東京ガスネットワーク トピックス
スマートメーターのセンターシステム 共同開発『SMANEO』が日本ガス協会「2024年度 技術賞」を受賞
2024年11月6日
東京ガスネットワーク、大阪ガスネットワーク、東邦ガスネットワークの3社(以下、3社)が共同で開発したスマートメーターのセンターシステム『SMANEO』が、一般社団法人日本ガス協会の「2024年度 技術賞(ガス技術部門)※1」を受賞しました。この賞は、ガス事業およびガス事業者の健全な発展と都市ガスの普及に貢献する優れた技術を表彰するものです。
*1「2024年度技術⼤賞・技術賞」の詳細はこちら
2020年代前半から、3社はスマートメーターの導入に向け、メーター開発および通信規格の共通化に取り組んできています。3社で業務を標準化し共同利用する、スマートメーターのセンターシステム『SMANEO』を共同開発し、システムの開発・維持管理コストを低減していることが評価され、今回の受賞となりました。
3社は『SMANEO』に接続したスマートメーターの活用により、検針業務等の効率化に加えて、保安・レジリエンスの更なる強化を実現し、BPR・DXを推進していきます。
共同開発メンバー
スマートメーターのセンターシステム『SMANEO』共同開発について
【開発概略】
【開発の背景・目的】
3社は、2020年代前半からのスマートメーターの導入に向け、 メーター開発および通信規格の共通化に取り組んできており、2020年12月にSMANEOの共同開発に合意し、2022年12月にSMANEOの稼働を開始しています。
今回開発したセンターシステム『SMANEO』は、スマートメーターと3社の各種業務システム間の信号授受を担うシステムであり、3社で業務を標準化し共同利用することで、システムの開発・維持管理コストを低減しています。
東京ガスネットワークは2022年12月から利用を開始し、2024年1月末時点で約100万台のスマートメーターを接続しています。2024年度後半には東邦ガスネットワークが、2025年度には大阪ガスネットワークがそれぞれ『SMANEO』の利用を開始する予定であり、最終的には3社合計で2,200万台以上のスマートメーターを『SMANEO』に接続する見通しです。
スマートメーター活用業務 | 概要 | 期待される効果 |
---|---|---|
検針業務の遠隔化 | 遠隔検針により人手を介さず指針値を取得することで、検針員が現地に赴き実施する検読業務が不要 | 将来的な労働力不足の懸念がある中、検針業務を効率化 |
迅速な安全確保・ガス復旧 | 通信によりシステムからの指示を受けた一帯のメーターは人手を介さず閉栓可能 | 迅速な安全確保と、閉栓作業の短縮による迅速なガス復旧 |
ガス漏れ時の安全確保 | ガス漏れの通報を受け次第ガスメーターを遠隔閉栓し、作業員の現地到着前に安全を確保 | 通報時の遠隔閉栓による火災等の二次災害の防止 |
供給支障の早期覚知 | メーターから収集した圧力低下等の警報を活用し、供給支障を早期覚知 | 供給支障発生の早期覚知による迅速な対応 |
少子高齢化を背景とした将来的な労働力不足の懸念や大規模自然災害に備えたインフラ保安向上の社会的な要請が高まる中、 3社はスマートメーターの活用により、検針業務等の効率化に加えて、保安・レジリエンスの更なる強化を実現し、BPR・DXを推進していきます。
【開発内容】
センターシステム『SMANEO』の構造・仕様
- センターシステム『SMANEO』は、導管事業者がスマートメーターを用いて業務を実現するために必要な各種機能(スマートメーターの制御機能、情報読み出し機能等)を具備し、導管事業者にインタフェース(API)として提供するシステム。
特長① 変化への対応
- 将来利用可能となる新しい通信技術に柔軟に対応するため、スマートメーターとの通信処理を担う「通信モジュール」と、業務に必要な情報の保持や導管事業者との連携等を担う「業務モジュール」を分離し、疎結合で構成。通信モジュールの改修だけで新しい通信方式に対応でき、システムの長寿命化を実現。
特長② 拡張性
- 接続するスマートメーター数の増加に応じてインフラリソースを増強できるクラウドの特性を活かし、2,200万台超のスマートメーターを接続できる拡張性を実現。
特長③ 業務の標準化
- スマートメーターで実現する検針、開閉栓等の業務を3社で標準化し、SMANEOと事業者間で情報を授受するインタフェースおよびシステム機能を共通化。(一例: 検針値の取得方式を複数具備しており、遠隔検針の成功率向上を実現。)