【エピソード6】「金メダルの呪い」からの解放。そしてパリ2024大会へ馳せる想い。

【エピソード6】「金メダルの呪い」からの解放。そしてパリ2024大会へ馳せる想い。

初の自伝本を発行。これまでに出会った
すべての人が闇の世界を歩む道しるべに。

2021年の夏には『闇を泳ぐ』という初の自伝本を発行しました。本では、小学4年生で水泳を始めてから、パラリンピックデビューした北京2008大会、初の銀・銅メダルを獲得したロンドン2012大会、血のにじむような練習を重ねて挑んだリオ2016大会、練習拠点を移し単身アメリカでの生活まで、僕が歩んだ半生を書き下ろしました。本にも書きましたが、2歳で全盲になり、ずっと闇の中を泳ぎ続けてこられたのも、両親、盲学校の友人、先生、大学の水泳サークルの仲間、東京ガスグループの人たち、ボルティモアでの練習パートナー、ヘッドコーチ……人生で出会ったすべての人たちが、その時、その瞬間に僕を支えてくれたおかげです。そして、みんなの応援は僕にとって「光」のようなもの。僕が進む道は、いつもみんなが照らしてくれる光が道しるべになっています。これからも、引き続き応援していただけるとうれしいです。

10歳で始めた水泳。憧れたのは競泳界のスーパースター・イアン・ソープ 10歳で始めた水泳。憧れたのは競泳界のスーパースター・イアン・ソープ

僕の半生を綴った自伝本『闇を泳ぐ』~全盲スイマー、自分を超えて世界に挑む。~ 僕の半生を綴った自伝本『闇を泳ぐ』~全盲スイマー、自分を超えて世界に挑む。~

目標を見つけ、挑み続けることが
誰かの明日を動かすエネルギーになる。

金メダルを獲るまでは、何をするにしても「金メダル」が頭の中について回り、「金メダル以外のことに目を向けてはならない」「金メダルを獲らないと次に進めない」と自分自身で言い聞かせていました。あれだけ苦しみ抜いた「金メダルの呪い」から解放されたことで、心に余裕も生まれ、今では他のことにも目を向けられるようになり、メディア出演、ハーフマラソン出場など、水泳以外のことにも挑戦しています。
東京ガスグループには「人によりそい、社会をささえ、未来をつむぐエネルギーになる。」という経営理念がありますが、パラアスリートの僕にできることは、体を動かして挑み続け、最後までやり抜くこと。目標に立ち向かう様を見てもらうことで、「挑戦したい」と考えるすべての人の背中を押すことだと捉えています。世界には、僕を含めて様々な立場の人が存在しています。僕自身がいろんなことに挑戦することで、障がいのある人と社会の接点につながり、誰かの明日を動かすエネルギーになると信じて、挑み続けていきます。

自伝本「闇を泳ぐ」撮影時 自伝本「闇を泳ぐ」撮影時

東京ガス本社受付前で 東京ガス本社受付前で

東京2020大会からパリ2024大会へ。
もう一度、スポーツを通して心が震える瞬間を届けたい。

来年にはパリ2024大会が開催されます。東京2020大会で人生最大の目標を達成したことで、その先の目標や水泳との向き合い方について迷うこともありましたが、パリ2024大会には出場したいと考えています。出場するからには一番速く泳ぎたいということはもちろんですが、これまでの大会のように「金メダル」だけにフォーカスすることはありません。僕のそばで支えてくれる人たち、僕が気づかないところで応援してくれる人たちに、もう一度泳いでいる姿を見せたい。そして、もう一度スポーツを通して心が震える瞬間を生み出したいと思います。金メダル獲得までにみんなからもらったエネルギーを、少しでもお返ししていけるよう、これからも泳ぎを追求し、100分の1秒でも速く泳げるよう自分自身を高めていきたいです。

ジャパンパラ水泳競技大会 ジャパンパラ水泳競技大会

自伝本「闇を泳ぐ」撮影時 自伝本「闇を泳ぐ」撮影時

単身アメリカ生活時に通りかかった翼の壁画前で 単身アメリカ生活時に通りかかった翼の壁画前で

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