2026.11.05

GEA国際会議2026で発信
安定供給・経済性と脱炭素を両立する道

2026年10月15日、東京プリンスホテルで開催されたGEA(Global Environment Action)国際会議2026に、東京ガスの取締役・代表執行役社長 笹山が登壇しました。世界的に脱炭素への取り組みが求められる中、エネルギーの安定供給や経済性と、脱炭素をどのように両立していくのか。講演では、その現実的な道筋が示されました。本記事では、国際的な議論の場で発信された、東京ガスグループのGX(グリーントランスフォーメーション)への考え方と取り組みをご紹介します。

GXの国際的な議論の場で伝えたこと

世界各国は、脱炭素に加え、人々の暮らしや産業に必要なエネルギーの安定供給という課題にも直面しています。また、その移行を持続的なものとするためには、経済性への配慮も欠かせません。今回の登壇は、こうした「安定供給・経済性・脱炭素」を同時に実現する現実的な道筋を国際社会と共有し、議論を深める機会となりました。

エネルギーは、暮らしや産業を支える社会基盤です。だからこそ、脱炭素への移行も、供給の安定性や経済性と切り離して考えることはできません。将来のカーボンニュートラルを見据えながら、今、必要なエネルギーを着実に届け続ける。この二つを両立させることが、東京ガスグループのGXの基本的な考え方です。

社会を支えながら、脱炭素を進める

笹山社長が講演で示したキーワードの一つが、「シームレスなカーボンニュートラル」です。日本では現在も石油や石炭が利用されている地域があります。まず、そうした燃料からLNG(液化天然ガス)を含む天然ガスへの転換を進めることで、足元のCO2排出削減につなげる。そして将来的には、e-メタンやバイオメタンへと移行していく。既存のインフラや供給設備、消費機器を活かしながら、それぞれのお客さまの実情に合わせて脱炭素を進めていく考え方です。

「シームレスなカーボンニュートラル」を支えるのが、「製造」だけでなく、「輸送・貯蔵・利用」までを含むサプライチェーン・バリューチェーン全体で考える視点です。講演では、e-メタンやバイオメタンは天然ガスと同じ成分であり、既存インフラや消費機器を活用できることが、現実的なカーボンニュートラルの手段となり得るという考えも紹介されました。

エネルギーを安定して届け続けるための取り組みも欠かせません。東京ガスグループでは、LNGの調達先だけでなく、長期・短期の契約を多様化しています。また、需給の変化に応じて、日本向けのLNGを欧州へ振り向けるなど、地域を越えて柔軟に対応できる体制を整えています。こうした取り組みにより、脱炭素への移行を進めながら、地政学リスクなど環境の変化にも備えています。

「脱炭素だから、すべてをすぐに新しくする」のではなく、今ある社会基盤を活かしながら次のエネルギーへつないでいく。そこに、東京ガスグループが考えるエネルギートランジションの一つの特徴があります。

日本で培った知見を、アジア各国へ

日本で培ったエネルギートランジションの知見をアジア各国へ広げることも、今回の講演の大きなテーマでした。

アジアでは今後、人口増加や経済成長に伴い、さらなるエネルギー需要の増加が見込まれます。東京ガスグループは、日本政府が推進するPOWERR Asia(アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ)との連携も視野に入れ、各国の実情に応じた経済成長とGXの両立を、現地パートナーとともに実現していく考えを示しました。

たとえばフィリピンでは、現地パートナーと連携してLNGをトランジションのエネルギーとして導入し、東京ガスグループのノウハウを活かした人材育成やLNG基地の運営に取り組んでいます。また、ベトナムでは、LNGの受け入れから発電までを一体で行う「LNG to Power」などに取り組んでいます。

講演後の議論では、アジアでGXを進めるうえで、投資を支える制度やファイナンスの環境整備も課題として挙げられました。技術を導入するだけでなく、その国で継続的に事業として成り立つ仕組みをつくっていくことも、エネルギートランジションを実現するための重要な視点です。

一つの方法を世界中に当てはめるのではなく、その国や地域のエネルギー事情、経済・社会の状況を踏まえて考える。その姿勢こそが、東京ガスグループが目指すGXの国際展開です。

140年の経験を、これからの社会課題解決へ

東京ガスグループは1885年の創業以来、エネルギーを通じて、その時代の社会課題に向き合ってきました。かつて大気汚染が社会問題となった時代には、石炭を原料とするガスから天然ガスへ転換しました。現在は、地球規模の課題であるカーボンニュートラルに挑んでいます。

課題も、技術も、求められる答えも時代によって変わります。一方で、エネルギーを通じて社会の課題を解決しようとする姿勢は変わりません。

エネルギーの安定供給と経済成長を支えながら、脱炭素を着実に進める。国内で培ったLNGの調達・輸送・利用の知見や、低炭素・脱炭素技術を活かし、それぞれの地域に合った解決策を世界のパートナーとともに形にしていきます。人々の暮らしと産業を支え、持続可能な社会へ着実につなげていく。それが、東京ガスグループが「未来をつむぐエネルギー」として進める挑戦です。これからも、各国・地域と連携し、エネルギーの可能性を広げていきます。

カーボンニュートラルガスについて、もっと詳しく
2050年、カーボンニュートラル社会の実現へ | 東京ガス

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