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東京ガス都市生活研究所が
都市生活レポート「シャワーによる眼の疲労回復効果」を発行

東京ガス株式会社
平成24年8月22日
広報部

東京ガス株式会社(社長:岡本 毅、以下東京ガス)都市生活研究所では、このたび、都市生活レポート「シャワーによる眼の疲労回復効果」を発行しました。

都市生活研究所は、1986年社内シンクタンクとして設立されて以来、生活者の立場から食生活や入浴、家事、室内環境など、エネルギー利用に関わる暮らしのあり方を考え、研究をおこなっています。なかでも、「入浴」は近年、身体を清潔に保つ目的にとどまらず、入浴の効果として美容や健康面も注目され、半身浴やミストサウナ浴などもとりいれられるようになっています。

都市生活レポート「健康・美容に関する生活者の意識調査」(2010年11月)によると性別や年代を問わず「眼精疲労・眼の疲れ」に悩んでいる割合が高く(男性52.4%、女性64.4%)、また、「疲れ・だるさ」に悩んでいる人も男性44.2%、女性58.8%でした。
多くの人が悩む「眼の疲れ」は身体疲労と精神疲労の双方との関連が深いと言われています。そこで、今回は身体疲労と精神疲労の回復に効果がある温熱効果に着目し、検証をおこないました。それにより、「温かいシャワーを眼にあて眼周囲を温めることは、眼の疲れ回復に有効」ということが明らかになりました。

結果の要約

42℃のシャワーの効果
42℃のシャワーを眼にあてたことで、視力の一時的な低下状態から早期に回復し、また、主観評価においても、スッキリ感の増加、ショボショボ感の減少という結果が得られました。これは、眼疲労の回復を早めたことを示します。
一方で、32℃のシャワーでは、有効な回復が見られなかったことから、シャワーの水圧によるマッサージ効果よりも温熱効果が影響していると考えられます。シャワーでは、深部体温を上昇させるほどの温熱効果は得られませんが、今回のように、眼の周囲のような熱が伝わりやすい部位に直接熱を加える場合には有効であることがわかりました。

疲労の種類別にオススメの入浴法
本研究と都市生活レポート「浴槽入浴とミストサウナ浴の疲労回復効果」(2011年10月)の両方の結果から、疲労の種類によって、回復に効果的な入浴方法が明らかになりました。

身体疲労 「浴槽入浴」後には、筋疲労が回復。(ミストサウナ浴も同等の効果が期待。)
精神疲労 「ミストサウナ浴」後には、注意力や判断力が向上。「ミストサウナ浴」「浴槽入浴」ともに入浴後に脳の疲労が蓄積しにくく、また、作業効率が向上。
眼疲労 「温かいシャワー」を眼にあて眼周囲を温めることにより視力の一時的な低下からの回復を早める。

実際の入浴においては、浴槽につかりながら(浴槽入浴)、シャワーを眼にあてるなど、疲労の箇所によって、入浴法を工夫して、疲労回復に役立てていただきたいと考えます。

実験概要

■期間 2011年11月
■被験者 20代男性10名
    各実験前夜に6時間以上の睡眠をとり、実験当日はカフェイン、アルコールの摂取や喫煙、激しい運動を控え、実験開始1時間前から眼が疲れる作業を控えた
■実験環境 室温27℃
■実験条件 (1)42℃シャワー(湯温42℃、5l/min)
(2)32℃シャワー(湯温32℃、5l/min)
(3)シャワーなし
※(1)(2)はシャワーを右目から片目1分間ずつ、交互に3回両目に当てる。
   (1分間/回 × 両目 × 3回= 合計6分間)
※シャワーなしの場合も、浴室にてシャワーはあてずに同じ姿勢をとる。
■実験フロー
実験フローの画像
■疲労タスク 眼を疲労させるタスクとして、Excel上でランダムな順に配置したカタカナの中から「ア」「メ」「フ」「リ」を探し、各文字の左側に配置されたチェックボックスにチェックを入れるタスクを20分行う。
■測定項目
1)深部体温(直腸温)
2)皮膚温(上腕、左胸、大腿、下腿、前額温、右頬温、左頬温)
3)視力(眼科検査等で行われる標準的な視力表示方式で、検査距離5mの遠方視力を測定)
4)主観評価(眼のスッキリ感、ショボショボ感をVAS法にて評価)
本研究は、千葉大学大学院工学研究科人間生活工学研究室(勝浦哲夫教授、下村義弘准教授、李スミン特任助教、高橋佳佑氏)との共同研究として実施した。
「都市生活レポート」は東京ガス都市生活研究所WEBよりダウンロードできます。
http://www.toshiken.com/report/
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