東京ガスグループトピックス

◆今日は「何の日」? ◆ 文明開化「鉄道」の錦絵をご紹介!

2020年10月14日

今日10月14日は「鉄道の日」!148年前の今日、明治5年(1872年)10月14日に、日本初の鉄道路線である新橋駅~横浜駅間が正式に開通しました。
同駅間は当時29キロメートルで、所要時間はノンストップで53分だったそうです。
 
この明治5年(1872年)という年は、鉄道の開業のほか、横浜ではじめてガス灯が灯るなど、現在の私たちの暮らしにも関わる、さまざまな文化風俗が国内に登場した年でもありました。
 
未知の乗りものであった鉄道は、建設中より当時の人々の注目を集め、開業前よりさまざまな絵師たちにより想像で錦絵に描かれました。開業後は走る汽車の姿をはじめ、その様子を眺める人々の姿や駅舎の様子も数多くの錦絵に描かれ、全国各地の人々に伝えられました。

「鉄道」の「錦絵」をご紹介

東京ガス ガスミュージアム所蔵の「錦絵」から、「鉄道」が描かれた錦絵をご紹介します。

『横浜往返蒸気車全図』 歌川広重(三代)<明治4年(1871年) 木版画>

鉄道開業時の横浜の起点であった、現在の桜木町駅から横浜駅にかけての路線は、海を埋め立て、営業を開始しました。
この埋立造成を請け負ったのが高島嘉右衛門で、造成地の一部は払い下げられ、現在は高島町の一部となっています。

新橋駅とともに、明治5年(1872年) の鉄道開業時に建てられた横浜駅は、ブリジェンスにより設計された、木骨石造りの建物でした。作品にはホームに停まる蒸気機関車の他、対岸の海辺にはブライトンが設計した灯台の姿も見ることができます。

『横浜商館並ニ辨天橋図 横浜ステーション蒸気入車之図並ニ海岸洋船燈明台を眺望す』 歌川国鶴<製作年不明 木版画>

作品では正装の男性たちに見送られ、菊のご紋のある客車へ西洋傘を指して進む女性たちの姿が描かれています。作品の発行年は不明ですが、明治9年(1876年)11月に京へ向かう皇后陛下の様子が描かれていると考えられます。

『皇后宮様西京行啓従新橋ステーション蒸気御乗車之図』 歌川広重(三代)<製作年不明 木版画>

現在の品川駅付近が描かれています 。鉄道開業の前年に発行された作品であり、線路が一本だけであったり、蒸気機関車の形状も実際の車両とは異なるなど、鉄道という開化風物をイメージで描いています。

『東京蒸気車之図』 歌川芳虎<明治4年(1871年) 木版画>

品川付近を走る蒸気機関車の姿を描いています。
鉄道路線は高台に架かる橋下を走っていますが、この橋は「八ツ山橋」と呼ばれ、鉄道の開業に合わせて東海道と線路を交差させるためにかけられました。
現在の橋は、昭和60年(1985年)に改架された四代目の橋になります。

『東京品川鉄道蒸気車発車之図』 歌川広重(三代)<明治6年(1873年) 木版画>

新橋駅のプラットホームへ到着する蒸気機関車の姿が描かれています。
プラットホームは駅舎より南へ、長さ151.5m、幅9.1mであったと記録にありますが、平成3年(1991年)に発掘されたプラットホームの石垣は、長さ幅共に一致することが確認されています。

『東京名勝開化真景 新橋鉄道』 長谷川竹葉<明治10年(1877年) 木版画>

新橋駅~横浜駅 間に布設された鉄道路線の内、高輪付近に建設された海上に築かれた堤上を走る、蒸気機関車の姿が描かれています。当時この区間を走っていた蒸気機関車はイギリス製で、作品に描かれているような、正面下部にカウキャッチャーを備えた機関車は北海道でしか走っておらす、参考資料を元に描かれたと考えられます。

『高輪牛町朧月景』 小林清親<明治12年(1879年) 木版画>

東京ガス ガスミュージアム

東京都小平市にある東京ガスの企業館「ガスミュージアム」では、明治時代の錦絵を400点以上所蔵しています。
主に企画展で錦絵をご覧頂けるほか、日本のガスの事業の歴史と、くらしとガスのかかわりをご紹介しています。
 
▼「ガスミュージアム」についてはこちら
https://www.gasmuseum.jp

ページトップへ