東京ガスグループトピックス
脱炭素社会の実現に向けて◆電気自動車充電サービス「EVrest」
2022年5月20日
東京ガスでは、2021年11月より、集合住宅にお住まいの方でも戸建てにお住まいの方同様に、EVに充電できるサービス「EVrest(イーブイレスト)」の提供を開始しています。
世界的に脱炭素化社会の実現が目指されているなか、イギリスやフランスではガソリン車販売禁止の表明がなされ、電気自動車(Electric Vehicle:以下、EV)の普及に向けて大きく動き出しています。日本も2021年に「2035年までに新車販売で電動車(EV、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車、燃料電池車といった動力源に電気を使用する自動車の総称)100%の実現」を表明しています。
脱炭素社会の実現に向けて、EVの普及が求められている現在、東京ガスがEV充電サービス「EVrest(イーブイレスト)」を開発した背景やサービス提供ついてご紹介します。
1.脱炭素社会の実現に向けて、EV普及を加速する東京ガスの挑戦
2030年に向けた東京ガスグループの経営ビジョン「Compass2030」では、CO2排出削減をリードしていく「CO2ネット・ゼロ」を挑戦のひとつとして掲げています。
Compass2030についてはこちら>
天然ガスを有効利用することと再生可能エネルギーと最適に組み合わせること、電気・熱分野の脱炭素化、そして排出されたCO2の回収技術など、脱炭素を実現する技術開発などを進めています。
また、お客さまの価値観の多様化に合わせて、新しい価値を生み出し、一人ひとりの暮らしから地域社会に至るまで、さまざまな課題を解決するサービスの提供も進めています。
その一環として、東京ガスでは総合エネルギー事業者として、EV普及促進のため、EV充電サービスの提供に取り組んでおります。
2.東京ガスが目指すEV事業のイメージ
東京ガスが目指すEV事業のイメージは、EVを移動手段、電力消費機器、蓄電池の三面で捉え、EVの導入や運用におけるコスト削減、利便性の向上、蓄電池としての活用などによる価値の最大化を目指しています。
3.開発の背景 : 集合住宅におけるEV充電設備不足という課題
EVの普及にあたり大きな課題のひとつとなっているのが、EV充電環境の整備が遅れているということです。
EVに関心のある層の9割以上が自宅で充電できることを期待しているものの、実際に自宅に設置されているEV充電設備数、なかでも集合住宅は非常に数少ないというのが現実でした。
とくに集合住宅においては、EVの充電には共用部の電気を用いることが一般的なため、公平な課金を行うためには、高機能で高価なスペースを取る充電設備を用いる必要があります。
そのような充電設備は、機械式駐車場等への導入に対して物理的制約が大きいほか、導入可能としても高価であるために少数の充電設備を共用利用することが多いです。充電設備を共用利用する場合、充電のための移動や順番待ちが発生するため、戸建・自宅で充電できるユーザーに比べてコスト面や利便性での課題が多く、設備導入のハードルが高い状況です。
これらの課題を解決するために東京ガスでは、集合住宅にお住まいの方でも、戸建てにお住まいの方同様にEVに充電できるサービス「EVrest(イーブイレスト)」を開発いたしました。
4.サービス内容 : EVrest(イーブイレスト)とは?
設備:小型コンセントと制御ユニットの導入
汎用的な200Vコンセントの他に、遠隔制御ユニットとQRコードを導入します。
QRコードをコンセントに貼付しスマートフォンのアプリで読み取るという仕組みによって、アプリにて課金管理を行うことができます。
EVユーザーが契約している駐車スペースに専用の充電設備を設置することで、充電のための移動や順番待ちのない、利便性の高い充電環境を実現します。※1
※1:専用のEVコンセントが設置出来ない場合やご予算によっては、充電設備を複数人で共用する使い方をご提案する場合があります
ユーザー:ご利用の流れ
利用者は事前に、スマートフォンアプリをダウンロード。
EV充電ケーブルを、コンセントとEVにそれぞれ挿し込みます。
駐車場に設置された、EVコンセントのQRコードを読み取ると利用者を認証します。
EVrest スマートフォンアプリ
アプリ内に、充電場所と時間あたりの料金が表示されますので、充電時間を指定して充電を開始。この操作によって、初めて充電が開始されますので、盗電の心配もありません。
アプリ上ではEV充電設備の検索や、サービス利用料の決済を行うことができます。
既存のマンションへも導入可能
既存のマンションへも導入可能です。
充電設備は、通常の充電スタンドの価格と比べて安価な200Vコンセントを使用。
コンセントは小型で省スペースなため、平置き駐車場だけでなく、スペースの制約により充電設備の設置が難しかった機械式駐車場等においても導入しやすくなっています。
本サービスの提供は関東エリア※2から始め、順次拡大する予定です。また、商業施設や宿泊施設設等に導入することも可能であり、さまざまな施設での展開を目指していきます。今後も引き続きサービスの普及に併せてユーザーのニーズを捉え、エネルギー供給との連携など、技術面・ビジネス面におけるEVrestの進化を目指していきます。
*2:東京都、千葉県、群馬県、神奈川県、茨城県、山梨県、埼玉県、栃木県、静岡県(富士川以東)ただし、離島を除く
5.東京ガスがマンションへの導入もサポート
マンションの駐車場や電気容量の状況、充電器設置台数や場所のご要望をお伺いしたうえ、理事会やオーナー様へ、ご自宅のマンションに最適なEV充電設備の提案を行わせていただきます。
マンションの組合様も納得できるように、補助金の活用や、導入による物件価値向上の可能性、電気代の受益者負担の仕組みなどご説明させていただいております。