プレスリリース
メタネーション実証試験を2021年度内に開始
2021年7月7日
東京ガス株式会社
広報部
東京ガス株式会社(社長:内田 高史、以下「東京ガス」)は、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向け、都市ガスの脱炭素化技術であるメタネーションの実証試験(以下「本実証」)を、2021年度内に開始します。
メタネーションは、水素と二酸化炭素(CO2)を原料としたメタン合成の呼称であり、将来の都市ガスの脱炭素化に向けた有望な技術の1つと位置付けられています。CO2フリー水素とCO2を利用した合成メタンから都市ガスを製造することで、ガス利用機器も含めた既存の都市ガスインフラ・機器を有効活用でき、追加的な社会コストを抑制しつつ、都市ガスの脱炭素化を達成できます。
本実証は、再生可能エネルギー由来の電力調達から合成メタン製造・利用までの一連の技術・ノウハウの獲得、水電解装置・メタネーション装置の実力値や課題の把握、システム全体での効率等の知見獲得を目的に実施します。メタネーションについては、既存技術である「サバティエ」の実証に加え、より一層の高効率化を目指す「ハイブリッドサバティエ」、設備コスト低減が見込める「PEM*1CO2還元技術」や「バイオリアクター」等の革新的技術開発を、複数の機関と連携して進めます。将来的には、地域のカーボンニュートラル化に向けた地産地消モデルの検討や開発した技術の実証を行うとともに、当社LNG基地などでのより大規模な実証試験、サプライチェーンの構築につなげていきます。
本実証の概要
場所:神奈川県横浜市鶴見区 当社敷地内(約2100m2)
水電解装置 | ・ITM Power社製のPEM水電解装置の実性能評価と、同装置のシステム構成の知見を習得 ・自社開発のセルスタックを搭載した低コスト水電解装置の性能評価と課題抽出 |
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メタネーション装置 | ・既存メタネーション装置の性能評価(メタン製造能力や排熱量等)や課題抽出 ・メタネーションに関する革新的技術の評価 |
CO2分離・回収 | ・CO2分離・回収に関する新技術(DAC*2など)の基礎研究と技術評価 |
システム全体 | ・変動する再エネ電源から合成メタンを製造するまでの一連の需給バランスの技術やノウハウの獲得、システム全体での効率(≒事業性)の知見獲得 |
本実証の全体イメージ
スケジュール
東京ガスが取り組むメタネーションに関する革新的技術開発
東京ガスグループは、経営ビジョン「Compass2030」において「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げ、水素製造コストの低減・CO2のマネジメント技術(CCUS*3)開発を強化しています。本実証を通じ、ガス体エネルギーの脱炭素化に向けた技術開発の更なる早期実現を図り、CO2ネット・ゼロをリードすることで、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に貢献してまいります。
*1:Polymer Electrolyte Membrane (固体高分子電解膜)
*2:Direct Air Capture (大気からのCO2直接回収)
*3:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(CO2の回収・利用・貯留)