当社の保有技術
マンホール内の設備異常検知発報システム
1. 概要
東京ガスネットワークでは、特定のバルブに対して漏えいが発生する懸念があることから対策ランクを認定し、取り替えや定期点検を行うなどのリスク管理をしています。このリスク管理を更に徹底するために「マンホール内の設備異常検知発報システム(以下、本システム)」を開発しました。
本システムは、マンホール内でガスを検知した場合、通信ユニット及びマンホールアンテナにより当社の遠隔監視システムに発報する仕組みとなっており、24時間体制での遠隔監視を可能にしています。
システム概要図
アンテナ概要図
アンテナを取り付けたマンホールの外観図
2. 特長
防爆仕様
- 密閉空間内で漏えいしたガスが充満する可能性があるため、防爆仕様のガス検知器を採用し、通信ユニット等については、防爆容器に格納することで安全性を確保しています。
マンホールアンテナの採用
- 通信ユニットをマンホール内に格納していることから鉄蓋が障害となり、通常は通信を行うことができませんが、マンホールアンテナを鉄蓋に取り付け、通信ユニットと接続することで通信を可能にしています。マンホールアンテナの取り付け機構については特許を取得しています。
- アンテナは無指向性のため基地局の位置、アンテナの指向性の影響を受けることがなく安定した通信が可能です。また、アンテナが小型であることから鉄蓋へ取り付けを実施しても鉄蓋の強度低下の懸念がなく、アンテナについても車両荷重に対する耐久性を備えています。
3. 適用範囲
- ガス漏えい検知のみではなく、その他の検知センサーと組み合わせることが可能なため、マンホール内の様々な環境情報を遠隔監視することができ、設備異常の早期発見が可能となります。
- 既存の設備を活用して軽微な工事で設置が可能です。
- 国内の携帯通信のカバーエリア内であれば、ほぼ全域での適用が可能です。
4. 導入実績、メリット
実績
- 対策が完了するまで多くのマンホールに設置しています。現在も本システムによる遠隔監視を継続しています。
- 本システムを応用した技術について、令和7年度日本水道協会全国会議にて論文発表を予定しています。
本工法の主なメリット
24時間遠隔監視が可能
マンホール内の状況を24時間監視可能となり、保安の向上が図れるとともに、従来の巡回点検(TBM)を設備の状態に応じた点検(CBM)にすることが可能です。
システムの汎用性
目的に則した検知器を使用することにより、遠隔地よりマンホール内の様々な環境情報の取得及び設備異常検知が可能です。
既設マンホールに取り付け設置可能
通信用に特化した専用蓋の製造・蓋の取替工事が不要のため、導入コストが小さく、リスク管理コストの削減が可能です。