R&D

構造健全性評価

取り組み背景

東京ガスでは、130年以上にわたる都市ガス事業で培ったさまざまな技術が存在します。地盤震動解析や耐震性評価、構造強度評価、超音波による非破壊検査といった技術を駆使し、首都圏の天然ガスインフラのさらなる強靭化に挑戦し続けています。

ToFD法を用いた深傷実験
>ガスホルダーなどに用いられる鋼板にきずがないかを検査

ガスパイプラインの変形挙動解析
>有限要素法解析を用いて、構造物の変形挙動を解析し、応力やひずみの分布を評価

三次元地盤振動解析
>地下の複雑な地盤構造をモデル化し、これに地震波を入力することで、地震時の揺れの分布を再現

取り組み概要

近年の取り組み事例の一部をご紹介します。

①埋設ガス導管の耐震性評価手法の高度化

損傷等により局所的に厚みが減っている(減肉を有する)鋼管を対象に、耐震性を簡易に評価できる計算手法を開発しました。この評価式は、実験および数値解析により信頼性が確認され、かつ、シンプルで扱いやすい式であることから、ガイドライン化などを経て、国内はもちろんのこと、海外においても広く活用されることが期待されます。本研究成果は、米国機械学会のPressure Vessels & Piping Conference 2023 の耐震部門で最優秀論文賞も受賞しています。

②三次元地盤震動解析技術を活用した地震時の地盤応答解析手法の開発

地中の不均質かつ三次元的な地盤構造とこれに起因し生じる地震波の相互干渉作用を、スーパーコンピュータ『富岳』を用いて高精度かつ高分解能に再現することで、ガス供給設備の耐震性をより精緻に評価できる新たな手法を開発しました。本技術の活用により、ガス供給設備はもちろんのこと、ガス製造・火力発電・風力発電といった各種エネルギーインフラ設備の安全性向上・コストダウン・長寿命化への貢献が期待されます。本研究成果は、第59回地盤工学研究発表会で優秀論文発表賞も受賞しています。

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