技術開発
技術研究所の業務
保安レベルの向上、託送原価の低減、安定供給の維持向上のため、供給、災害対策、維持管理、建設、DXの各分野において取組んでいます。
(1)スマート保安などの技術開発
(2)CO2ネットゼロと託送周辺事業に関する先進的・革新的な技術開発
(3)喫緊の現場課題に関するソリューション提供
2024年度「Gas Innova」における最新技術開発成果発表はこちら
1.供給分野
供給技術
専用需要家における急激な負荷変動にも良好に追従できる大容量の新型ガバナです。地区ガバナにも対応しています。
部品点数や必要工具が少なく維持管理業務を容易に行うことができます。
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2.災害対策分野
滞水除去装置
地震災害時等において、損傷した埋設導管に流入滞留した地下水および水道水を滞水除去装置により、速やかに吸引除去します。
ガバナ遠隔再稼働システム
大きな地震の際には安全のため、一度ガス供給を停止します。被害が小さいことを確認した後に、ガス供給設備であるガバナを遠隔操作にて稼働させることで、供給再開を早めるものです。
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3.維持管理分野
FLEXライナー工法
老朽化した鋳鉄管を非開削でPE管に置き換える工法です。温めたPE管を現場でU字形に変形させ、ウィンチによって鋳鉄管内に引込み、蒸気で加圧・加熱して円形に戻します。
ES(Emergency Seal)工法
ガス管内面にライニング膜を形成することにより漏洩を止める修理工法です。送風機の気流を用いてガス管の内部に液状樹脂を流すだけなので、隠ぺい部や埋設箇所も容易に修理出来ます。
4.建設分野
非開削工法
ガス管敷設時において、地中を推進し、道路掘削の範囲を最小限に抑える工法です。低コストかつ周辺への影響を最小限に抑えられます。
エコボール(一時的な埋め戻し材料)
砂の代替として使用します。繰り返し使用できるので、建設残土の発生抑制・コストダウンに寄与します。
プッシュインパクト継手
ねじ配管に替わる工法として屋内配管に多く用いられているフレキ管工法において、工具を用いずに施工可能なプッシュインパクト継手を開発・導入し、配管工事作業の簡便化に貢献しています。これにより信頼性、経済性等の向上を実現しています。
セーバープロスマート
ガス設備の最終的な健全性の確認方法である気密試験は、保安の確保において最も重要な作業のひとつです。
気密試験に用いる圧力計:セーバープロスマートを開発しました。セーバープロスマートは温度補正機能を搭載した気密試験器で、表示・操作部にタブレットを使用し、計測部とBluetoothで接続していることが特徴です。気密試験の信頼性を向上させるとともに、現場作業の効率化に寄与しています。
5.DX分野
AIを用いた業務効率化
保安高度化や業務効率化を目的として、長年の維持管理業務で蓄積してきたデータを基にAIを活用し、ガス設備の劣化箇所自動判定など、様々な業務への展開を進めています。
ガス設備点検業務へのドローン活用
高所等の事故発生リスクが高い現場におけるガス設備点検において、ドローンを活用することによる業務効率化・安全性向上を進めています。
産業用・大型メーターの開発対応
産業用の大型超音波メーターの開発を完了し、導入を実現しています。
また、病院などで使用する大型超音波メーターの開発や、既存メーターのコストダウン開発などを行っています。
活性炭を応用した環境負荷低減技術(吸着)
ガスメータ交換作業時のガス拡散を抑制するために、活性炭を充填した吸着容器を用いてガスを吸着回収する技術です。ガスの放出がないため作業安全性の向上、環境負荷低減が可能です。