東京ガスグループトピックス

キャリア採用強化・日本的男性型組織からの脱却-◆D&Iの取り組み

2022年9月28日

*撮影時のみマスクを外しております

2022年4月より、ホールディングス型グループ体制に舵を切った東京ガス。これまでの伝統的な風土や組織体系に新しい風を入れようとしています。

以前は極めて「日本的」、そして「旧来の男性型社会」の風土を残す組織組成でしたが、近年、風土や環境は変わりつつあります。それは経営戦略としてダイバーシティ(多様性)を取り入れ、新たな人材確保と組織改革を行っているからです。

東京ガスが、推し進めてきているダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)、女性活躍、働き方改革といった、今の時代に求められる企業・組織の在り方について取り組み、さまざまな組織改革、今後の展望についてご紹介します。

「女性の活躍推進」と対外的な評価

もともと男性社員比率が9割であった当社。ここ近年の採用では全社員の約20%を女性社員が占めるようになり、この比率は今後も拡大していく予定です。

制度も積極的に活用されており、育児中の女性が全女性社員の4人中1人という実績、育休復職率は100%となっています。また、平均勤続年数は男性20.3年、女性17.8年と男女差に大きな開きはなくなりました。

こうした取り組みは、「女性が輝く先進企業表彰」*1入賞、「なでしこ銘柄」*2取得、「くるみんマーク」*3取得、「健康経営優良法人」*4認定といった対外での評価を受けることとなりました。
 

  • ※1:
    女性が輝く先進企業表彰…女性が活躍できる職場環境の整備を推進するため、役員・管理職への女性の登用に関する方針、取組及び実績並びにそれらの情報開示において顕著な功績があった企業を表彰する内閣府の表彰制度
  • ※2:
    なでしこ銘柄…女性活躍推進に積極的に取り組む企業を魅力ある銘柄として経済産業省と東京証券取引所と共同で選定。企業への投資促進を狙うもの
  • ※3:
    くるみんマーク…次世代育成支援対策推進法に基づき、行動計画を策定した企業のうち、目標を達成し一定の基準を満たした企業として、厚生労働大臣の認定を受けた証し
  • ※4:
    健康経営優良法人…地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みを基に、優良な健康経営を実践している企業を認定する経済産業省の制度

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経営ビジョン浸透で高まる「キャリア(中途)採用」

当社社員の新卒率は今まで9割を占めていましたが、2割、3割と徐々にキャリア人材の割合が高まることを目指しています。

特に、再生可能エネルギーDX海外展開は、これまでの知見やスキルが生きるキャリア人材の力添えなしには発展していかない分野だと考えており、そうした新たな事業や領域、価値観がますます広がったことは、直近での大きな変化となっています。

東京ガス 人事部 人事勤労グループ 川﨑

東京ガスグループ経営ビジョン「Compass2030」の内容は、新卒採用者だけでなく、キャリア採用の方にも響いているようです。ビジョンに共感して入社を考えていただける方が増えたため、パーパス経営としても、採用ブランディングとしてもうまく機能しています。

採用ブランディングとしては、LNG(液化天然ガス・都市ガスの主原料)の啓蒙や再生可能エネルギーなどの取り組み、当社の最新の活動や将来におけるビジョンを発信していくことで、当社のイメージ向上や応募者数の増加などにつながりました。

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D&I推進のポイントは「男性社員の育休取得」の向上

東京ガスの福利厚生制度では、対象の社員には配偶者の出産から180日以内に5日間の特別休暇*5を付与しており、2021年度は93%の対象社員が取得しています。

また育休制度の内容では、子が満3歳に達した直後の4月末までと定めています。まだまだスタートしたばかりですが、男性社員の育児休暇取得率は8%から16%まで向上しています。(2022年3月31日時点)


*5…2022年9月30日までの特別休暇制度内容/2022年10月1日からは、配偶者の出産予定日の30日前から出産後150日以内に5日間の特別休暇 に変更

東京ガス 人事勤労グループ グループマネージャー 陣

 
男性社員の育休取得率向上のポイントは、安心して制度を利用できる環境と雰囲気の醸成です。特に直属の上司の理解とサポートも大変重要です。

当社では心理的安全性を確保するため、全部署を対象に2週間に1回程度のペースで「1on1ミーティング」の実施を奨励しています。


また、こうした制度を整えるだけでは啓蒙は不十分なので、「実際に取得している人」を積極的に紹介もしています。育休を取得することを「人ごとではなく自分自身の問題である」と認識していただくことが推進する上でのポイントでした。「一人一人が多様であること」「価値観は人の数だけある」という考え方を、社内で発信しています。

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D&I浸透が生産性向上やデジタル推進へ

家庭を持つ多くの男性社員が、子育てや配偶者との関係性や信頼感を意識することで結果的に生産性向上を考える組織になってきました。

仕事にも家庭にもどちらも時間の限りがある中で、どう生産性を高められるかという意識を強く持っていったという社員が増えたわけです。

カンパニーや部署単位で生産性を高める取り組みを自発的に実践する動きも見られ、例えば「スケジュールを部内で共有して、仕事の負担を均一化する」などといった事例も生まれ始めました。

上司の観点で言えば、「自分が(育休などで)強制的に抜けることを想定して部下たちが仕事の組み方やチームビルディングに取り組んだ」という事例もあります。個人のスタンドプレーから周りと協力していくスタイルに切り替えていくことで、誰がいつ抜けても安心なチームを目指したとのことです。

さらに、家庭で感じた些細(ささい)な悩みや課題からヒントを得て、当社で新たに家事代行ハウスクリーニング事業を展開できました。そうした生活者の視点に寄り添ったサービスの展開にも男性社員の育休取得奨励やD&I推進活動が貢献できていると感じます。

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東京ガスが目指す今後の展望や未来への在り方

まず、キャリア採用を強化する予定です。これまで新卒採用一辺倒だった組織編成から全体の3割ほどをキャリア採用人材で構成できるよう採用計画を策定中です。

先ほど述べた通りDXや再生可能エネルギー、海外事業などで活躍してほしいと考えています。

さらに当社の女性管理職の比率を現在の9.5%から11%に引き上げたいと考えています。かつては社内の20代30代の女性を集めて女性活躍をテーマにワークショップを開催していました。現在は人事部がリードし、部署間で女性活躍をテーマにした取り組み事例をヒアリングして社内全体へ広報する活動をしています。

東京ガスグループではこれからも、持続可能な社会の実現に向けて、取り組みを続けてまいります。

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