プレスリリース

学校での省エネ教育が家庭のCO2排出量削減につながることを日本で初めて実証

~ナッジ理論を用いて約5%を削減~

2021年4月22日
東京ガス株式会社
株式会社住環境計画研究所

東京ガス株式会社(代表取締役社長:内田 高史、以下「東京ガス」)と株式会社住環境計画研究所(代表取締役会長:中上 英俊、以下「住環境計画研究所」)は、ナッジ*1理論等を用いた学校向け「省エネ教育プログラム」(以下「本プログラム」)を開発し、2017年度から2020年度の環境省の実証事業*2を通して、省エネ教育が家庭のCO2排出量を約5%削減することを確認しました。なお、学校での省エネ教育が家庭のCO2排出量に与える影響を定量的、定性的に実証した研究は、日本初となります。

脱炭素社会実現に向け、家庭での省エネ行動を定着させるためには、学校での環境教育や持続可能な社会の創り手の育成が求められています。そうした社会課題解決に向け、東京ガスと住環境計画研究所が中心となり、有識者からなる「省エネ教育プログラム検討委員会*3」を立ち上げ、本プログラムを開発し、CO2排出量削減に貢献することを実証しました。本プログラムでは効果的な学習が行えるよう、ナッジ理論の活用や効果の見える化によるモチベーションの向上等の工夫を盛り込んでいます。

東京ガスと住環境計画研究所は、本実証を受けて開発した指導者向け教材の普及に取り組むとともに、政府や自治体に対し、省エネ教育の重要性や有効性を提言書として発表することで、省エネ教育の普及や、環境意識の向上に貢献してまいります。

*1 「(英語nudge)ひじで軽く突く、そっと後押しする」という意味、人々が自発的に望ましい行動を選択するよう促す仕掛けや手法を示す用語。2017年、シカゴ大学のリチャード・セイラー博士がナッジ理論でノーベル経済学賞を受賞。
*2 2017年度から2020年度までの4年間にわたり環境省委託事業「低炭素型の行動変容を促す情報発信(ナッジ)等による家庭等の自発的対策推進事業(生活者・事業者・地域社会の「三方良し」を実現する日本版ナッジモデルの構築)」(https://www.env.go.jp/press/105325.html)の一環として実施。
*3 省エネ教育プログラムを開発するため2017年に設立、2018年からは環境省委託事業で使用する教材及びプログラムをより良いものとし、全国へ普及するための活動を展開。

【参考】
(1)本プログラムの学校教育への導入実証について

期間 2017年4月~2021年3月
参加校 全国の小学校30校、中学校21校、高等学校19校、大学14校 計84校
参加者 小学生3,441人、中学生2,526人、高校生2,944人、大学生988人 計9,899人
成果 本プログラムを受講した小中高等学校の児童・生徒の家庭において約5%のCO2削減効果があること、省エネ行動実践率が21%ポイント向上すること、教育後も効果の持続が見られること、児童・生徒への教育が間接的に家族にも影響を与えることを確認。

(2)本プログラムの教材化
実証結果や教員アンケートの結果を活用し、本プログラムに汎用性を持たせ、継続的に活用できるものにするため、指導者向けの市販教材を開発。
「今日からはじめる省エネ教育」

監修 省エネ教育プログラム検討委員会
企画 東京ガス株式会社 都市生活研究所*4
執筆 三神彩子 他
発行日 2021年4月

*4 1986年7月に東京ガス社内に設立、社会の変化や都市に暮らす生活者についての多面的な調査・分析をもとに、将来のライフスタイルやニーズを予測し、生活者が豊かな暮らしを創造するための情報を提供すると共に様々な提言を実施。

以上

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