東京ガスグループトピックス

東京ガス初◆フィリピン共和国での浮体式LNG受入基地事業への出資参画!

2025年4月30日

東京ガス株式会社(以下「東京ガス」)は、このたび、フィリピンで浮体式LNG受入基地を所有・運営するエフジェンLNG社の株式20%を取得し、同社の株主になりました。商業運転に至った国外のLNG受入基地事業への出資参画は、東京ガスとして初の事例となります。また、東京ガスがファーストジェン社と共にルソン島南部・バタンガス市に建設した浮体式LNG受入基地は、フィリピンで初めて操業許可※1を受領したLNG受入基地になります。取り組みの概要と今後の展望についてご紹介します。
※1:フィリピン共和国エネルギー省が発出するLNG基地施設を操業・保守する許可(Permit to Operate and Maintain)

東京ガス初の国外でのLNG受入基地事業への出資!その経緯とは?

緑色の船舶が浮体式LNG受入基地"BW Batangas"

東京ガスにとって商業運転に至った国外のLNG受入基地事業への出資参画は、本案件が初めての事例となります。浮体式LNG受入基地(FSRU)を活用した本基地事業への出資参画も、国内外を通じて初めての事例です。本プロジェクトは、長い年月をかけ、さまざまな関係者の協力のもと開発が進められてきました。

フィリピンでは堅調な経済成長と人口増加に伴い、過去10年間、年率4%程度で電力需要が増加しており、同国エネルギー省は今後も同水準の需要増加が続くとの想定を立てています。一方、フィリピンの電力需要の2~3割を賄ってきた国内唯一のガス田であるマランパヤ天然ガス田は、2020年代後半にも枯渇する可能性が指摘されています。
減退が進む国産ガスの代替エネルギー源としてLNGを導入し、当地の安定的な電力供給と低炭素社会の実現に貢献するため、東京ガスはフィリピン国内における全天然ガス火力発電容量の約6割を保有しているファーストジェン社と共に、首都マニラがあるルソン島南部のバタンガス市にLNG受入基地を建設することとしました。同LNG受入基地で気化されたLNGは、隣接するファーストジェン社が所有する天然ガス火力発電所に供給されています。

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前例のない本プロジェクト 成功のポイント

株式引受契約の調印式の様子
(左からファーストジェン社サントス副社長、糟谷海外CP長、ファーストジェン社プノ社長、ファーストジェン社ノエルCFO、エフジェンLNG社ココイ社長)

本事業の開発の過程では、様々な取り組みを行いました。新型コロナウイルス感染症の影響により、建設工事が遅延した際には、東京ガスのエンジニアを現地に派遣し、遅れを取り戻すための手段を尽くしました。また、2022年12月には基地事業の円滑な運用開始を支援するため、当社が所有するLNG受入基地において、ファーストジェン社メンバーに基地オペレーションに関する教育を実施しました。
このように、東京ガスが日本国内で長年にわたり培ってきたLNG受入基地事業のノウハウを課題解決に活かすと共に、ファーストジェン社と東京ガスメンバーが一体となって開発を進めたことが、プロジェクトの成功に繋がったと考えています。

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今後の展望

東京ガスの知見・技術を活かして、フィリピン国にとって非常に重要な天然ガスインフラの強靭化に貢献できたことを大変嬉しく思っています。事業の見通しが立たない中で始めたこのプロジェクトは長い年月をかけて進められ、多くの不安と向き合いましたが、事業化に向けた揺るぎない信念があったからこそ、私たちは成功への道を歩み続けることができました。現地で受入基地建設に尽力されたパートナーのファーストジェン社には大変感謝しています。
今後は、LNG受入基地の安定操業により、フィリピンへの安全かつクリーンなエネルギーの安定供給に貢献出来ればと考えております。また、事業を通じてファーストジェン社との関係をより強固なものとすることで、将来的には同社とより幅広い分野・商流での協業を目指したいと考えています。
(海外事業推進部 梶谷(当時))

左から、海外事業推進部梶谷(当時)、田中

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