供給は日本初の取り組みのため、事業開始後も特に世の中の注目が高いことを感じています。本事業を確実に軌道にのせ、計画・設計・施工・操業管理の一気通貫での水素利活用のノウハウをしっかり習得し、カーボンニュートラルを目指す社会に貢献していきたいと考えています。

東京ガスグループでは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、「大規模ゼロエミッション火力発電所の推進」「水素利活用の推進」「水素社会に向けたイノベーション」の取り組みを加速しています。そのうち「水素利活用の推進」に関して、晴海水素供給事業で得られる「水素特性を踏まえた建設や保安確保の知見」をより深化させ、今後想定される類似プロジェクト推進の助力となれるよう努めてまいります。

東京ガス株式会社 企画部 エネルギー公共グループ 國友

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