プレスリリース

AC発電効率65%の高効率な固体酸化物形燃料電池システムの実証試験開始について

2020年3月4日
東京ガス株式会社
三浦工業株式会社

東京ガス株式会社(社長:内田 高史、以下「東京ガス」)と、三浦工業株式会社(社長:宮内 大介、以下「三浦工業」)は、このたび、5kW級の発電出力規模でAC発電効率*165%の高効率な固体酸化物形燃料電池システム*2(以下「本システム」)を共同で開発し、2020年4月から実証試験(以下「本実証」)を開始します。
両社は、本実証により、発電性能や耐久性・信頼性の検証を行うとともに、本実証で得られた知見の活用や課題の解決を進め、早期の商品化を目指します。

本システムは、東京ガスが独自に研究開発を進めていた高効率化技術*3(図1参照)と三浦工業がもつ熱・水・環境の技術を融合させることにより、世界で初めて5kW級発電出力規模の燃料電池システムにおいてAC発電効率65%を達成*4しました。本実証に先立ち、森村SOFCテクノロジー株式会社製の平板型SOFCセルスタックを使用した本システムで、2,000時間を超える安定運転を確認しています。
なお、本システムは、高効率な発電の特徴を活かし、排熱利用なしでも省エネルギーやCO2排出量の削減に貢献可能なモノジェネレーションシステム*5となります。

東京ガスおよび三浦工業は、本実証をベースに技術開発を進め、環境負荷の少ない都市ガスの高度利用を通じて、お客さま先での省エネルギー・CO2排出量の削減に貢献します。また、本実証以外においても共同で脱炭素化技術のイノベーションを推進し、CO2ネット・ゼロ*6の実現に貢献してまいります。

*1 発電システムとして構成した場合に、燃料電池を動作させるためのエネルギーを差し引いた、お客さまが利用できる交流送電端ベースの発電効率
*2 電解質にセラミックスを用いた、高温で作動する燃料電池
*3 投入した燃料をより多く発電に利用するため、(1)SOFCスタックの二段化技術、(2)燃料再生技術、(3)少ない未利用燃料において熱自立する技術を組み合わせたもの
https://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20170523-01.html(2017年5月23日東京ガスプレスリリース参照)
*4 東京ガス・三浦工業調べ。2020年3月3日現在。
*5 システムから電気だけを取り出して利用する方法
(参考:システムから熱と電気の両方を取り出して利用する方法はコージェネレーションと呼ぶ)
*6 東京ガスは、2019年11月に発表した経営ビジョン「Compass2030」において、CO2ネット・ゼロに向けたロードマップを示し、超高効率燃料電池の導入を進めていくことを掲げました。

実証試験の概要

  1. 試験期間 : 2020年4月から2023年3月(予定)
  2. 実証場所 : がすてなーに(ガスの科学館) 東京都江東区豊洲
    田町スマートエネルギーセンター 東京都港区芝浦
  3. 実証機仕様
燃料 都市ガス 13A
出力電力 5kW
AC発電効率 65%
製品外形 1.0m×2.0m×1.8m(W×D×H)
タイプ モノジェネレーションシステム

図1 SOFCシステムの高効率化技術(投入した燃料をより多くの発電に利用する技術の模式図)

図2 本実証に用いるSOFCシステム外観図

(左:がすてなーに設置機

右:田町スマートエネルギーセンター設置機)

以上

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