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東京ガス平沼ビルの建替による省CO2の取り組みについて

東京ガス株式会社
平成23年10月12日
広報部

 

   東京ガス株式会社(社長:岡本毅、以下「東京ガス」)は、東京ガス平沼ビル(横浜市西区)において、2棟の事務所ビルを統合し、地上5階建、約7,200m2の中規模事務所ビルへの建替を実施します。2012年2月に着工し、2013年3月竣工の予定です。
   建替にあたっては、再生可能エネルギーの活用、空調設備の最適な組み合わせ等により、従来のナチュラルチラー(ガス吸収冷温水機)だけを用いた一般的な空調システムと比較して、空調によるCO2排出量を約34%削減できる見込みです。また、ガスコージェネレーションシステム(以下「コージェネ」)やガス空調の導入効果によって、従来型の電気熱源のビルと比べてピーク電力を約61%削減できる見込みです。
   東京ガスでは、省エネ、耐震安全性、長寿命化等を考慮した「設計ガイドライン」を2010年度に作成し、東京ガスグループが所有するビルの建替計画に反映することにしました。本件はこの「設計ガイドライン」に基づいた最初の建替になります。
   東京ガスは、今後、東京ガスグループが所有する中規模ビルで建替を実施する際には、本件で導入した技術を積極的に展開します。また、更新時期を迎えた吸収冷温水機を中規模ビルで使用しているお客さまに本件で採用した技術の導入を推進し、合計約10万トンのCO2排出量削減を目指します。
   なお、本改修事業は国土交通省の「住宅・建築物省CO2先導事業※1」に採択されております。事業期間は2011年度から2013年度までです。建築主は東京ガス都市開発株式会社、設計は株式会社松田平田設計、施工は株式会社大林組が実施します。

※1: 住宅・建築物における省CO2対策を強力に推進し、住宅・建築物の市場価値を高めるとともに、居住・生産環境の向上を図るため、省CO2の実現性に優れたリーディングプロジェクトとなる住宅・建築プロジェクトを公募によって募り、整備費等の一部を補助する事業。

導入する省CO2技術

1. 太陽熱・コージェネ廃熱を利用し、省CO2と快適性を両立する空調システム
   太陽熱とコージェネ廃熱が利用できるソーラーナチュラルチラー(太陽熱利用ガス吸収冷温水機)を使った空調システム、ソーラークーリングシステムを導入し、CO2排出量の削減を図ります。ソーラークーリングシステムは、年間を通した日中の定常負荷に対応し、主として通路や窓際等、通常人が存在しない領域(アンビエント領域)の空調を行います。
   夜間あるいは日中の定常負荷を超えた変動負荷への対応としては、超高効率ガスエンジンヒートポンプ「GHP XAIR(GHP エグゼア)」等を導入し、人が執務をする領域(タスク領域)の空調を行います。「GHP XAIR(GHP エグゼア)」は部分負荷での効率が高いので、変動負荷への対応に適しており、快適性を保つきめ細かな運転が可能です。
 
2.冷房時に使用する温水と製造した冷水の熱を使い切る、温水・冷水のカスケード利用
   冷房時に、太陽熱集熱器、コージェネ廃熱から得られた温水は、まず、ソーラーナチュラルチラー(太陽熱利用ガス吸収冷温水機)に約88℃で届き、冷水を製造するために利用されます。次に、約80℃でデシカント空調機※2に届き、除湿のために利用され、最後は約75℃まで温度が下がります。
   ソーラーナチュラルチラー(太陽熱利用ガス吸収冷温水機)で製造された約7℃の冷水は、空調機を通して室内を冷やすために使われ、温度が上昇します。次に、約14℃でデシカント空調機に届き、除湿により温度が上昇した空気を空調機に送り込む前の空気を冷やすために利用されます。その後、約17℃で放射冷暖房パネル※3に届いて放射により室内を冷やし、最後は19℃まで温度が上がります。
   このように、温水・冷水の熱を段階的に効率よく利用します(カスケード利用)。
 
※2: 乾燥剤を用いて冷房時に除湿を行う空調機。湿気を吸収した乾燥剤を再生するため、加熱して水分を放出させる。
※3: パネルに冷水・温水を通して冷暖房を行う放射冷暖房機。共用スペースに設置予定。
 
3.自然エネルギーの積極利用
   天窓のある吹き抜け空間を採用し、自然採光と自然喚気を取り入れ、照明負荷、空調負荷を低減しています。また、屋上および西側壁面を緑化し、高断熱化することで、空調負荷を低減しています。さらに敷地内の別の建物への渡り廊下の屋根に太陽光発電パネル10kWを設置します。
   

建替計画概要

計画地 :神奈川県横浜市西区平沼敷地内
竣工 :2013年3月
延床面積 :7,221m2
階数 :地上5階
用途 :事務所

主要省エネ設備仕様

名称 能力等
ソーラークーリングシステム パネル面積147m2、冷房能力422kW
コージェネレーションシステム 35kW×3台
デシカント空調機を含む空調システム 305kW×2台
放射冷暖房システム 冷房:5.1kW、暖房4.0kW
高効率GHP 室外機14台
太陽光発電パネル 10kW

東京ガス平沼ビル建替後 外観イメージ

東京ガス平沼ビル建替後 外観イメージ

空調システムの稼働イメージ

空調システムの稼働イメージ

冷房時の温水・冷水の利用イメージ

冷房時の温水・冷水の利用イメージ

東京ガス平沼ビル建替後 内部設備イメージ

東京ガス平沼ビル建替後 内部設備イメージ
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