東京ガスグループトピックス

ESG型不動産開発でオーストラリアの脱炭素化に貢献◆東京ガス不動産が初の海外不動産事業開始

2023年5月8日

東京ガス不動産株式会社(以下「東京ガス不動産」)が、オーストラリアでの海外不動産事業を開始しました。
この事業は、東京ガス不動産が行っている環境配慮型の不動産開発、「ESG型不動産開発事業」を国外でも推進するとともに、オーストラリアでの脱炭素化に貢献します。

取り組み内容やオーストラリアで期待できる効果、またパートナー企業であるオーストラリア現地のデベロッパー、シダー・ウッズ社CEOが来日した際の様子もあわせてご紹介します。

東京ガス不動産「ESG型不動産」とは?

東京ガス不動産では、ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)の要素をバランスよく取り入れ、環境・社会との調和を重視した不動産開発事業、「ESG型不動産開発事業」を推進しています。

2023年2月に発表された、東京ガスグループ 2023-2025 年度 中期経営計画「Compass Transformation 23-25」において、3つの主要戦略の1つである「ソリューションの本格展開」の具体的な取り組みとして、”「安心」「快適」「環境との調和」を提供するESG型不動産開発の推進”が掲げられており、本事業は東京ガスグループにおいても重要な位置づけとなっています。

これまでの賃貸住宅における取り組み

2022年1月には賃貸レジデンス「ラティエラ」シリーズ全棟の共用部に、CO2排出量実質ゼロの電気「さすてな電気ビジネス※1」を導入することを決定しました。
また、「(仮称)ラティエラ上野稲荷町」においては、断熱性・省エネ性能に優れた「ZEH-M(高層 ZEH-M Oriented)※2」を採用するほか、屋上への太陽光パネルの設置、「さすてな電気※1」の活用により、マンション共用部の電力使用によるCO2排出量実質ゼロを実現します。

※1 東京ガスの電源(LNG火力等)に再生可能エネルギー指定の非化石証書を付与することにより、CO2排出量実質ゼロの電気をご使用いただける、東京ガスの電気料金メニュー。
※2 断熱性能などを大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入によって室内環境の質を維持しながら大幅な省エネルギーを実現させ、かつ、共用部を含むマンション全体での一次エネルギー消費量を 20%以上削減することを目指したマンション。

(仮称)ラティエラ上野稲荷町

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「気候変動法案2022」が法制度化されたオーストラリア

※写真はイメージです。

世界でも有数の石炭大国であり、地球温暖化を原因とした気候変動による大規模な干ばつや森林火災による被害も近年受けていたオーストラリアは、2022年「気候変動法案2022」が法制度化されました。

この法案は、2030年までに温室効果ガス排出量を2005年比で43パーセント削減し、2050年までに実質排出量をゼロにするという目標を法制化したもの。
オーストラリアは脱炭素推進国としての取り組みが加速しています。

オーストラリアの脱炭素化を握るキーの一つが、不動産業界です。総炭素排出量の25%を占める不動産業界においては、これまでもエネルギー効率の高い住宅開発の義務が課されていましたが、最近では分散型電源を活用した不動産開発が進められています。

このようなオーストラリアの状況を鑑み、東京ガス不動産がノウハウを持つ「ESG型不動産」がオーストラリアでの脱炭素化に貢献できるのではとの考えから、オーストラリアでの不動産開発事業への進出を決定しました。

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南オーストラリア州での「BANKSIAプロジェクト」に参画

東京ガス不動産は、現地法人となる東京ガス不動産オーストラリア(TOKYO GAS REAL ESTATE AUSTRALIA PTY LTD)を2023年1月に設立し、5月よりシドニーに事務所を開設します。

本法人を通じては、オーストラリアでの不動産開発事業第一弾として、オーストラリア現地のデベロッパーであるCedar Woods Properties Limited(Managing Director:Nathan John Blackburne「シダー・ウッズ社」)が手掛ける「GLENSIDEプロジェクト」内の分譲マンション開発事業「BANKSIAプロジェクト」に参画を決定しました。

