未来の都市ガス e-メタン
e-メタンをつくる最新技術 ~革新的メタネーション~
既存技術の課題と革新技術による解決
e-メタンの実用化・普及拡大に向けては、e-メタン製造に関わるコスト(運転費用、設置費用)を大幅に下げることが重要です。そこで、現在主流となっている水電解とサバティエ反応を組み合わせた既存のメタネーション技術よりも、高効率・低コストなe-メタン製造を実現するべく、2種類の革新的メタネーション技術の開発に取り組んでいます。
開発体制
2022年度よりNEDOのグリーンイノベーション基金事業*の支援を受けながら、研究機関やメーカーと連携して、社会実装を見据えた技術開発を進めています。
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*プロジェクト期間は最⻑2030年度まで。3年ごとに継続可否の審査あり。
革新技術① ハイブリッドサバティエ
ハイブリッドサバティエは、サバティエ反応で発生した排熱を水電解で有効活用してメタンを製造する技術です。
排熱の有効活用によって投入電力を削減することができ、高効率化によるコストダウンが可能です。
既存技術の組み合わせであり、既に原理実証済みであることから、早期の社会実装を目指しています。
革新技術② PEMCO₂還元
PEMCO₂還元は、PEM(固体高分子膜)を用いて水とCO₂を電気化学的に還元反応させることで、メタンを合成する技術です。
水とCO₂から一段反応でメタンを生成可能であるため、高効率化に加え、抜本的な装置コストの低減が可能です。
将来的には、電極の工夫によりe-fuelなどの炭化水素の合成に適用できる可能性もあり、多用途展開も期待されます*。
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*PEMCO₂還元のe-fuelへの応用可能性検討は、グリーンイノベーション基金事業によらず、当社独自の取り組みです。
革新技術の社会実装
e-メタンの社会実装に向けて、既存技術の早期適用・サプライチェーン構築を推進するとともに、革新技術の開発・実用化を並行して進めていくことで、さらなるコストダウンを図っていきます。
2030年までに革新技術の開発と小規模実証を完了し、2030年代以降早期に革新技術を順次展開していきます。