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業務用太陽熱利用給湯システム
「小規模業務用太陽熱パッケージ」の商品化について

東京ガス株式会社
平成22年2月9日
広報部

 

   東京ガス株式会社(社長:鳥原光憲、以下「東京ガス」)は、店舗および公共施設などの業務用のお客さまを対象に、太陽熱を利用した給湯システム「小規模業務用太陽熱パッケージ(以下「本システム」)」の開発を行いました。
   業務用用途では家庭用とは異なり、日中にもお湯を多量に使用するお客さまが多いという特徴があります。家庭用では日中に集めた太陽熱を蓄熱タンクへ多量に貯めて、夜間に使用することが一般的ですが、本システムは業務用用途の特徴を活かし、集めた太陽熱を給湯需要に合わせてその都度使用します。希望する給湯温度との差温は、高効率給湯器などによりバックアップします。なお業務用向けにパッケージ化した商品の開発は日本初※1となります。
   開発にあたっては株式会社セブン&アイ・フードシステムズ(社長:塙昭彦)にご協力いただき、2009年9月に「デニーズ成城店」(東京都世田谷区)に試作機を設置しました。現在もシステム性能の実証を継続していますが、年間集熱効率が約50%と太陽光発電と比較して高いエネルギー変換効率が得られています。太陽熱を集める集熱器の面積とお客さまの給湯需要※2によって本システムによる省エネ効果は異なってまいりますが、「デニーズ成城店」の実証結果をもとに本システム(16m2タイプ)を業務用小規模建物に設置した場合は、CO2排出量および一次エネルギー使用量を約20%※3削減することが期待できます。
   本システムは、株式会社ノーリツ(社長:國井総一郎、以下「ノーリツ」)と共同で開発を行っています。東京ガスが市場性と商品性の検討を担当し、ノーリツが詳細仕様設計を行いました。本年6月からノーリツが、本システムを家庭用太陽熱給湯システム「スカイピア」シリーズの業務用版「スカイピアPRO」として製造・発売し、東京ガスグループは、供給エリア内における受注(販売・施工)を行ってまいります。
※1 東京ガス調べ。
※2 例えばファミリーレストランでの給湯負荷熱量は、家庭用(戸建住宅4人家族)の約10件分です。
※3 集熱ポンプ消費電力含む。なお、都市ガスのCO2排出係数を0.0509kg-CO2/MJ、電力のCO2排出係数(火力電源係数)を0.69kg-CO2/kWh((社)日本ガス協会「CO2削減対策に用いる電気のCO2排出係数について」より)とした。

本システムの特長

(1)タンク容量の最適化
   日中にも給湯負荷がある業務用のお客さまを想定し、実際の給湯負荷データを用いたシミュレーション結果にもとづいてタンク容量の最適化を行いました。その結果蓄熱タンクは、家庭用太陽熱給湯システムの中でも小型な200Lのタンクを採用する一方で、集熱器は家庭用システムの4倍となる最大16m2(ピーク時集熱量約10kW※4)まで接続が可能となりました。
※4 ファミリーレストランでの設置を想定した東京ガス試算結果。
(2)導入を容易にするパッケージ化
   蓄熱タンク、補機類(集熱ポンプ、熱交換器、リザーブタンク、混合弁)および制御装置を一体化して「蓄熱ユニット」とし、これに集熱器と専用リモコン(熱量表示リモコンおよび蓄熱ユニットリモコン)を組み合わせたパッケージ商品とすることで、システムを小型化するとともに、施工負担を軽減しました。
(3)既設給湯器への接続も可能
   本システムは、蓄熱ユニットに内蔵した混合弁によって給水とタンク内の温水をミキシング※5して、過度な温度上昇を防ぐ機能を有しています。そのため既設の業務用ガス給湯器ならびにボイラーへの接続も可能です。
※5 給湯器等にはミキシングした低温の温水が給湯器に流れるため、潜熱回収型高効率給湯器「エコジョーズ」の排気熱・潜熱回収機能も有効に活用できます。
(4)ガス削減量・CO2削減量の見える化
   太陽熱および都市ガスの使用状況の「見える化」を実現した「熱量表示リモコン」を採用してお客さまの省エネ、省CO2意識が高まる配慮を行っています。
   東京ガスは、「2009年度−2013年度グループ中期経営計画」で重点取り組みの一つとして「Eco-friendly(環境を基軸とした価値創造)」を掲げ、太陽光・太陽熱を取り入れた環境対応型システムの普及・拡大を目指しています。
   太陽エネルギーは枯渇することがなくCO2を排出しないエネルギーであり、地球温暖化対策として積極的に利用することが求められています。なかでも太陽熱は、太陽光発電と比べてエネルギー変換効率が高く、給湯や空調の熱として利用することに適していますが、太陽熱は、天候状況などによって集熱量が不規則に変動するため、ガスのシステムと組み合わせることにより、利便性・快適性を損なわずに、環境性を追求することが可能となります。
   東京ガスは、横浜市などの自治体とも連携し、業務用のお客さま向けの太陽熱給湯システムの運転データの採取・分析などを行ってまいります。また家庭用のお客さま向けには、集合住宅用の太陽熱給湯システム「SOLAMO(ソラモ)」を今月22日から販売することを予定しており、太陽熱利用の普及・拡大を進めてまいります。
   東京ガスは、今後ともさらなるCO2削減に向け、再生可能エネルギーを利用した環境対応型ガスシステムの開発・普及に努めてまいります。