アデレードの街の様子

 

「GLENSIDEプロジェクト」は、南オーストラリア州の州都アデレードの中心部から約2キロの好立地における希少な大規模エリア再開発プロジェクトであるとともに、敷地内に残存するヘリテージ(歴史的建造物)や樹木の保全・活用を行うなど、環境・社会との調和を重視したESG型住宅開発プロジェクトです。

残存するヘリテージ(歴史的建築物)

 

「BANKSIA」外観イメージ

「BANKSIA」外観イメージ(夜)

「BANKSIA」ロビーイメージ

「BANKSIA」室内イメージ

 
本プロジェクト内で4棟目の分譲マンションとなる「BANKSIA」は、複層ガラスの採用等によるエネルギー効率指標(※3)7.9の認証取得のほか、太陽光パネル、EV充電設備、宅配ロッカーなどを組み込み、高い環境性・利便性を実現します。
 
東京ガス不動産は、【不動産×ESG開発】による事業成長に向けて、その領域を海外に拡大していきます。東京ガス不動産オーストラリア社は、オーストラリアでのネットワークを構築し、現地パートナーとの協業によりESG型不動産開発の実現を行います。

※3 豪州におけるエネルギー効率指標「NatHERS(Nationalwide House Energy Rating Scheme)」:
豪州政府機関による住宅デザインにおけるエネルギー効率性に関するレーティングシステム(10段階評価)

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パートナー企業「シダー・ウッズ社」CEOが来日!

本事業のパートナー企業であるシダー・ウッズ社は、1987年に創業した西オーストラリアのパースを本社とするオーストラリアの不動産開発会社。
シダー・ウッズ社のCEOであるブラックバーン氏と投資部長であるゴーリンジ氏が来日し、2023年4月に東京ガス不動産を3日間に渡り訪問しました。

左:東京ガス不動産 穴水社長
右:シダー・ウッズ社 CEO ブラックバーン氏

 

水素ステーション見学

千住テクノステーション見学

田町スマートエネルギーネットワーク見学

訪問では、東京ガス不動産が掲げる大規模エリア再開発案件や賃貸マンション「ラティエラ」を視察し、開発ノウハウや日本の不動産市場の理解を深めました。また、東京ガスの有する水処理施設や水素ステーション、エネルギーネットワーク等の東京ガスグループの技術サービス施設を視察し、オーストラリアでの不動産開発におけるそれら技術の活用を議論しました。
 

また、社員交流会を開催し両氏とコミュニケーションを図るとともに、現地のシダー・ウッズ社社員とのオンラインでの交流も実施し、両社の理解を深め、更なる関係の強化を図りました。
 

左から:シダー・ウッズ社 投資部長 ゴーリンジ氏、シダー・ウッズ社 CEO ブラックバーン氏、東京ガス不動産 穴水社長、東京ガス不動産オーストラリア 柴﨑社長

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東京ガス不動産オーストラリア 柴﨑社長のコメント

東京ガス不動産は、将来に渡る成長を確保するために海外事業の取り組みを決定しました。その中でも、当社が掲げる「ESG型不動産開発」が進んでいる豪州を進出国としました。

シダー・ウッズ社は、「Environmental Sustainable Development」を掲げ、コミュニティの活性化や生態系の維持等を重視した不動産開発を行ってきており、当社と価値観を共有しています。また、今後は分散型電源を活用した不動産開発へも積極的であることから、パートナーとして共同開発をすることに至りました。

東京ガス不動産オーストラリア 柴﨑社長

今後は、両社の知見を活用し、より高度なESG型不動産開発を実現することで、持続的な社会を導いていきたいと考えており、そのために、お互いを一層に理解するためにスタッフレベルでの交流も継続的に行っていきたいと考えています。

東京ガス不動産はこれからも、現地パートナーと協力し合いながら、海外不動産事業の拡大とESG型開発の推進に向けた取り組みを加速させていきます。

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