多様な働き方と生産性向上の実現

東京ガスでは、働く一人ひとりが、知識・能力・経験を最大限に活かし活躍するために、多様な働き方を支える環境整備に努めています。また、仕事の進め方・業務のあり方を見直し、組織としての生産性向上に取り組んでいます。

主な制度と利用実績

様々なライフステージにある社員が柔軟な働き方を選択できるように、法規定を上回る育児・介護の休職や短時間勤務制度を整えています。また、不妊治療や孫・子の学校行事、家族の介護・看護などに利用できる休暇制度もあり、広く社員に利用されています。

制度 内容
東京ガス本体の
ものを例示
項目 単位 2020 2021 2022
男性 女性 男性 女性 男性 女性
育児休職 子が満3歳に
達した直後の
4月末まで
利用者数
(復職率)
(注1)
単体
(%)
18
(100)
82
(100)
38
(100)
92
(100)
120
(100)
104
(100)
連結 29 170 63 196 181 200
育児勤務 妊娠中および子が
小学校6年生修了
まで育児のため
フレックス制あり
利用者数 単体 18 218 26 209 31 210
連結 22 367 35 366 36 354
介護休職 2親等以内の
被介護者一人
につき3年以内
まで
利用者数 単体 0 2 2 3 2 5
連結 0 9 3 10 4 9
介護勤務 2親等以内の
被介護者一人
につき3年以内
まで介護のため
フレックス制
あり
利用者数 単体 0 3 0 1 1 2
連結 0 7 0 4 4 5
ボランティア
休暇
年間5日間を上限
に特別休暇(有給)
を付与
延べ利用者数 2 10 9
キャリア
リフレクション
制度
30・35・40・50
歳到達者に
適用記念品等の
贈呈や特別休暇
(有給)を付与
利用者数 702 787 803
配偶者
同行休職
社員が海外で
勤務等をする
配偶者と生活を
共にする場合
利用者数 6 9 13
制度 内容
東京ガス本体の
ものを例示
項目 単位 2020 2021 2022
男性 女性 男性 女性 男性 女性
育児休職 子が満3歳に
達した直後の
4月末まで
利用者数
(復職率)
(注1)
単体
(%)
18
(100)
82
(100)
38
(100)
92
(100)
120
(100)
104
(100)
連結 29 170 63 196 181 200
育児勤務 妊娠中および子が
小学校6年生修了
まで育児のため
フレックス制あり
利用者数 単体 18 218 26 209 31 210
連結 22 367 35 366 36 354
介護休職 2親等以内の
被介護者一人
につき3年以内
まで
利用者数 単体 0 2 2 3 2 5
連結 0 9 3 10 4 9
介護勤務 2親等以内の
被介護者一人
につき3年以内
まで介護のため
フレックス制あり
利用者数 単体 0 3 0 1 1 2
連結 0 7 0 4 4 5
ボランティア
休暇
年間5日間を上限
に特別休暇(有給)
を付与
延べ
利用者数
2 10 9
リフレッシュ
制度
30・35・40・50
歳到達者に
適用記念品等の
贈呈や特別休暇
(有給)を付与
利用者数 702 787 803
配偶者
同行休職
社員が海外で
勤務等をする
配偶者と生活を
共にする場合
利用者数 6 9 13

(注1)各年度において育児休職を終了した者が会社業務に復帰した割合

男性の仕事と育児の両立

男性社員の育児への積極的な参加は、変化に強いしなやかな企業体質の実現や、社員が活き活きと働き仕事での成果を高めることにもつながる非常に重要なものと考えています。東京ガスでは配偶者が出産した男性社員に5日間の特別休暇を付与しており、2022年度の取得率は100%です。

2018年度より、東京ガスグループで働く育児期の男性社員とその上司を対象とした、セミナーや講演会を開催しています。また、「育児・介護休業法」の改正に対応し、改正ポイントの解説動画の配信や上司向けにワークショップなども実施しました。

2022年度には、対象者と上司に人事部長から育休取得促進メールを毎月送信する取組や「仕事と育児の両立に関する相談窓口」での相談受付、企業主導型保育園との契約など、さらなる両立支援の取り組みを進めています。また、社内報では、男性の育児休職取得者やその取得を支えた上司、同僚のインタビューを掲載し、仕事と育児の両立を希望する男性社員が、より制度を利用しやすい職場風土の醸成に取り組んでいます。