本システムの概要

1.主要機器仕様
  機器一式・・・ 太陽集熱器、蓄熱ユニット、
専用リモコン(熱量表示リモコンおよび蓄熱ユニットリモコン)
(1)太陽集熱器
 
種類 平板型
集熱面積 8〜(最大)16[m2](8枚)
外形寸法 1枚当り 1,002×2,002×厚さ60[mm](×最大8枚)
質量 1枚当り 40.0[kg](満水時42.5[kg])(×最大8枚)
凍結対策 不凍液使用(プロピレングリコール)
(2)蓄熱ユニット
 
外形寸法 幅450×奥行650×高さ1,900[mm]
質量 70.0[kg](満水時285[kg])
蓄熱容量 200[L]
(3)専用リモコン
 
主なリモコン機能 ・太陽熱利用量
・ガス削減量
・CO2削減量
・混合弁温度設定(30〜40℃設定)
2.システムフロー図
 
3.システムの外観
 
○集熱器(例:16m2タイプ) ○蓄熱ユニット
(外食店舗への設置イメージ図)
※蓄熱ユニットを屋根上に設置した場合
デニーズ成城店

展示会への出展

   東京ガスは下記展示会において、「小規模業務用太陽熱パッケージ スカイピアPRO」の実機を展示します。
  ・「ENEX2010 第34回 地球環境とエネルギーの調和展」
  日時 :2010年 2月10日(水)〜12日(金)
  場所 :東京ビッグサイト西1・2ホール
  主催 :財団法人 省エネルギーセンター
  入場料 :無料(登録制)
・「HVAC&R JAPAN 2010 第36回 冷凍・空調・暖房展」
  日時 :2010年 2月16日(火)〜19日(金)
  場所 :東京ビッグサイト
  主催 :社団法人 日本冷凍空調工業会
  入場料 :無料(登録制)

会社概要

1. 東京ガス株式会社
 
(1)本社 東京都港区海岸1-5-20
(2)連絡先 03(5400)3110
(3)資本金 1,418億4,400万円(2009年3月末)
(4)代表者 鳥原光憲
(5)事業内容 ガスの製造・供給および販売、ガス機器の製作・販売およびこれに関連する建設工事、熱供給事業、電気供給事業
2. 株式会社ノーリツ
 
(1)本社 兵庫県神戸市中央区江戸町93番
(2)連絡先 078(334)2801
(3)資本金 201億6,700万円
(4)代表者 國井総一郎
(5)事業内容 ガス温水機器、石油温水機器、温水暖房システム、空調機器、ソーラーシステム、システムバス、システムキッチン、洗面化粧台、温水洗浄便座、業務用浴室設備機器
以上
<製品に関するお問い合わせ先>
東京ガス(株)ソリューション技術部空調技術グループ 電話03-5400-3110
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