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重要なお知らせ
平成29年11月17日

「空気抜き孔付き機器接続ガス栓」の自主的な交換作業における
不正な作業の調査結果について

東京ガス株式会社


東京ガス株式会社は、同ガス栓の交換作業の委託先においてガス漏れ検査を省略し報告書を偽装する不正や、他の場所で行った検査の記録用紙を転用する不正について、10月31日に経済産業省から厳重注意を受けるとともに、同作業を実施した全件における不正の点検結果の報告と公表や、不正な件名についての健全性の確認などの指示を受けました。なお、弊社は、同日、本件について公表※1しております。
その後、弊社は、経済産業省からの指示に基づき、同作業を実施した全件(約17万件)における不正な作業の有無を調査したところ、新たにガス漏れ検査を省略した事例は確認されなかったものの委託先6社で11名の作業員が記録用紙を転用する不正を合計23件行っていたことが判明いたしました。なお、これまで不正が判明した件名についてお客さま宅を巡回し健全性を調査したところ、安全上問題のないことを確認しております。
これを踏まえ、弊社は、本日、経済産業省に、調査ならびに健全性の確認結果および原因と再発防止策の概要を報告いたしました。
弊社といたしましては、お客さまに大変ご迷惑をおかけしましたことを心からお詫び申し上げます。このような事態が生じましたことを極めて重く受け止めており、今後、弊社と委託先の連携を強化し、再発の防止に努めてまいります。

※1… 2017年10月31日の公表件名「『空気抜き孔付き機器接続ガス栓』の自主的な交換作業における不正な作業ならびに経済産業省からの指導について

1. 不正な作業の調査結果について

(1)調査方法

これまでに同作業を行った171,768件について、作業報告書に貼付されている気密試験結果記録用紙の実施日時や測定データ、測定器ID等を照合し、同じ記録用紙が使用されていないか確認し異常が見つかった件名については、担当した作業員に事情を確認いたしました。
また、これまでに同作業を担当した作業員911名に対し、委託先を通じ、不正の実施の有無について確認いたしました。
なお、弊社の保安規程では、ガス栓を交換する際のガス漏れ検査では、a.作業後に「圧力保持による気密試験」を行うか、b.作業後に「ガス検知器による漏えい検査」を行い、作業結果を確認することを求めております。このたびの調査では、①作業後に記録が残る「圧力保持による気密試験」を行っていない、②実際行った作業結果記録を確認できない、のいずれかに当てはまるものを不正といたしました。

(2)調査結果

①「圧力保持による気密試験」を行っていない事例(ガス漏れ検査の省略)
「圧力保持による気密試験」を行っていない事例は、新たには確認されませんでした。

②実際行った作業結果記録を確認できない事例(記録用紙の転用)
委託先6社(弊社販売店である東京ガスライフバル)にて11名の作業員が、合計23件の交換作業において、他の場所のガス漏れ検査の記録用紙を転用し、作業結果を確認することができませんでした。具体的には、3社の3名の作業員が気密試験器の充電不足等により代用機器で気密試験を実施し、他の場所で印刷した記録用紙を転用したものが合計12件(事象①)、4社の7名の作業員が記録用紙の扱いを軽視したことにより、複数枚印刷し整理も不十分だったことから他の報告書へ貼付してしまったものが合計10件(事象②)、1社の1名の作業員がガス機器の設置作業とガス栓の交換作業を同時に実施したお客さま宅で2枚の記録用紙を印刷し、そのうち1枚を誤って他の件名の報告書に貼付したものが1件(事象③)ありました。

以上から、これまで交換作業を行った全件(約17万件)において、委託先7社の14名の作業員が、111件の不正を実施しておりました。なお、不正の内訳としては、ガス漏れ検査の省略と報告書の偽装が1名による86件、記録用紙の転用が13名による25件です。

※従前の調査では、委託先1社において、1名がガス漏れ検査の省略と報告書の偽装を86件行い、2名が報告書に貼付する検査の記録用紙の転用を2件行っておりました。

2. 交換作業を行った件名の健全性について

弊社では、不正と認定した111件について、お客さま宅を訪問し、圧力保持による気密試験等を実施し、健全性を確認いたしましたが、安全上問題のある件名はありませんでした。

※なお、前回公表したガス漏れ検査を省略した作業員の実施した不正以外の件名についても全て健全性の確認をし、安全上問題はありませんでした。

なお、全件(約17万件)のお客さまに対しましては、安全の確保に向け以下の取組を実施してまいります。

(1)ダイレクトメールによるガスご使用時のお願い

全件のお客さまに対し、本件に関する相談窓口や、万一、ガス漏れが発生した場合の連絡先をお知らせするダイレクトメールを11月20日から順次発送いたします。

(2)検針時のガスメーターの確認の徹底

弊社では、毎月のガスの検針時にガスメーターを確認し、「微小もれ疑い警報※2」などが発報していないか調査しており、12月末までガスメーターの発報確認作業を確実に行うよう徹底いたします。万一、警報を確認した場合は速やかにお客さまに連絡し、ガスの連続使用の状況を確認するとともに、必要に応じお客さま宅を訪問し安全性の調査を行います。

※2…微小もれ疑い警報は、ガス機器の継続使用も含め微量なガス流量が30日間以上連続した場合に、微小もれの疑いがあるとして、メーターに警報表示し、また、検針員が訪問しない通信接続サービスをご利用の場合は弊社の24時間監視センターに通報する機能です。

(3)架電によるガスご使用時のお願い

ガス栓の交換作業から30日に満たない場合には「微小もれ疑い警報」が発報されないことから、10月以降に交換作業を行ったお客さま(約2万件)に対し、速やかに電話連絡し、本件に関する相談窓口や、万一、ガス漏れが発生した場合の連絡先をお知らせいたします。

