プレスリリース
東京ガス・野村不動産による芝浦スマートエネルギーネットワークが始動
~BLUE FRONT SHIBAURA TOWER Sへのエネルギー供給を開始~
2025年3月5日
東京ガス株式会社
野村不動産株式会社
東京ガス株式会社(社長:笹山 晋一、以下「東京ガス」)と野村不動産株式会社(社長:松尾 大作、以下「野村不動産」)が共同で設立した東京ガス野村不動産エナジー株式会社*1(社長:吉田 範行、以下「東京ガス野村不動産エナジー」)は、芝浦エネルギーセンターを竣工し、3月1日よりエネルギー供給を開始しました。これにより、芝浦地域冷暖房センター(以下「芝浦地冷センター」)と芝浦エネルギーセンターが連携する、芝浦スマートエネルギーネットワーク(以下「芝浦スマエネ」)が始動しました。
エネルギーの供給先となるBLUE FRONT SHIBAURA*2は、今回竣工したTOWER Sに続き、30年度にTOWER Nの竣工を予定しています。東京ガス野村不動産エナジーは、このTOWER Nにもプラント設置を計画しており、街区開発一体となってエネルギー連携を高度化していきます。
スマートエネルギーネットワークのイメージ
(1)芝浦スマエネの特長
再開発事業と既存地域冷暖房事業の連携によるエネルギー供給の最適化
BLUE FRONT SHIBAURAは、東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(社長:小西 康弘、以下「TGES」)が熱供給事業を行う芝浦地域冷暖房の区域内に位置することから、初期段階から再開発事業と連携し、TGESの芝浦地冷センターの既存設備を最大限に活かすことで、区域全体でエネルギー供給の最適化を図っています。
- 芝浦地冷センターによる芝浦エネルギーセンターの遠隔運転によりプラント運用を合理化します。
- エネルギー需要に合わせて、芝浦地冷センターの機器と芝浦エネルギーセンターの機器を最適運用することで、区域全体のエネルギー効率を約15%向上*3する見込みです。
(2)芝浦エネルギーセンターの特長
① 高いエネルギーレジリエンスによる防災力の向上
- 災害時にも供給可能な中圧の都市ガスを燃料とし、停電時も発電可能な仕様のガスコージェネレーションシステム*4により、平常時の環境性向上を実現しながら、系統電力停電時にも都市ガスの供給が継続する限り電力供給が可能なシステムを構築しています。
- 全てのユーティリティ*5が途絶した際にも非常用発電機の電力のみで稼働可能な空冷ヒートポンプチラーを採用し、非常時の事業継続に貢献します。
- プラントを中間階に設置することにより万が一の浸水被害からもプラント自体を守り、供給継続を図ります。
② CO2排出量実質ゼロの実現と脱炭素最新技術の導入
- プラントで使用する電力・ガスの全量を、野村不動産グループ開発物件において創出した再エネ電力等と東京ガスグループのカーボンオフセット都市ガス(地球環境貢献型)*6とすることで、供給するエネルギーのCO2排出量実質ゼロを実現しています。
- 世界最高レベルの発電効率を誇る高効率燃料電池システムFC-6M*7を導入するとともに、その排ガス中のCO2を利用した除菌水(炭酸次亜水)を製造するCCU実証試験*8を日本で初めて*9開始しています。
停電時も発電可能なガスコージェネレーションシステム
高効率燃料電池システム FC-6MとCCU装置
東京ガス野村不動産エナジーは、両グループの強みを活かし、芝浦スマエネによるエネルギー供給の高度化を通じて本エリアの未来につながる街づくりを支え、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
参考
芝浦エネルギーセンター 概要
供給開始日 | 2025年3月1日 |
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設置場所 | 東京都港区芝浦一丁目1番地1号 |
供給能力 | 冷熱:約55GJ/h 温熱:約44GJ/h 電力:2,000kW(発電端出力) |
主要設備 | ガスコージェネレーションシステム:1,000kW×2台 温水吸収式冷凍機:299RT×1台 空冷ヒートポンプチラー:60RT×18台 芝浦地冷冷熱受入:3,500RT 芝浦地冷温熱受入:34.2GJ/h |
東京ガス野村不動産エナジー 会社概要
会社名 | 東京ガス野村不動産エナジー株式会社 |
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所在地 | 東京都港区海岸一丁目5番20号 |
設立 | 2021年4月1日 |
資本金 | 5千万円 |
代表者 | 代表取締役社長 吉田 範行 |
株主 | 東京ガス株式会社(持株比率:66%)、野村不動産株式会社(持株比率:34%) |
BLUE FRONT SHIBAURA 概要
事業主体 | 野村不動産株式会社 東日本旅客鉄道株式会社 |
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所在 | 東京都港区芝浦一丁目1番地1号 他 |
主用途 | オフィス、ホテル、商業店舗、共同住宅、駐車場他 |
区域面積 | 約47,000m2 |
延床面積 | 約550,000m2 |
階数 | TOWER S:地上43階 地下3階 / TOWER N:地上45階 地下3階 |
最高高さ | 約230m |
竣工 | TOWER S:2025年2月 / TOWER N:2030年度(予定) |
完成予想図
用途構成
芝浦地域冷暖房 概要
事業者名 | 東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社 |
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所在地 | 東京都港区海岸一丁2番3号 |
熱供給対象建物 | 東京ガスビル(1984年2月供給開始) 東芝ビル(1984年3月供給開始) 東芝浜松町ビル(1984年3月供給開始) シーバンスS館(1991年2月供給開始) シーバンスN館(1991年2月供給開始) シーバンス ア・モール(1991年2月供給開始) BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S(2025年3月供給開始) |
東京ガスのソリューションブランド「IGNITURE*10」について
東京ガスは、「ソリューションの本格展開」に向け、2023年11月、ソリューション事業ブランド「IGNITURE」を立ち上げました。東京ガス野村不動産エナジーにおける各取り組みにおいても、「IGNITURE」の下で提供するソリューションを通じて、サステナブルかつスマートな事業運営の実現を目指しています。
BLUE FRONT SHIBAURAについて
本プロジェクトは、浜松町ビルディング(東芝ビルディング:東京都港区芝浦1-1-1)の建替事業として、高さ約230mのツインタワーの建設を予定しています(TOWER S:2025年2月竣工、TOWER N:2030年度竣工予定)。区域面積約4.7ha、延床面積約55万m2の、オフィス・ホテル・商業施設・住宅を含む、約10年間に及ぶ大規模複合開発です。「水辺ならではのライフスタイルを創造し、これを広め、東京のベイリアをつないでいく」ことを目指し、更なる成長が期待されるベイエリアから、東京の発展に寄与していきます。
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*1:
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*2:
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*3:既存プラントとの比較による
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*4:非常用発電機との連係起動及び、停電状態から発電機を自立起動させ運転を再開するブラックアウトスタートが可能
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*5:電気・都市ガス・上水道
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*6:バリューチェーン全体で排出される温室効果ガスを、森林保全等で創出されたCO2クレジットで相殺することにより、地球規模では排出量がゼロとみな
される都市ガス。詳細はこちら -
*7:
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*8:Carbon dioxide Capture, Utilizationの略。ここで実証試験を行う除菌水(炭酸次亜水)の用途は建物内の清掃等を想定
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*9:東京ガス調べ
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*10:IGNITUREの詳細はこちら