本文へ フッターメニューへ サイトマップへ
会社情報TOP 会社案内 株主・投資家向け情報 採用情報 取り組み・活動 資材調達 プレスリリース
現在位置:東京ガスサイトTOP > 東京ガスについて > プレスリリース
お問い合わせはこちらへ

都市生活レポート
洗濯物の室内干しの実態と弊害
〜生活者の意識と行動調査より〜

東京ガス株式会社
広  報  部
平成16年4月15日

東京ガス(株)都市生活研究所では、このたび首都圏在住の30代〜60代の既婚女性に、洗濯・乾燥行動と意識、特に室内干しの行動と意識の実態、さらには結露・カビ・ダニの発生状況と予防・対策についてアンケート調査を実施いたしました。
当研究所では、1994年から洗濯・乾燥に関する一連の実態調査を行なってきましたが、その中で洗濯物の室内干しと部屋の湿気、カビ、ダニに関する調査を行い、室内干しのもたらす弊害について情報発信してきました。
健康的で快適な室内環境で暮らすためには、適度な湿度環境を保つことが重要ですが、室内に洗濯物を干すと大量の湿気が発生するために、カビ・ダニの繁殖を促進する要因になり、人間の健康だけでなく住宅そのものにも被害を与えます。
今回の調査では、室内干しの実態と弊害を再度明らかにして、今までの研究成果も踏まえ、新たに問題提起を行うものです。

■ 調査の背景
少子高齢化、家族の小規模化、女性の社会進出の進展とともに、生活者の価値観やライフスタイルが多様化し、昨今では、「洗濯」の周辺でも様々な変化が見られます。すなわち、洗濯機の大型化、浴室暖房乾燥機の普及、洗濯乾燥機の認知・普及、住宅の気密化、排気ガスによる大気汚染、花粉症発症率の増加、清潔志向や環境意識の高まりなどの変化であり、これらが洗濯・乾燥の仕方や意識に影響を与えているのではないかと考え、今回の調査をいたしました。

■ 調査概要
1.アンケート調査
・調査時期:2003年9月
・調査対象:首都圏在住の3060代の既婚女性1800
    当研究所のモニターより、戸建居住者1400人、集合居住者400人を無作為抽出
・有効回答数:1237人(有効回答率68.7%
    戸建居住者954人・集合居住者283
2.グループインタビュー
・調査時期:2003年7
・調査対象:首都圏在住の女性15
      3040代既婚女性       5
      5060代既婚女性       5
      30代一人暮らしの未婚女性   5