<本件に関する相談窓口>

  • フリーダイヤル 0120-526-900
  • 受付時間 月~金曜日:9時~19時・土曜日:9時~17時(日曜・祝・年末年始除く)

3. 原因究明について

(1)弊社における要因

  • 弊社が作業マニュアルを作成する段階で、委託先の実態把握が十分でなく、たとえば他業務の訪問機会での交換作業の実施などを想定した内容となっておりませんでした。
  • 安全志向から作業実施の証拠資料を多く求めており処理が煩雑になっていました。
  • 弊社が作成した作業報告書が不正防止に十分に配慮した設計となっておらず、また、作業報告書をチェックする際も偽装などの不正発見の意識が希薄でした。
  • 作業員が想定していない状況に直面した際の相談窓口を弊社内に設けておりましたが、周知が不十分だったため、活用されないケースがありました。

(2)委託先における要因

  • 発生状況や不正を行った作業員へのヒヤリングから、当該の作業員にはお客さま宅における作業とは異なり、その後の報告を重視していない傾向が共通してあったものと考えております。
  • マニュアルを共有しないままお客さま宅の作業のみの指導に留まっている委託先が一部ありました。
  • 交換作業の早期完了の思いから、有資格者ではあるものの普段からガス栓取付作業を担当していない作業員を配置している傾向がありました。
  • なお、ガス漏れ検査を省略した作業員には本人の力量からすると負担感のある件数が分担されていたことや上司に相談しなかったことも不正の要因と考えております。また、当該の作業員の所属する委託先内では、作業品質管理の観点で作業報告書を確認しておりませんでした。

4. 再発防止策について

(1)委託先の作業実態や関係法令を踏まえたマニュアルの改善

作業員と意見交換する機会を設け、作業上の様々な問題点等を把握したことを踏まえ、本年11月末を目途にマニュアルを作業実態に合わせた内容に改善するとともに、関係法令についての明文化、作業報告書の作成ルールの明確化なども実施します。また、弊社における検収チェックマニュアルも併せて作成し、不正防止を図ってまいります。

(2)法令遵守の観点も含めたマニュアル説明会の実施

弊社が、ガス栓交換作業に携わる全ての作業員を対象に、改善したマニュアルを用い、法令遵守の観点も含め基本作業を徹底するよう、来年1月末までに説明してまいります。また、作業員から直接、弊社相談窓口への連絡を促す周知も行ってまいります。

(3)委託先における教育の推奨

お客さま宅での作業の具体的な指導など、委託先における弊社員による教育を推奨・実施いたします。

(4)作業品質管理の強化

本作業の経験が少ない作業員を中心に、抽出した件名について弊社員が同行して作業品質を確認いたします。また、圧力保持による気密試験の作業時間や位置情報等の記録を残すことができる次世代型の気密試験器の台数を増やしてまいります。

なお、再発防止策等を11月末までに経済産業省へ報告の上、今後、交換する約28万件のガス栓の交換作業についての再発防止の具体的な取り組みを行います。その後、2018年2月頃から、作業を再開したいと考えております。

5. 処分について

ガス漏れ検査を省略し報告書を偽装した作業員が所属する東京ガスライフバルTAKEUCHI(株)に対し、2カ月間の当該業務の取引停止といたします。
なお、弊社内ならびに不正のあった委託先について、不正との関係性を処分の観点から精査し厳正に対処いたします。

新たに不正が判明した作業員数と件数

委託先 ライフバル名 担当地域 不正に
係った
作業員数
不正の内訳
検査省略と偽装 転用
東京ガスリビング
ライン(株)
東京ガスライフバル東江東 東京都江東区の一部 2名 0件 2件(事象②)
東京ガスライフバル川崎 神奈川県川崎市川崎区、幸区 2名 0件 3件(事象②)
東京ガスライフバル
西大田(株)
東京ガスライフバル西大田 東京都大田区の一部 2名 0件 2件
(事象①、事象③)
東京ガスST
コミュネット(株)
東京ガスライフバル新宿 東京都新宿区 1名 0件 1件(事象①)
東京ガス
エスネット(株)
東京ガスライフバル川崎北 神奈川県川崎市麻生区、多摩区、宮前区 1名 0件 1件(事象②)
東京ガスエコモ(株) 東京ガスライフバル横浜戸塚 神奈川県横浜市戸塚区、栄区、泉区 1名 0件 3件(事象②)
東京ガスイズミ
エナジー(株)
東京ガスライフバル八王子 東京都八王子市 1名 0件 10件(事象①)
東京ガスライフバル西東京 東京都西東京市、東久留米市、清瀬市 1名 0件 1件(事象②)
- - 11名 0件 23件
事象①: 気密試験器の充電不足等により代用機器で気密試験を実施し、他の場所で複数の記録用紙を印刷し転用した
事象②: 記録用紙の扱いを軽視したことにより、複数枚印刷し整理も不十分だったことから他の報告書へ貼付してしまった
事象③: ガス機器の設置作業とガス栓の交換作業を同時に実施したお客さま宅で2枚の記録用紙を印刷し、そのうち1枚を誤って他の件名の報告書に貼付した
※従前の調査では、委託先1社において、1名がガス漏れ検査の省略と報告書の偽装を86件行い、2名が報告書に貼付する検査の記録用紙の転用を2件行っておりました。

以上から、これまで交換作業を行った全件(約17万件)において、委託先7社の14名の作業員が、111件の不正を実施しておりました。なお、不正の内訳としては、ガス漏れ検査の省略と報告書の偽装が1名による86件、記録用紙の転用が13名による25件です。

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