東京ガスグループトピックス
AI導入で年間1万1000時間の応対時間削減◆コールセンター効率化の取り組み
2022年8月4日
東京ガスカスタマーサポートは、ガス・電気・サービスに関わるあらゆるお問い合わせやご要望に、電話ほか複数チャネル(WEB・チャット等)で365日受付できる体制を整えています。
東京ガスカスタマーサポートではAIを導入することにより、コールセンターでの電話対応業務等を効率化し、お客さま満足度の向上を図りました。その取り組み内容や成果、今後の展望をご紹介します。
受付業務・コールセンター運用における課題
東京ガスカスタマーサポートでは、お客さまのお問い合わせに最適な対応を追求するだけでなく、低コストで正確な対応をすることで、将来的には東京ガスカスタマーサポート自身がグループの利益向上における重要な戦略ポジションを担うことを目指しています。
そのためには、コールセンターのオペレーターが担う受付領域の根本的な業務プロセスの改革が急務となっていました。
東京ガスにおける、電気・サービス等の事業拡大に伴う電話対応・フローの複雑化、顧客対応時に必要な情報が見つけづらいなどの課題が発生し、コールセンターのオペレーターの経験値によって対応レベル差が出ていたのです。
音声認識などのAIの導入と情報一元化
課題解決に向けて、まずは、受付時に参照する情報の整備から始めました。
参照する情報の一元管理やAIを活用したツールを導入することで、情報が見つけやすく、見つけた情報を活用しやすくする仕組みづくりを開始しました。
将来的には、お客さまが自己解決を促進する呼量削減や無人受付などの自動応答による応対コスト削減に向けた基盤となるように検討しています。
実現をするうえで活用したのが、AIの音声認識・高度な検索機能です。
以前は、オペレーターがお客さまとの会話内容を基に手入力で検索して適切な情報を探していましたが、AIの音声認識との連携により、会話内容をAIに判断させ、自動的に適切な情報を提示、ワンクリックで検索できるようにしました。
お客さまの問い合わせ内容に応じてAIが早急に推奨回答を特定し、確認項目リストとともにオペレーターのPCディスプレイに表示されるため、業務効率化や意思決定のサポートに大いに貢献しています。
AI導入による成果・効率化
AIツールを導入した結果、下記のような具体的な成果がありました。
・オペレーターから管理者へのエスカレーション率を「14%削減」
・オペレーター応答時間は情報を探す作業を中心に平均「10秒短縮」
・年間1万1000時間の応対時間削減 & お客さま満足度の向上
必要な情報を短時間で正確に確認できるようになり、オペレーターの回答サポートや意思決定が円滑に行われるようになりました。
また、AIを活用することで、オペレーターごとの対応のばらつきが減り、更なる応対時間の短縮につながったことが大きな成果と考えています。
従来、現場では未経験者がコールセンター業務に取り組む際はマンツーマンのOJTや教育の時間が必要でしたが、その時間の軽減にもつながっています。
電話対応業務の効率化に成功し、呼量、受付ミス、ともに削減に至り、さらに、確認漏れの削減や正確な応答によってお客さま満足度の向上へも確実につながってきています。