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錦絵◆江戸に流行した疫病・災厄除去を祈願して始まった花火大会

2020年5月28日

『東京名所「両国河ひらきの景」「吾妻橋之図」』 蕾斎<明治31(1898)年 石版画>

5月28日は「花火の日」※!

徳川吉宗の時代、亨保18年(1733年)の5月28日、当時の大飢饉や江戸に流行した疫病による死者供養と災厄除去を祈願して「両国の川開き(納涼始め)」が行われ、花火が打ち上げられたとされることに由来します。
これが「両国川開きの花火」の始まりで、やがて庶民の楽しみとして定着、現在の「隅田川花火大会」へと引き継がれています。※

「花火の日」にちなみ、東京ガスの企業館「ガスミュージアム」に所蔵されている「両国の川開き」の錦絵をご紹介します!

※出典:隅田川花火大会HPより

◆錦絵に描かれた明治時代の花火大会◆

「錦絵」とは「多色刷浮世絵版画」のことで、明和2年(1765年)にそれまで単色だった版画に色がつけられ、「錦のように美しい」と言われたところからこう呼ばれました。
その後錦絵はジャーナリズムとしての役割も担い、明治時代・文明開化の様子を生き生きと伝えてくれます。

『東京名所「両国河ひらきの景」「吾妻橋之図」』 蕾斎<明治31(1898)年 石版画

明治時代の両国の川開きの風景で、作品では水上は船同士で押し合いへし合いとなり、橋上が人々で埋め尽くされている様子が描かれています。

『東京両国橋川開大花火之図』 永島春暁<明治23(1890)年 木版画

明治時代になっても、人々は変わらず花火を楽しみましたが、作品からは、煉瓦造りの建物や人力車、洋装で着飾る人々など、開化風俗が見て取れます。

『両国花火之図』 小林清親<明治13(1880)年 木版画>  

光の輪の中で、赤く光輝く花火の様子が描かれています。
一瞬の大輪の花火の姿と合わせ、暗い水面へ、横方向に花火の光を破線で描くことで、夜の風景の中に水の流れを表現しています。

◆東京ガス ガスミュージアム◆

東京都小平市にある東京ガスの企業館「ガスミュージアム」では、明治時代の錦絵を400点以上所蔵しています。
主に企画展で錦絵をご覧頂けるほか、日本のガスの事業の歴史と、くらしとガスのかかわりをご紹介しています。

▼「ガスミュージアム」詳細はこちら
https://www.gasmuseum.jp

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