プレスリリース

東京海上グループと連携、カーボンクレジットの信頼性向上を目的とした「人権尊重のためのフレームワーク」を策定

2025年8月12日
東京ガス株式会社

 東京ガス株式会社(社長:笹山 晋一、以下「東京ガス」)は、東京海上日動火災保険株式会社(社長:城田 宏明、以下「東京海上日動」)、日本工営株式会社(社長:福岡 知久、以下「日本工営」)と共同で、「カーボンクレジット創出プロジェクトに関与する企業の人権尊重のためのフレームワーク」を策定しました。
 東京ガスグループでは、本フレームワークで整理した評価項目等を社内のカーボンクレジットに関するリスク評価基準に反映し、お客さまに提供するカーボンクレジットの信頼性を向上するための評価・管理体制の強化につなげていきます。

背景

 近年、企業の温室効果ガス(GHG)排出量のオフセット手段の一つとして、カーボンクレジットの活用が注目を集める中、発展途上国で行われるカーボンクレジット創出プロジェクトの一部において、現地従業員への不当な待遇や先住民の強制移住等の人権侵害が懸念される事例が報告されており、プロジェクトにおける人権配慮のあり方が国際的な課題となっています。
 しかしながら、現行の国際ガイドラインはGHG吸収量の担保に重点が置かれており、人権配慮に関する評価項目や管理体制が明確に整理されていない状況です。
 そのため、東京ガスは、東京海上日動、日本工営と共同で、カーボンクレジットの創出者が満たすべき人権配慮に関する評価項目や管理体制を明記したフレームワークを策定しました。

本フレームワーク策定の体制

 本フレームワークの策定にあたって、東京ガスはカーボンクレジット創出プロジェクトの実務に根ざした知見、東京海上日動は保険商品やサービスを通じて培ってきたリスクマネジメントの知見、日本工営は環境社会配慮に関わるデュー・ディリジェンスにより培ってきた知見を持ち寄り、サステナビリティと人権問題に高い知見を有する蔵元左近弁護士(蔵元国際法律事務所)をはじめとした有識者の方々の協力を得た上で、本フレームワークをより実務に即した内容としました。

本フレームワークの構成

本フレームワークの活用方法

 本フレームワークは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」等の国際規範に基づいて作成されており、国際的な議論に沿った、プロジェクト関係者による人権配慮の取り組みを促進するための指針として活用できます。加えて、本フレームワークを策定した3社では、各社内向けの実務基準も策定することにより、本フレームワークの実効性を高めています。
 東京ガスグループでは、本フレームワークおよび実務基準の内容を社内のカーボンクレジットに関するリスク評価基準に反映することにより、人権配慮に関する評価項目や管理体制を整理し、当社が創出に関与するカーボンクレジットの品質担保・信頼性向上に努めます。

カーボンクレジット評価基準への反映イメージ

今後について

 東京ガスグループでは、カーボンニュートラル社会への転換を牽引するための重要な手段として、足元での熱の脱炭素化への取り組みに加えて、信頼性の高いカーボンオフセットの活用を位置づけており、これまでもカーボンオフセット都市ガスの供給を始めとしたカーボンオフセットの拡大に貢献*1してきました。今後も、信頼性の高いカーボンクレジットとそれを活用したソリューションをお客さまに提供していきます。

 なお、東京ガスグループは事業活動全体におけるステークホルダーの人権尊重に継続的に取り組んでおり*2、本フレームワークの策定は、この取り組みの一環としても推進されています。

 東京ガスグループは、グループ経営ビジョン「Compass2030」で「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げています。一人ひとりの暮らしから地域社会にいたるまでの多様な課題を解決するさまざまなサービスを創出・提供し、お客さまとともに「カーボンニュートラル社会の実現」に貢献していきます。なお、本年10月に東京ガスグループは創立140周年を迎えます。東京を越え、ガスを越え、未来を先取りする企業として挑戦を進めていきます。

参考

ソリューション事業ブランド「IGNITURE(イグニチャー)」*3について

IGNITURE

 東京ガスは、「ソリューションの本格展開」に向け、2023年11月、ソリューション事業ブランド「IGNITURE」を立ち上げました。「IGNITURE」の下で展開するソリューションにより、ご家庭、法人、地域・コミュニティのお客さまが、「最適化による経済性・利便性・効率性向上などでさらに豊かな未来」と、「脱炭素・レジリエンス向上などでサステナブルな生活・事業」を、無理なく両立できます。

  • *1:
    東京ガスグループのカーボンオフセットに関する取り組みはこちら
  • *2:
    東京ガスグループの人権への取り組みはこちら
  • *3:
    IGNITUREの詳細はこちら

以上

PDFで見る

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