コラム:社員インタビュー

女性の育休取得者

業務内容を教えてください。

生活者研究を担当しています。これまで、高齢者や40代のライフスタイル研究や、ガス機器の訴求に関する生活者の意識調査等をしてきました。日頃接点のない方々のことを知ることができるおもしろさがあります。

双子を妊娠しているとわかったときは、どうでしたか。

まず、お医者さまから双子出産に伴うリスクの説明があり、「無事に二人とも産めるのか」と不安に思いました。この時点では、「仕事が続けられるかどうか」はあまり考えていませんでした。周囲には、出産して復職している先輩がたくさんいましたから、復職が当たり前という意識でした。

復職の準備はどのようにされましたか。

出産後は本当に大変で…。保育園事情も相まって、復職できないかもしれないと何度も悩みました。
ですが、実母が「私がサポートするから」と言ってくれて、夫の後押しもあり、子どもたちが1歳のときに実家近くの保育園に入園して復職しました。自宅近くの保育園に転園できるまでの4か月の間、母に助けてもらいながら、実家から勤務地まで約2時間かけて通勤しました。

復職後は、お子さんの環境変化もあり、河内さんご自身も大変だったと思いますが、いかがでしたか。

復職後は、子どもたちが毎週交互に熱を出していましたし、私自身も体調を崩すことがありましたので、職場に迷惑をかけることが多く、突発的な休みに備えて周囲と事前に情報共有しておくことを心掛けました。職場では、一つの業務についてメイン・サブ担当の二人体制を基本としているので、予めフォローする、される関係があることも安心感に繋がっています。
職場のメンバーは、日々のサポートはもとより、私が休みを取る際は「小さいうちはすぐ病気になるものだよ」「そばにいてあげて」等、引け目を感じさせないように、声をかけてくれます。本当に感謝しています。

仕事に育児に忙しい日々と思いますが、働き方に変化はありましたか。

研究という業務特性上、以前は、何か気になることがあれば時間をかけてじっくり調べていました。今は、育児フレックスを利用しており、限られた時間で成果を出すことを常に意識しています。職場でも生産性の高い働き方を目指す風土が高まっているので、それも追い風になっていると感じます。子育てや家事との両立は、今も試行錯誤中ですが、夫が掃除全般を担当するなど夫婦で分担して、やりくりしています。

これからの目標は。

今は自分のことで精いっぱいですが、これから、もっと周囲に目を向けられるようになりたいと思っています。また、時短勤務を感じさせない質の担保を目指しています。そのための努力を続けていきたいと思います。

男性の育休取得者

育児休職を取得した背景を教えてください。

元々、子どもが生まれたら育児にもしっかり向き合いたいという思いがあり、次女が生まれる際に3ヶ月半の期間、制度を利用しました。まだ、男性の利用者数が少なくて躊躇もありましたが、思い切って上司に相談しました。

制度利用の際に心がけたことはありますか。

まず、保育園の入園を含めてしっかり社内外の制度を勉強して、休職を決意してからは極力早めに上司に相談しました。少人数のグループだったので、前倒しできる業務は早めにしておくなど、自分の調整の範囲でできることは全てやりました。最初は驚いた上司も、「わかった」と了承してくれると、事前準備について一緒に考えてくれました。本当に有難くて、今でも感謝しています。

育児休職をして、家事や育児に向き合うことで、発見されたことを教えてください。

まず、休職前もそれなりに育児に携わっていると自負していたのですが、考えが甘かったということがよくわかりました。一言で言うと、とにかく大変。傍から見ていると、一日何をしているのだろうと思われそうですが、赤ん坊の面倒をみながら家事をするということは、通常の数倍時間がかかるものです。朝起きてから、やりたいと思っていたことの一つ二つもできぬままに、夜を迎えることもしばしばでした。自分がやってみてはじめて、これまでの妻の苦労がわかりましたし、今では働くママ達を(もちろんパパ達も)心から尊敬しています。

ご家族の反応はいかがでしたか。

毎日家族で夕食を囲むことや、じっくりと子どもに接することがどれだけ素晴らしいことかを実感しました。
長女が、育休明けの私に言った「パパ、今度はいつ育休をとってくれるの?」という言葉に、自分だけでなく、家族をもハッピーにすることができたのだなと嬉しく思いました。妻からは「なんか、ひとつのチームって感じになったよね」との言葉をもらいました。これからも共働き生活が続いていく中で、互いの信頼感が深まったように思います。

