東京ガスグループトピックス

◆ガスの記念日◆横浜に残る「高島嘉右衛門」の功績とガス灯

2020年10月30日

10月31日は「ガスの記念日」 ※1

明治5年(1872年)10月31日に、現在の横浜市の馬車道通りで「ガス灯」が点灯し、日本での都市ガス事業が始まりました。※2
 
この横浜のガス灯設置に大きく貢献したのが、高島町の名前の由来にもなった横浜の実業家「高島嘉右衛門」です。高島嘉右衛門は、ガス灯設置のほか、横浜港の鉄道敷設に伴う埋め立て事業など、横浜の発展に大きく寄与した人物です。

◆横浜ガス灯設置の裏側のドラマとは?◆

当初、横浜のガス灯設置はドイツのシュルツ・ライス商会が建設を計画していました。それを聞いて外国に権益を奪われることを憂慮した高島嘉右衛門は、「日本社中」を結成してガス会社建設の権利を得、明治5年(1872年)10月31日に横浜馬車道でのガス灯点灯を実現しました。これが、日本の都市ガス事業の始まりとなりました。

横浜 馬車道の記念レリーフ

横浜 馬車道のガス灯

◆横浜「高島町」の地名の由来とは?◆

日本屈指の大都市・横浜は、度重なる埋め立てによって土地を拡張し、街を発展させてきた歴史があります。いまでは多くの観光客で賑わいを見せるみなとみらいの一帯は、開国前は「入り江」でした。

1871年(明治3年)、日本初の鉄道事業となる新橋~横浜間の鉄道敷設のため、野毛浦(現在の西区野毛町)から神奈川宿青木海岸(現在の神奈川区青木町)を結ぶ土地を埋め立てる計画がとられました。

この埋め立て・開発事業の指揮を執ったのが高島嘉右衛門です。この高島嘉右衛門の功績は、いまでも「高島町」の地名として残っています。

◆「高島嘉右衛門」の功績に関する「錦絵」をご紹介◆

東京ガスグループ ガスミュージアム所蔵の「錦絵」から、「高島嘉右衛門」の功績に関する錦絵をご紹介します。

『横浜明細之全図』 橋本貞秀<明治3(1870)年 木版画>

明治初めの横浜の様子を描いています。作品では各国の領事館の位置が大きくかかげた旗でしめされ、前年改架した吉田橋の鉄橋は、クローズアップして取り上げられています。また前年に横浜から東京築地に開通した電信線の姿も描かれ、高島嘉右衛門が請け負い、完成間近の鉄道敷設向けの築堤に伸びる姿も見えます。

『横浜名勝競 伊勢山下瓦斯本局雪中の一覧』 歌川国松<明治13(1880)年 木版画>

明治5(1872)年に横浜の伊勢山下に建てられた、日本最初のガス会社の工場風景を描いています。ここにて製造されたガスは、地中に埋設されたガス管により、馬車道や本町通に設置されたガス燈に送られ、横浜の夜の街を照らしました。

◆東京ガス ガスミュージアム◆

東京都小平市にある「ガスミュージアム」では、明治時代の錦絵を400点以上所蔵しています。
主に企画展で錦絵をご覧頂けるほか、日本のガスの事業の歴史と、くらしとガスのかかわりをご紹介しています。
 
▼「ガスミュージアム」についてはこちら
https://www.gasmuseum.jp

※1...一般社団法人日本ガス協会により制定されました。
※2...旧暦では9月29日になります。

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