プレスリリース
2026年度入社式における社長祝辞(要旨)
2026年4月1日
東京ガス株式会社
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。
数ある企業の中から、自らの力を発揮し活躍していくフィールドとして、私たち東京ガスグループへの入社を決意した皆さんに、グループを代表して感謝申し上げます。
東京ガスグループは東京を越え、ガスを越えて、お客さまや社会の期待を越える新たな挑戦を進めることで、未来を先取りしたビジネスモデルを確立し、持続的に成長する企業グループとなることを目指しています。
本日より新たな仲間となった皆さんとともに、その実現に向け歩み出せることを、大変うれしく思います。
経営理念とマテリアリティについて
私たちを取り巻く社会環境はかつてないスピードで変化しています。この大きな変化の時代において、私たちが決して揺らぐことのない軸として定めているのが、「人によりそい、社会をささえ、未来をつむぐエネルギーになる。」というグループ経営理念です。そして、その根底にあるのが「挑み続ける・やり抜く・尊重する・誠意をもつ」という4つの価値観です。
この理念や価値観は、どのような職場、いかなる役割であっても、私たち一人ひとりの行動の軸となるものです。皆さんにも今日からグループの一員として、この理念をもとに行動し、ご自身の力を存分に発揮してほしいと願っています。
当然のことながら、理念は掲げるだけでは意味がありません。これを体現し、実際の事業活動に落とし込むための指針として、東京ガスグループが取り組むべき重要な経営課題である「マテリアリティ」を定めています。東京ガスグループが創出する「エネルギーの安定供給とカーボンニュートラル化の両立」、「脱炭素・最適化・レジリエンスに貢献するソリューションの提供」という2つの価値と、これらの価値を生みだす原動力となる「事業変革と価値創出のためのイノベーション」や「多様な人材の尊重と挑戦による成長」などの5つの変革が、当社のマテリアリティです。
中期経営計画について
昨年10月に発表した2026-2028年度 中期経営計画は、このマテリアリティを踏まえ、経営理念を実現するための戦略として策定したものです。私たちの強みである「顧客基盤」「エネルギーアセット」「オペレーション能力」を組み合わせ、「エネルギー」「ソリューション」「海外」の3つの事業を柱として成長させていきます。エネルギーでは、当社の強みである地域密着の営業体制にデジタルも組み合わせて顧客基盤を強化することで事業を拡大し、さらにはLNG基地や発電所などのアセットの柔軟な活用によりトレーディング等でも収益を高めます。ソリューションでは、これまでガスシステム販売で培った強みを生かし、住宅設備ソリューションへと拡大するとともに、エネルギーソリューションの全国・海外への展開を図ります。海外では、北米においてシェール資産を開発し、中下流事業も組み合わせた事業バリューチェーンを構築して、アジアを含むグローバルなLNG事業へと展開していきます。
新入社員への期待
こうした挑戦的な目標は、皆さん一人ひとりの力がなければ決して実現できません。成功の鍵は、皆さんの「挑み続け」「やり抜く」力にかかっています。ここで、実際に変革に挑んでいる組織の例を2つ、紹介します。
1つ目は、エネルギー領域における前例のない体制変革への挑戦です。袖ケ浦LNG基地では、設備管理コストの増加や緊急時の即応力不足といった課題を抱えていました。そこで慣例を打ち破り、これまで業務委託していた関係会社にも協力を仰ぎながら、社員自らが保全業務を担う体制へと転換したのです。会社の枠を越えたこの挑戦により、業務の柔軟性と効率性は大きく向上しました。安定供給に関わる業務は保守的に思われがちですが、社員の挑戦によって、進化していることを示す事例です。
2つ目は、ソリューション領域における、社会課題を起点とした新規事業への挑戦です。空き家問題や住宅価格の高騰といった社会課題と事業としての発展に向き合い、環境に配慮したリフォーム中古マンションの販売という新しいビジネスに踏み出しました。当初はノウハウ不足という大きな壁がありましたが、社内外の関係者が連携し、ゼロから設計・施行の仕様や販売体制を築き上げました。
このように、東京ガスグループのあらゆる現場では、現状維持に満足することなく、新しい価値を生み出すための試行錯誤が日々行われています。皆さんはこれから、新入社員研修や現場実習を通じて、先輩たちの働く姿を目にするでしょう。その際はぜひ「この仕事はマテリアリティとどう繋がっているのか」「この仕事はどのようなことに挑んでいるのか」という視点を持ってください。それが、会社をより深く理解する第一歩になるはずです。
会社が挑戦を続けるためには、皆さん自身にも、先輩たちのように挑戦しつづけ、いずれは会社の変革をリードする人材へと成長してほしいと強く願っています。
「挑戦」と聞くと、「絶対に失敗してはいけない」「最初から大きな成果を出さなければ」と、少し肩に力が入ってしまうかもしれません。しかし、最初から失敗を避けることだけを考えていては、新しい価値は決して生まれません。ここで少し、私自身の過去の経験についてお話しします。
今年は電力自由化から10年の節目にあたります。当時、私は責任者として、東京ガスグループがガスに加えて電力も担う総合エネルギー企業へ進化するため、自由化とともにスタートダッシュをかけ、新電力No.1を目指す目標を掲げました。
料金設計やシステム開発、プロモーションなどを2年という短期間で進めるには、チーム全員の力を結集することが不可欠でした。また、スタートダッシュの鍵は、当社グループの強みである顧客基盤をどう生かすかにありました。
重要な販売チャネルであるライフバルの理解を得るために、私は現場に足を運び、検針や点検などの業務を体験し、経営者との対話を重ねるとともに、自ら電力販売の実績を示し、その間に気付いた課題は迅速に改善しました。
この間、数々のトラブルに見舞われましたが、それらをなんとか乗り越え、グループ一丸となって取り組んだ結果、初年度目標である53万件の契約と新電力No.1を達成することができました。
皆さんも、変化や失敗を恐れず、まずは主体的に一歩を踏み出してください。すぐに結果が出なかったとしても、真摯に向き合い、試行錯誤した経験は、必ず皆さん自身の血肉となり、未来の大きな成長へと繋がります。
最後になりますが、私は社長として、社員の皆さんと直接言葉を交わす場を何よりも大切にしています。現場巡視や、10名前後での座談会で生の声を聞くことが、私の意思決定の貴重な拠り所となっています。新入社員研修の中にも、私と皆さんが直接対話をするプログラムが予定されています。この場を通して、皆さんの率直な想いを聞けることを、今から楽しみにしています。
皆さんが、東京ガスグループというこの広いフィールドで存分に力を発揮し、共に未来を切り拓く仲間として大きく成長していくことを心から期待し、私からの歓迎の挨拶とさせていただきます。共に、素晴らしい未来を創っていきましょう。
参考
以上