東京ガスグループトピックス
横浜の本町小学校で日本最古とみられるガス管が発掘!
2022年1月11日
20年前の今日、2002年1月11日に、横浜市中区花咲町の市立本町小学校の校庭から日本最古とみられるガス管が見つかりました。
本町小学校でスプリンクラーの受水槽設置工事のため、校庭を掘削していたところ、地中3mほどから、並行して 2本の金属管が発見されました。直径約20cmの鋳鉄管で、「RL&S」の文字が刻印されており、長さ3mに渡って敷設されていました。
東京ガスの導管ネットワークセンター保全・照会工事グループで生死検分(ガス管が使われているかいないかの検分)を行ったところ、使用されていないガス管と判明しました。
刻印「RL&S」の正体とは?
1943年に市ガス局が発行した「横浜瓦斯史」には、1871年(明治4年)の機材購入記録が残っており、刻印「RL&S」とは当時の機材購入先であった、英国の「R.LAIDLAW&SONS」のイニシャルであったことがわかりました。
管を入れ替えた可能性が低いことから、日本最古の1871年当時ものと考えてほぼ間違いないという結論に至りました。
本町小学校と横浜のガスの歴史
小学校から日本最古のガス管が発掘、というと意外に聞こえますが、実は本町小学校にはガスの歴史と深い関りがありました。
本町小学校が位置する場所には、かつて日本初のガス会社「横浜瓦斯燈会社」がありました。
1870(明治3)年、横浜市中区花咲町に設立された「横浜瓦斯燈会社」は、ガス製造工場を備え、日本で初めてガスを製造した会社です。1872(明治5)年に、横浜の馬車道から本町通りにかけて日本で最初のガス灯となる10数基を点灯しました。(日本ガス事業発祥の地)
1892(明治25)年4月に「横浜瓦斯燈会社」は、「横浜市瓦斯局」となりますが、1923(大正12)年の関東大震災でガスホルダーが被害を受けたため震災復興で廃止され、翌年この跡地に小学校が移転してきました。これが、現在の横浜市立本町小学校です。
その後「横浜市瓦斯局」は、1944(昭和19)年11月に当社と合併し、東京ガス株式会社となりました。
横浜開港100年を迎えた1958(昭和33)年、記念事業として、日本のガス事業発祥の地である本町小学校の敷地へガス灯が設置されました。その後1984(昭和59)年、新校舎の建設に合わせて新しくガス灯と記念碑が整備され、今も本町小学校の校門で見ることができます。
東京ガス ガスミュージアム
今回ご紹介した日本最古のガス管は、東京都小平市にある東京ガスの企業館「ガスミュージアム」でも所蔵しており、今春から常設展示を開始する予定です。どうぞお楽しみに。
ガスミュージアムでは、日本のガスの事業の歴史と、くらしとガスのかかわりをご紹介しているほか、明治時代の錦絵を400点以上所蔵しており、主に企画展で錦絵をご覧頂けます。
▼「ガスミュージアム」についてはこちら
https://www.gasmuseum.jp