プレスリリース

東京ガス・パワーロールが低コスト次世代ペロブスカイト太陽電池の共同実証を開始

~普及拡大と国内サプライチェーン構築を見据えた協業を推進~

2026年3月25日
東京ガス株式会社
パワーロール・リミテッド

 東京ガス株式会社(社長:笹山 晋一、以下「東京ガス」)とパワーロール・リミテッド(Power Roll Ltd、代表:ニール・スパン、以下「パワーロール」)は、共同開発契約を締結し、低コストな次世代ペロブスカイト太陽電池の日本国内における共同実証(以下「本実証」)を開始しました。

パワーロール社製ペロブスカイト太陽電池パネル

ペロブスカイト太陽電池のセル

セルの拡大イメージ(セル構造)

 パワーロールが開発したペロブスカイト太陽電池は、一般的なペロブスカイト太陽電池で材料費の40~60%を占めるTCO(透明伝導性酸化物)基板の材料となるITO(インジウムスズ酸化物)を必要としない独自構造を採用しています。
 ITOは希少金属インジウムを使うため高価で、ペロブスカイト太陽電池のコスト低減の大きな障壁となっているほか、インジウムの枯渇リスクやカントリーリスク等、安定供給への懸念も存在します。業界各社において代替材料*1の検討などが進められる中、パワーロールはITOを一切使用せず、代わりに独自の微細構造フィルム上に電極を形成する革新的な技術を実現しています。構造そのものを見直してITOを根本から不要としたことにより、従来技術では難しかった劇的なコストダウンが期待されます。

 本実証では、パワーロールの軽量・低コストな太陽電池を対象に、東京ガスがこれまで培ってきた高度な施工技術による独自の接着工法、さらに分散型電源の導入・運用に関するノウハウを組み合わせることにより、約1年間にわたり発電性能や耐久性などをモニタリング・評価し、日本の気候・環境条件に即した性能および信頼性の確認と改良につなげていきます。
 あわせて、日本における想定用途やユースケースを整理するとともに、社会実装に不可欠な認証制度への対応や、日本国内における製造・供給体制(サプライチェーン)の共同構築の可能性についても検討します。

 東京ガスとパワーロールは、本実証を通じて、フィルム型太陽電池の社会実装を進め、国内の再生可能エネルギー導入量拡大の一翼を担い、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。

参考 関連する各社の取り組み

東京ガス

 「ヒナタオソーラー」の太陽光PPAサービスを通じて、薄型軽量パネルと独自の接着工法を駆使し、これまで困難だった「耐荷重の小さい屋根」への導入や未活用スペースの有効活用に取り組んでいます。独自工法は耐風試験や加速試験などの厳格な検証を経て確立しており、高い施工信頼性を誇ります。
 また、多様化するニーズに応えるべく、VPPAの提案やJクレジット化の支援など、新たなサービスや商材をいち早く取り入れた事業展開を推進しています。注目の次世代ペロブスカイト太陽電池の技術的な可能性を見極め、早期のサービス化・事業化を通じた社会実装に挑戦し続けます。

パワーロール

 マイクログルーブ構造、ペロブスカイト系の光吸収材料、そしてスケーラブルなロール・ツー・ロール製造技術を組み合わせた軽量で柔軟なソーラーフィルムを開発する英国の企業です。
 同社のソーラーフィルムは、プラスチックシートに微細な溝をつける独自技術を使うことで、薄く軽いだけでなく、光を効率よく電気に変えられる構造になっています。この独自構造により、ペロブスカイト太陽電池で一般的に使用される透明電極材料の高額なITO(インジウムを含む材料)が不要となり、低コストでの製造が可能となります。加えて、部分的な影や欠陥が生じた際も発電量の低下を抑える特性を有しており、実環境における安定した発電性能と、効率的な量産の両立が期待されます。同社は、この技術を活用し、従来型パネルの設置が難しい非耐荷重屋根、建物の外壁、曲面などの場所へ太陽光発電をより多く導入していくことを目指しています。

参考 本実証の背景

 第7次エネルギー基本計画において、太陽光発電は2040年の電源構成の22~29%を目指すとされる一方、屋根の耐荷重や形状、設置スペース、施工・運用上の制約、さらには設置場所と電力需要地とのミスマッチなどの課題により、従来型の太陽光パネルのみでは導入が進みにくい領域が依然として存在しています。こうした課題に対し、ペロブスカイト太陽電池は、薄型・軽量で柔軟な形状への対応が可能な次世代技術として、これまで設置が困難であった場所の活用可能性を大きく広げることが期待されています。

  • *1:
    FTO(フッ素スズ酸化物)などが検討されている

以上

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