東京ガスグループトピックス

国内外で進展するe-メタン製造・メタネーションの普及拡大に向けた挑戦◆米国で大規模プロジェクトを推進!

2023年9月27日

*2022度撮影写真

東京ガスグループは、経営ビジョン「Compass2030」において、事業活動全体で、お客さま先を含めて排出するCO2をネット・ゼロにすることに挑戦すると掲げています。

その鍵を握るのが、CO2から都市ガスの原料となるメタンを生成する「メタネーション」という技術。将来的にこのメタネーションにより生成されたメタンが広く使用され、エネルギーの脱炭素化に大きく貢献することが期待されます。
未来を背負い、メタネーションの推進・開発をおこなう最先端の現場と日々挑戦を続けている社員をご紹介します。

メタネーションとは?

e-メタン(合成メタン)の製造から利用の流れ

東京ガス グリーントランスフォーメーションカンパニー e-methane推進部 岸です。メタネーションとは、水素とCO2を化学反応させ、都市ガスの主成分であるメタンを合成する技術です。

e-メタン(合成メタン)も燃焼時にCO2を排出しますが、製造時の原料として、排気ガス等から回収したCO2を使うため、実質的に大気中のCO2は増えません。また、メタンの原料である水素を水の電気分解で生成する際、電力を再生可能エネルギーとして使用すれば、水素生成時にCO2が発生しないため、e-メタンはカーボンニュートラルなエネルギーとなります。

e-メタンは既存のLNGインフラ、都市ガスインフラを用いて輸送や供給が可能です。新規に脱炭素化エネルギーの社会実装を実施するには莫大な投資が必要ですが、都市ガスをe-メタンに置き換えることにより、経済的にガスのCO2ネット・ゼロを目指すことができます。

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e-メタン(合成メタン)の普及を目指して

e-メタン(合成メタン)の社会実装に向けたロードマップ

東京ガスは、メタネーションによるカーボンニュートラルの実現を積極的に推進しており、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」を見据え、2030年までにガス供給量の1%をe-メタン(合成メタン)に置き換えることを目標としています。

東京ガス グリーントランスフォーメーションカンパニー e-methane推進部は、このe-メタン1%導入の実現、そしてその先のさらなる普及拡大に向けて、e-メタンを海外で生産し、日本に輸入する「e-メタン海外大規模サプライチェーン構築」を実現することをミッションとしています。
 

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米国でe-メタンを製造し日本に輸出する
e-メタンのサプライチェーンの構築

e-methane推進部が、現在最も力を注いでいる取り組みの一つが、米国でe-メタンを製造、日本に輸出するe-メタンのサプライチェーンの構築です。

これは東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、三菱商事、センプラ・インフラストラクチャー社の5社共同で、米国テキサス州でe-メタンを製造し、現地のLNG液化基地やパイプライン、LNG船・受入基地などの既存インフラを活用し、e-メタンを液化・輸送するというもの。2030年に日本へのe-メタン導入を目指すビッグプロジェクトです。

米国は水素製造のための水電解に使用される再生可能エネルギーが、安価かつ豊富に調達できることに加え、既存インフラが整備されているため、早期のサプライチェーン確立が図れるというアドバンテージがあります。

現在、関係各社と事業可能性調査における技術的側面の評価等を進めており、2023年度末に事業コンセプトが決定する予定で、その後、施設の基本設計、投資意思決定を経て、2029年にe-メタンの生産開始を目指しています。

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日本へのe-メタン導入を目指す
米国での大規模プロジェクトを推進!

現在、私は現地部隊として米国企業との交渉や、米国側でのアクションプラン・戦略の策定・実施を進めています。

水素や再生可能エネルギーに関する取り組みは、米国では今大きな注目を浴びており、日々新たなプレイヤーが参入しています。そのような状況下で、日本では得られなかった情報を積極的にキャッチしていくことも現地部隊での重要な任務です。

世界初のプロジェクトということもあり、制度や技術を含め、まだ不確実なことが多い本プロジェクトですが、限られた時間の中で決断し、タイムラインに沿って歩みを進めていくためにも、一つの案にこだわらず、さまざまな情報を吟味し、代替案を並行して検討しています。

海外メンバーとの打ち合わせ (e-methane推進部 岸 (一番右))

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国を超えて、未来の子どもたちのために
脱炭素社会の実現への挑戦を続けていく想い

カーボンニュートラル実現に、e-メタンを社会実装していくことが極めて有効であることを広く知っていただくことで、「環境価値」や「カーボンクレジット」のような売買取引可能な仕組みの構築、補助金創設等、メタネーションに係る制度面の整備にも貢献していきたいと考えています。

国を超えて世界規模での調整が必要となってくることもあり、決して容易なことではありませんが、メタネーションによるe-メタンの普及・拡大には必要不可欠なことと考えています。

脱炭素の取り組みは人類が生存していくための地球規模の取り組みです。未来の子どもたちのために、脱炭素の取り組み、メタネーション実用化に向けた挑戦を続けてまいります。

東京ガス
グリーントランスフォーメーションカンパニー
e-methane推進部 岸

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