■ 主な調査結果
  (年齢や就業形態、家族人数など属性別のデータは、戸建居住者の分析結果)
1.洗濯・乾燥の実態
7s以上の洗濯機所有者が戸建で33.9%(集合34.6%)となり、大型化が進んでいる。
大型化と全自動洗濯機の普及(8割強)で、平日の洗濯機のセット回数が「1回」という人が5割(96年は4割)となり、従来の「分け洗い」は減少。
8割が洗濯を「毎日」する。特に多い属性は3040代、パートタイマー、4人以上の家族。
「雨の日」に洗濯する人は9割で、その4割が普段と同量の洗濯物を洗っている。
「夜」洗濯をよくする人は、全体では1割だがフルタイマーでは42%と多い。
晴れの日は“外に干す”(戸建91.7%、集合96.0%)、曇りは“外干し後室内干し”(戸建44.9%、集合41.0%)、雨の日は“最初から室内干し”(戸建49.1%、集合34.2%)
浴室暖房乾燥機を含めた乾燥機の所有率は、戸建43.6%、集合54.5%。所有率の高い群は40(53.6%)4人家族(48.4%)、5人以上の家族(54.3%)。
一連の洗濯作業は主婦の9割が行っている。夫がよくすることは「取り込む」作業(2割)。
洗濯作業全般に負担を感じる人が多い群は、3040代、フルタイマー、4人以上の家族。
2.室内干しの実態
梅雨に週3回以上室内干しをする人は、戸建で68.7%、集合で60.0%
季節に限らず室内干しの頻度が高い人は、3040代、フルタイマー、4人以上の家族。
梅雨に週3回以上外に干さずに“最初から”室内干しをする人は、戸建で46.2%、集合で40.6%
「洗濯物を部屋に干したくない」と思う人は、戸建で85.0%、集合で89.4%
室内干しに対する主な不満は、「見た目のうっとうしさ」と「からっと乾かない」が7割で、「動くときじゃま」「湿気」「臭い」は約4割である。特に不満が多い群は、3040代、パートタイマー、4人以上の家族。
3.湿気・カビ・ダニの発生の実態と対策、知識
結露の発生率の高い部位は「窓ガラス・窓枠」(戸建86.2%、集合90.7%)、また発生率の高い部屋は「居間」(戸建55.1%、集合68.9%)が最も多く、「寝室」「浴室」と続く。
カビの発生率の高い部位は「窓ガラス・窓枠」(戸建53.7%、集合63.2%)、「水周り」(戸建48.5%、集合46.9%)、また発生率の高い部屋は「浴室」(戸建61.5%、集合56.2%)が最も多く、「洗面・脱衣室」「台所」で約3割ずつ、特に集合で居間や寝室、子ども部屋などの居室で戸建よりカビの発生率が高いことが特徴的である。
結露・カビの発生率が高い属性は、3040代、就業者、4人以上の家族であり、室内干しの頻度が高いという共通した特徴がある。
97%の人がカビ発生に忌避感を持ち予防・処置をするが、住居の傷みへの関心は低い(約4割)
結露やカビの発生条件や、室内干しから大量の湿気が発生することに関する知識を持つ人は2割に満たない。(5sの洗濯物を室内干しすると、約3リットルの水分が室内に出る)
■ 調査のまとめ  〜新たな知見と問題提起〜
1.洗濯・乾燥の一般的なスタイルに大きな変化は認められない。ただし、分け洗いは減少。
7s以上の大型洗濯機の所有者が3割強となり、全自動洗濯機所有者が8割を超えたが、「毎日洗濯して、外に干す」という生活習慣は変わっていない。普段の洗濯を「朝9時まで」に行う人がほとんどで、依然として「洗濯は主婦の仕事」として行われている。
2.室内干しの頻度は増加したとはいえない。また約9割が「室内干しをしたくない」と思っている。
3.室内干し頻度が高く、結露・カビの発生率の高い2つのグループが認められた。
(1)     洗濯物の“量”による負荷が大きい群
3040代、4人以上の家族、パートタイマーで、これらの属性の人々は、洗濯物の量が多い、洗濯頻度が高い、毎日洗濯する、雨でも洗濯する、急ぎの洗濯を夜に行う、洗濯に負担感を持つ、室内干しの頻度が高く室内干しに対する不満が大きい、という共通の特徴がある。これらの特徴と属性からこのグループは子育て期の人々と見ることができる。
 (2)洗濯作業に向ける“時間的資源”の少ない群
フルタイマーで、普段の洗濯を夜行う、雨でも普段どおりの量を洗濯する、休日にまとめ洗いをする、洗濯に対する負担感を持つ、季節に関わらず室内干しの頻度が高い、最初から室内干しを「日常的に」行う、という特徴がある。

以上の2つの群は、結露・カビの発生率が高いため湿気対策が必要でありながら、専業主婦で家族人数が少ない傾向の5060代の群と比べて、湿気対策には消極的で、ダニやカビの発生条件や室内干しから放出される湿気について知識を持つ人も少ないという問題が本調査から明らかになった。
この2つの群に対し、湿気対策の行動を起こさせる強い動機付けが、外から働きかけられることが必要であると考える。

4.生活から放出される湿気とカビ・ダニの発生に関する知識の充実
快適で健康な住環境を確保するためには、室内干しをはじめとして、生活の中で大量の湿気を発生させ、それが結露やカビ・ダニの発生を招いていることや、そのためには適切な対策が必要なことなど、基本的な知識や情報を得ることが大切であると考える。


 

この件に関するお問合せはこちらへ
はじめへ
[ プレスリリース一覧に戻る ] | [ ひとつ前に戻る ]