仕事への変化はありましたか。

我が家の役割分担として、子育てのベースを妻に担ってもらっていることに変わりはありません。でも、仕事をするにしても以前より時間を意識するようになりましたし、段取りや効率をより意識するようになりました。あとは、もしかすると経験があることで、育児と両立して働く人への声かけや、業務でのフォローなどが多少うまくなったかもしれません。
この経験を忘れず、これからも時間当たりのアウトプットを意識して、働いていきたいと思います。

働き方改革

社員一人ひとりが生き生きと働きながら持てる力を最大限に発揮するために、長時間労働の是正・抑制と、より「時間の価値」を意識した働き方への変革を、「経営が関与すべき重要な課題」と位置づけ積極的に取り組んでいます。
多様な働き方を実現することに加えて、仕事の進め方・業務のあり方を見直し、組織として生産性を高めるための各種取り組みを実施しています。

働き方改革アクションプラン

【テーマ1】 長時間労働の是正・抑制 社員の健康を第一に考え、法定基準に達する前段で長時間労働を把握し、是正・抑制に取り組んでいます。
【テーマ2】 年次有給休暇の取得促進 ワークライフバランスの向上を目的に、社員が自律的に休暇を取得しやすい環境を整備しています。
【テーマ3】 時間と場所によらない働き方の促進 多様な人材が最大限に力を発揮できる環境を整備するため、画一的な勤務形態を見直し、働く場所と時間の制約をなくした柔軟な働き方を推進しています。

次世代育成支援対策推進法への取り組み

次世代育成支援対策推進法では、次の世代を担う子どもたちが健やかに生まれ育つ環境をつくるために、国、地方公共団体、企業、国民がそれぞれの立場で次世代育成支援を進めていくこととされています。
東京ガスでは、社員が仕事と子育てを両立しながら能力を十分に発揮できるように、働き方の見直しと環境づくりに取り組んでいます。

第8期行動計画

<期間>2021年4月1日~2025年3月31日
<内容>上記期間内に、下記に取り組む
 目標:男女ともに仕事と育児の両立に関する制度利用率を100%にする

これまでの活動実績

第1期
2005年4月1日~
2007年3月31日
  • 育児休職者の自己啓発・情報収集を支援するため、自宅からイントラネットを閲覧可能に
  • 復職後のキャリア形成支援のため、育児休職中の面接実施をルール化
  • 配偶者出産を理由とした「特別休暇」の支給日数を5日に拡充
第2期
2007年4月1日~
2009年3月31日
  • 「育児勤務制度」を妊娠中の女性社員にも適用拡大
  • 「育児に関するアンケート」の実施および制度理解・両立支援に関する情報提供を強化
第3期
2009年4月1日~
2011年3月31日
  • 「育児休職からの復職者セミナー」の対象を、上長と社内配偶者にも拡充
  • 「保存休暇」の取得要件に、学校行事を追加
第4期
2011年4月1日~
2013年3月31日
  • 「病気休暇」の取得要件に、子の予防接種や健康診断を追加
  • 「病気休暇」及び「保存休暇」の取得要件に不妊治療を追加
  • 育児・介護支援、健康増進支援の充実に重点を置いた「福利厚生パッケージ」を導入
第5期
2013年4月1日~
2015年3月31日
  • 「育児勤務制度」の適用期間を小学校6年生修了までに拡充
  • 「定時退社Day」の設定
  • ポスト者を対象にした「多様な人材の活躍推進講演会」の開催
  • 育休から復職した社員の上司を原則参加とする「育児期の部下を持つ上司セミナー」を開催
  • 「育児休職からの復職者セミナー」の対象を、社外配偶者にも拡充するとともに休日開催を開始
第6期
2015年4月1日〜
2018年3月31日
  • 育児・介護を取得要件とする「保存休暇」を半日単位で取得できるよう拡充
  • 配偶者出産を取得要件とする「特別休暇」の取得促進の取り組みを実施
  • 在宅勤務制度の導入
  • 「プレミアムフライデー」の導入
  • 「朝型・ゆう活」および「時差Biz」の推奨
第7期
2018年4月1日~
2021年3月31日
  • 年次有給休暇の半日単位取得の回数制限を撤廃
  • どこでもワーク制度(旧:在宅勤務制度)を全職場*へ適用拡大
    *現業に従事する一部社員を除く  
  • 企業主導型保育施設との法人契約
  • 不妊治療を行う社員を対象とした「ライフデザインサポート休職」を新設
  • 育児・介護を取得要件とする「特別休暇」を時間単位で取得できるよう拡充
  • 年次有給休暇の時間単位年休制度の導入
  • 『内閣府ベビーシッター派遣事業』の導入

