プレスリリース
豪州におけるe-メタンの製造・輸出に向けた事業性検討をサントス社と開始
2023年11月21日
東京ガス株式会社
東京ガス株式会社(社長:笹山 晋一、以下「東京ガス」)は、このたび、豪州のエネルギー企業Santos Ltd(以下「サントス社」)と協働し、サントス社が数十年にわたる上流ガス田の開発・操業により知見を有する豪州中東部のクーパーベイスンにおけるe-methane*1(以下「e-メタン」)の製造と日本への輸出に向けた事業性検討(以下「本検討」)に関する覚書を、サントス社の子会社であるSantos Ventures Pty Ltdと締結しました。本検討では、将来の大規模輸出を見据え、2030年に年間約6万トン(都市ガス約8,000万m3分)のe-メタンを日本に輸出することを目指します。
両社は、本検討において、e‐メタンのCO2排出カウントの制度設計に向けた働きかけに加え、e‐メタンの国際的なサプライチェーン構築に向けた取り組みを共同で行います。これまで東京ガスとサントス社は、豪州ダーウィンLNG基地からのLNG調達等において長期的な協力関係を築いてきました。今後は本検討について、将来の拡大も含めて協力していきます。
日本では、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現において、再生可能エネルギーの導入促進に加え、現在の需要の6割を占める熱需要に対応するガス体エネルギーの脱炭素化が重要です。その手段の1つとして、既存のLNG受入基地やパイプラインなどの都市ガスインフラ、消費機器がそのまま活用できることから、カーボンニュートラルへのスムーズな移行と追加的な社会コスト抑制の両立が可能なe-メタンの導入が期待されています。
東京ガスは、日本国内でのe-メタン製造実証試験と、北米や東南アジア、中東、豪州など、大規模なe-メタンの海外サプライチェーンの構築に取り組むとともに、ガス事業制度検討WGの「都市ガスのカーボンニュートラル化についての中間整理」*2に記載の通り、日本のカーボンニュートラル化に資するルール等の実現に向けて、官民連携して国際的なルール作りを主導していきます。
東京ガスは、グループ経営ビジョン「Compass 2030」で掲げたCO2ネット・ゼロの具現化に向け、再生可能エネルギー・水素・メタネーション*3・CCUS等の打ち手を組み合わせ、国内外のさまざまな事業者と連携した取り組みを推進しています。特に、e-メタンは、将来の社会実装に向けて、2030年時点で東京ガスのガス販売量の1%*4に相当するe-メタンの導入を目標としています。e-メタンのサプライチェーン構築の早期実現を目指し、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現に貢献してまいります。
東京ガス 代表執行役副社長 木本 憲太郎 コメント
今回のサントス社との事業性検討開始を大変嬉しく思います。サントス社とはLNGの調達等を通じ長年の協力関係を築いてきました。サントス社は豪州からのe-メタンサプライチェーン構築検討を精力的に進めており、e-メタンを普及拡大させていくにあたり、パートナーとして大変心強く感じています。今後、本検討の枠組みも活用しながら、ガス体エネルギーの脱炭素化に向けた取り組みを、関係省庁とも連携して実施してまいります。
サントス社 CEO ケヴィン ギャラガー コメント
サントス社は、バユ・ウンダンプロジェクトやダーウィンLNGプロジェクトにおけるパートナーかつ顧客である、東京ガスとの長年の関係を重んじており、今回の事業性検討開始を嬉しく思います。e-メタンは、天然ガスに代わる重要なカーボンニュートラル燃料となる可能性を秘めており、新しいインフラや産業プロセスに関連する追加コストを回避することができます。サントス社はクーパーベイスンの資産を大規模な商用CCSと低炭素燃料のハブへと変貌させる可能性のある、この新しい機会に期待をしております。サントス社は、オーストラリアとアジアの顧客に受入可能な価格で信頼できる低炭素エネルギーを提供することを約束します。
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*1:グリーン水素等の非化石エネルギー源を原料として製造された合成メタン
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*2:
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*3:メタネーション:二酸化炭素(CO2)と水素(H2)の反応により、都市ガスの主成分となるメタン(CH4)を合成する技術
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*4:卸、発電を除いた東京ガスの都市ガス販売量の1%(2020年度時 約8,000万m3)
東京ガスの概要
社名 | 東京ガス株式会社 |
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代表者名 | 笹山 晋一 |
設立 | 1885年10月 |
本社所在地 | 東京都 港区 |
サントス社の概要
社名 | Santos Ltd |
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代表者名 | Kevin Gallagher |
設立 | 1954年3月 |
本社所在地 | オーストラリア サウスオーストラリア州 |
以上