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オンサイトで世界初
CO2分離回収を同時に行う高効率水素製造技術の実証について

東京ガス株式会社
平成21年3月12日
広報部

 

 東京ガス株式会社(社長:鳥原光憲、以下「東京ガス」)は、平成20年11月より、オンサイトとしては世界初となる水素製造時におけるCO2分離回収の実証試験を行っております。その結果、化石燃料からの水素製造では世界最高水準である約80%の製造効率を保ちながら、CO2排出量を従来の約半分に削減することが可能なことを確認いたしました。
 この技術は、既存の都市ガスパイプラインを活用して、CO2の排出を抑えながら水素を製造する実現性の高い技術です。東京ガスは、この技術を活かし、水素の利用拡大による将来の低炭素社会の実現に貢献してまいります。
1.実証試験の内容
 東京ガスは、JHFC千住水素ステーション(東京都荒川区)内にて、燃料電池自動車向け水素ステーション用の高効率水素製造装置の開発実証を行っております。この水素製造装置にCO2分離回収装置を接続し、水素製造時に発生するCO2を分離回収する実証試験を行いました。得られた試験データを分析した結果、CO2分離回収にともなうエネルギー損失を約3%にとどめ、世界最高水準である約80%の水素製造効率を維持しながら、水素製造時のCO2排出量を約半分に削減することが可能なことを確認いたしました。
2.高効率水素製造装置とCO2分離回収装置
 この実証試験では、水素分離型リフォーマーを使用して都市ガスから水素を製造しております。水素分離型リフォーマーは、東京ガスと三菱重工業株式会社(社長:大宮英明)が共同で、平成17年度から平成19年度の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素安全利用等基盤技術開発事業」を通じて開発し、化石燃料からの水素製造プロセスにおいて世界最高効率となる水素製造効率81.4%を達成したものです。水素分離型リフォーマーは、水素製造時に排出される改質オフガス(水素を取り出した後の残りのガス)中に、CO2が70〜90%と高濃度に濃縮されるため、CO2の分離回収が容易であるという特徴があります。
 CO2分離回収装置では、水素分離型リフォーマーから排出される、高濃度のCO2を含んだ改質オフガスを圧縮して冷却することにより、改質オフガス中のCO2を液化し、回収しています。
3.「ローカル水素ネットワーク」への展開
 東京ガスは、この実証試験の成果を「ローカル水素ネットワーク」の構築に活かしてまいります。「ローカル水素ネットワーク」は、CO2を分離・輸送・処理する分散型CCTS(Carbon Dioxide Capture, Transportation and Storage)をともなう水素ステーションを核として、燃料電池自動車への水素充填のほか、周辺エリアの家庭、オフィス、工場等へのパイプラインでの水素供給を行い、高効率な燃料電池等を利用することにより、大幅なCO2削減を実現するものです。
 東京ガスは今後も、低炭素社会の実現に向けて、コージェネレーションシステムによるエネルギーの面的・ネットワーク的利用等により環境優位性のある天然ガスの高度・有効利用を進めるとともに、その普及・拡大に努めてまいります。あわせて、再生可能エネルギーの最大限の導入を目指すとともに、CO2を排出しない水素の将来の利用拡大へ向けた準備を進めてまいります。

実証試験の詳細

■水素分離型リフォーマーについて
水素分離型リフォーマーは、都市ガス(メタン)と水蒸気の化学反応(水蒸気改質反応・一酸化炭素変成反応)によって水素と二酸化炭素を生成し、その反応が起こる改質器内に水素だけを透過する水素透過膜を設置することにより、生成した水素をその場で選択的に取り出す水素製造装置です。
  <主な特徴>
  • 化石燃料からの水素製造プロセスにおいて世界最高効率である80%以上の高効率で水素の製造が可能
  • 改質反応と水素分離を1段のプロセスで同時に行うため設備がシンプルでコンパクト
  • 改質オフガス中のCO2濃度が70〜90%と高いため、CO2の回収が容易
水素分離型リフォーマーについて
■CO2分離回収装置について
水素分離型リフォーマーから排出される70〜90%の高濃度のCO2を含んだ改質オフガスを、CO2液化試験装置に組み込んだ圧縮機で7MPa(70気圧)まで圧縮し、-20℃に冷却します。
これにより、改質オフガス中のCO2を液化し、その他のガスと分離して液化炭酸ガスとして回収します。これは、CO2が温度、圧力の相関により液体、固体(ドライアイス)、気体の三態をとるという特性を利用したものです。
改質オフガス中に含まれるCO2以外のガスは、メタン、水素の混合ガスであり、燃料ガスとして水素分離型リフォーマーの加熱にリサイクルして使用されます。
CO2分離回収装置について
■実証試験データ
  水素分離型リフォーマー
75%出力運転
(単独運転)
水素分離型リフォーマー
75%出力運転+ CO2回収
(実験値より計算)
水素製造量(Nm3/h) 30.6 30.6
水素純度(%) 99.999以上 99.999以上
総合効率(%, HHV) 81.7 78.6
CO2排出量(kg/h) 25.1 12.6
CO2削減率(%) - 50
■実証試験の様子(JHFC千住水素ステーション内)
実証試験の様子
40Nm3/h級水素分離型リフォーマー試験機:幅3.6m×奥行2.6m×高さ2.3m
CO2分離回収試験機:幅2.1m×奥行1.5m×高さ2.3m
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