「子育てサポート企業」に認定

東京ガスは、次世代育成支援対策推進法に基づき、
積極的に子育てを支援している企業として厚生労働大臣から認定(くるみん認定)されています。

障がい者の活躍

2023年6月現在の雇用率は2.72%と法定雇用率(※)を大きく上回っており、各職場で障がいのある従業員が活躍しています。東京ガスでは、2016年4月に立ち上げた「障がい者雇用促進連絡会」を通じて、さらなる活躍の場の創出のための理解促進に取り組むとともに、安全で働きやすい環境の整備にも努めています。さらに2018年度には、共生社会の実現に向けて、知的・精神の障がいのある方々が安心して活き活きと働くことができるよう、農園を開設しています。
※ 障害者雇用率制度で定められた、常用労働者の数に対する障がい者雇用者の割合。

2022年11月、令和4年度「障害者雇用優良事業所 (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長表彰」を受賞しました。

障がい者理解に向けて

一緒に働く障がいのある仲間に対して理解を深めるために、グループをあげて障がい体験を含めた研修や、セミナーを行っています。国が定める「障害者週間(12月3日~9日)」にも、障がいのある仲間との交流などを企画し実施しています。

パラスポーツの支援

東京ガスは、共生社会の実現に向けて、日本障がい者スポーツ協会のオフィシャルパートナーとしてサポート活動に取り組んでいます。パラアスリートも雇用し、グループをあげて応援しています。

LGBTQへの対応

誰もが活き活きと自分らしく働くことのできる職場づくりのために、2013 年 度 か ら LGBTQ(※)に関わる基礎知識の社内啓発を行っています。
LGBTQをテーマとしたポスト者向けの人権講演会の実施や、ダイバーシティ月間でのLGBTQセミナーや映画鑑賞会等、外部講師や社外の当事者の方からのダイレクトな学びの機会を設けています。また相談窓口も整備しています。
※ LGBTQ: L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシャル、T=トランスジェンダー、Q=クエスチョニングの総称

多様な人材が能力と個性を活かし、将来にわたり活き活きと働くことができる職場環境づくりを推進するために、2022年11月より、同性パートナーに、社内制度上の配偶者と同様の福利厚生を適用しています。

安全で働きやすい職場環境づくり

障がいのある従業員も、健常者と同じ職場で各種業務に従事しています。さらなる活躍に向けて、安全で働きやすい環境を整備しています。

東京ガス本社ビルでは、車いすやオストメイト(※)の方に対応できる設備や着替え用のフィッティングボードを備えた多機能なトイレ「誰でもトイレ」を設置しています。
※ 病気や事故などで消化管や尿管が損なわれたため、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)を造設した方。


また、車いすの方でも事務室に出入りしやすい様にボタン式自動ドアも設置しています。

災害も想定し、誰もが安全に避難できるように、「階段避難車」を常備しています。


健康経営の取り組み

東京ガスは、従業員が健康で持てる能力を十分に発揮して働き、そのうえで会社として掲げた諸目標を達成することが重要だと考えています。そのために、産業医と産業保健スタッフを含めた体制の下、定期健康診断100%受診の徹底や、ストレスチェックの実施、健康づくりの機会提供など、さまざまな健康保持・増進のための取り組みを継続的に行っています。
また、従業員の健康に対する考えを「健康経営宣言」としてまとめ、宣言の実現に向け、社員一人ひとりの具体的な行動変容を促すため、健康経営KPIと健康経営戦略マップを策定しています。

健康経営宣言
東京ガスグループは、従業員一人ひとりが心身ともに健康で、持てる力を十分に発揮して働くことが大切だと考えています。
そのために、従業員とその家族が、現在と未来において健康であるために必要な取り組みを自立的に進められるよう、必要な支援を積極的・継続的に行っていきます。
あわせて、職場の仲間・仕事のパートナーとともに安心して健康で働ける職場をつくり、そこで従業員がお客さまと社会の期待に応えることによって、グループ経営理念の存在意義「人によりそい、社会をささえ、未来をつむぐエネルギーになる。」を実現していきます。

東京ガス株式会社
取締役 代表執行役社長 笹山晋一

東京ガスの健康経営KPIなど 東京ガスの健康経営戦略マップ

東京ガスは従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む上場企業の中から、特に優れた取り組みを実践している企業として「健康経営優良法人2023」に選定されています。

健康経営優良法人2023 Health and productivity

ページトップへ