R&D

風力発電:浮体動揺解析

取り組み背景

洋上風力発電の中でも、風車を海に浮かべ浮体式洋上風力発電が近年注目されています。海洋国家である日本において、カーボンニュートラルの実現には浮体式洋上風力発電の実用化が欠かせません。
浮体式洋上風車はその建設前段階において、波風に十分耐えうることを証明する認証(ウインドファーム認証)を取得する必要があります。ウインドファーム認証では、風車部に対する風、浮体基礎に対する波など各種外力を連成したシミュレーション(動揺解析)を実施し、部材の健全性を評価する必要があります。

取り組み概要

波風に対して浮体の健全性を担保するためには、さまざまな波風の条件でどのような力が風車に作用するか、風車を含めた設備がどのように動揺するかを評価し設計に反映させる技術を獲得することが重要となります。
東京ガスでは、国際プロジェクトOC4で実施された最先端の動揺解析をベンチマークとして設定しております。下図に示すように、東京ガスが実施した解析は国際プロジェクトの結果を再現できております。このことから、東京ガスの動揺解析技術は国際レベルにあると言えます。

動揺解析技術を活用して、浮体の動揺を抑えられる浮体構造の設計にも取り組んでいます。浮体の揺れを抑えた設計を実現すれば、発電量を約5%回復できる可能性が得られています。

目指す姿

今後の風力発電において期待される浮体式洋上風力発電の実現とコスト低減に向け、浮体設計の高度化と動揺解析技術の活用を目指していきます。

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