東京ガスグループトピックス
カーボンオフセット都市ガス導入◆株式会社ジョイフル本田さま
2025年12月25日
東京ガスグループのCO₂ネット・ゼロ実現の取り組みの一つとして、東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社ではカーボンオフセット都市ガスの普及・拡大を進めています。
今回は、株式会社ジョイフル本田さまのカーボンオフセット都市ガスの導入事例をご紹介します!
株式会社ジョイフル本田さまにおける脱炭素化の取り組み
株式会社ジョイフル本田は、1975年の創業以来、「必要必在」と「生活提案」を通じて地域社会の喜びと夢を共創することを使命とし、現在では超大型店タイプを主軸としたホームセンター16店舗とペットや資材の専門店11店舗を展開しています。
事業活動によって生じる環境負荷を低減し、地球環境への配慮と循環型社会の構築を目指すことを重要な経営テーマと位置づけ、持続可能な社会と企業成長の両立に取り組んでいます。
当社では、「環境負荷の少ない店舗づくり」を掲げ、温室効果ガス削減の長期目標として2013年6月期比で2025年:46%削減(当初計画を1年前倒しで達成)、2030年:70%削減、2040年:カーボンニュートラル達成を設定し、脱炭素化への取り組みを加速させています。
また、設置可能な全店舗で屋根置き太陽光発電設備の設置を完了し、メガソーラー規模のソーラーカーポート導入を進めるなど、再生可能エネルギー自給率向上を目指しております。
空調設備については、店舗の修繕計画に合わせて高効率機器への更新を進めており、ホームセンター16店舗中10店舗で、高効率なGHP(ガスヒートポンプ)を導入しています。これにより、原油換算でのエネルギー使用量削減に加え、電力需要の平準化にも寄与しています。また、全店の照明LED化による大幅な電力使用量削減、排出係数ゼロ電力メニューへの切り替え、さらに太陽光発電の導入による再生可能エネルギー比率の向上など、電気分野の脱炭素化を強化してきました。
その一方で、ガス利用分の CO₂排出削減が今後の課題となっており、その解決策として「カーボンオフセット都市ガス」の導入を進めています。
カーボンオフセット都市ガス導入の経緯
屋根置きメガソーラーを導入した店舗(ジョイホンパーク吉岡)
当社は、2023年にオープンした16号店・吉岡店(群馬県)にて、初めてカーボンオフセット都市ガスを導入しました。
オープン当初から同店を「カーボンニュートラル先行取組店舗」として位置づけ、屋根置き太陽光設備の組み合わせにより先導的な「カーボンニュートラル先行取組店舗」して運用しています。
その後、東京ガスの都市ガスを使用する他6店舗にもカーボンオフセット都市ガス(地球環境貢献型)を順次導入し、さらに2025年4月からは、地球温暖化対策推進法(以下、温対法)上で調整後排出係数ゼロとして算定できる「排出係数調整型」への切り替えを進め、法制度における直接的な排出削減にも取り組んでいます。
カーボンオフセット都市ガスの導入により、2025年6月期のGHG排出量※算定でのCO₂オフセット量は、約3,500tとなりました。
また、排出係数調整型都市ガスへ切り替えたことで、2026年度(2025年4月~2026年3月)温対法算定排出量報告分において大幅な削減が見込まれています。
将来的に e-メタン※の商用化・普及が進んだ際は、積極的な導入を検討してまいります。
※GHG排出量:温室効果ガス排出量
※e-メタン:e-メタンはメタネーションにより製造。メタネーションとは原料である水素とCO₂を化学反応させることで都市ガスの主成分であるメタンを合成する技術を指す。 e-メタンの製造にあたっては排気ガス等から回収したCO₂を原料として再利用するため、燃焼時にCO₂を排出しても実質的には大気中のCO₂は増えない。また、もうひとつの原料である水素については、再生可能エネルギー等を利用して製造することにより、e-メタンはカーボンニュートラルなエネルギーと言える。
総合的な脱炭素経営の推進
店舗屋上に設置されたスマートマルチ(ハイブリッド空調)
当社は、再生可能エネルギー導入、機器高効率化、電力・ガスのゼロエミッション化を多面的に組み合わせることで、事業全体の脱炭素化を一層進めています。
今後も東京ガスをはじめとしたパートナーの皆さまと連携し、「地域社会の喜びと夢を共創する」企業として、環境負荷の少ない持続可能な店舗づくりを推進してまいります。
東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社 都市エネルギー営業本部 担当のコメント
株式会社ジョイフル本田さまの脱炭素化の取り組みに向け、密なコミュニケーションを取らせていただきながら、カーボンオフセット都市ガスをはじめ、様々なご提案をしております。
信頼性の高いボランタリークレジット※を活用した「地球環境貢献型」をジョイホン吉岡店へご採用いただいたことをきっかけに、千代田店、宇都宮店、富里店、君津店(生活館・資材館)、千葉店、千葉ニュータウン店の複数店舗へ導入いただきました。
その後、SHK制度において調整後排出係数※がゼロとなる都市ガスメニュー「排出係数調整型」を当社がリリースしたことをきっかけに、国内環境制度に対応すべく、「排出係数調整型」への切り替えをさせていただきました。
排出係数とは、 燃料(都市ガスなど)や電力の使用量1単位あたりに、どれだけのCO₂などの温室効果ガスが排出されるかを示す数値です。
調整後排出係数とは再生可能エネルギーの利用や、Jクレジットなどの環境価値を組み合わせることで、報告上の排出係数を調整した値です。これにより、実質的なCO₂排出量をゼロとみなすことが可能になります。当社がリリースした「排出係数調整型」の都市ガスメニューでは、お客さまが使用される都市ガスから排出されるCO₂量に見合う環境価値(再エネ及び省エネ由来のJクレジット)を当社が調達し、都市ガスとセットでご提供します。
これにより、お客さまの都市ガス使用に伴う温室効果ガス排出量を、実質ゼロとして「SHK制度」などの報告書に計上することができます。
今後とも、ジョイフル本田さまのカーボンニュートラル達成にむけて共に取り組んでまいります。
※ボランタリークレジット:森林の保護や植林、省エネルギー機器導入などを行うことで生まれたCO₂をはじめとする温室効果ガスの削減効果(削減量、吸収量)を、民間の認証機関がクレジットとして発行し、取引できるよう価値化したもの。東京ガスは、独自のカーボンクレジット評価基準を策定し、国際的にも信頼性の高いVerraやGold Standardといった基準に加え、カーボンクレジットの評価基準を設定し、維持・管理するために設立された国際的な非営利組織であるICVCMのCCPs(コアカーボン原則)や関連格付けサービスの指針等を参照し、上乗せする形で評価を実施している。
都市エネルギー営業本部 法人営業第二部 第2グループ 君島


