東京ガス株式会社(社長:広瀬 道明、以下「東京ガス」)とパナソニック株式会社(社長:津賀 一宏、以下「パナソニック」)は、家庭用燃料電池「エネファーム」(以下「エネファーム」)の戸建て向け新製品を共同で開発しました※1。パナソニックは、「燃料電池ユニット」を製造し、「貯湯ユニット」および「バックアップ熱源機」と組み合わせて東京ガスに供給し、東京ガスは、2017年4月1日(土)から新製品を発売します。新製品は、戸建て向けとしては、東京ガスとパナソニックが共同開発して一般販売する5機種目の製品となります。
新製品は、部品点数の削減などにより、日本で初めて希望小売価格で150万円を下回り、1,498,000円を実現しました(希望小売価格、税別、設置工事費別、停電時発電継続機能※2なしの燃料電池ユニット、標準タイプのバックアップ熱源機の場合)。
また、非常時に役立つ機能(以下「レジリエンス機能」)を強化しました。現行品同様ラインナップとして用意した、停電時発電継続機能を内蔵した機種(以下「レジリエンスモデル※3」)については、停電時の発電継続期間を最長約8日間(現行品は最長約4日間)に延長するとともに、停電時にエネファームが停止していても、市販の蓄電池や発電機等※4のAC100V電源を用いて起動できるようにしました。
さらに、新製品は、IoT化への対応としてインターネットに接続できる仕様となっており、東京ガスが2017年8月から提供開始予定の「ネットワーク接続サービス※5」を利用することで、スマートフォンアプリを使用して、外出先からお風呂や床暖房、発電のON/OFF操作や、エネルギーの使用状況の把握等ができるようにしました。
東京ガスは、2009年5月に世界で初めてエネファームの一般販売を開始し、2016年12月末までに累計販売台数約74,000台を達成しました。
パナソニックは、2016年12月末までに、全国で累計約96,000台を出荷しています。
両社は、今回の製品でさらなる販売の拡大を目指す※6とともに、エネファームの普及を通じて、お客さまの快適な暮らしと地球環境の保全、電力ピークカットなどに貢献してまいります。
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本製品の外観 |
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一体型※7 |
別置型※7 |
※1 |
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開発にあたっては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果得られた成果を一部活用しています。 |
※2 |
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停電発生時点でエネファームが発電している場合には、500W以下の電力を最長約8日間(192時間)、停電時専用コンセントを通じて電気スタンド、テレビ、携帯電話の充電などに利用することが可能となり、停電時に給湯や床暖房を使用することもできます。 |
※3 |
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燃料電池ユニットは、現行品同様、停電時発電継続機能を内蔵した機種(レジリエンスモデル)とその機能を省略した機種(以下「一般モデル」)の2種類を用意しています。 |
※4 |
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すべての市販の蓄電池、発電機での起動を保証するものではありません。なお、起動には、<電圧AC101V±6V、電力1kW以上、容量500Wh以上>等の条件を満たすことが必要です。 |
※5 |
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詳細は別紙をご参照下さい。 |
※6 |
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パナソニックは東京ガス以外の都市ガス会社やLPガス事業者にも新製品を供給し、各都市ガス会社・LPガス事業者が2017年4月1日以降、順次発売する予定です。 |
※7 |
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現行品同様、「バックアップ熱源機」を「貯湯ユニット」に内蔵しコンパクトに設置できる一体型と、「バックアップ熱源機」を「貯湯ユニット」から分離し様々な形状の敷地に設置できる別置型の、2種類の貯湯ユニットを用意しています。 |
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新製品の主な特長 |
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1. 価格低減を実現 |
新製品は、システムの簡素化などにより部品点数を現行品と比較して約20%削減したことや、主要デバイスである発電を行うスタックの構成や燃料処理器の触媒の見直しなどにより、希望小売価格で1,498,000円を実現しました(税別、設置工事費別、停電時発電継続機能なしの燃料電池ユニット、標準タイプのバックアップ熱源機の場合)。希望小売価格で150万円を下回るのは、日本で初めてとなります。
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2. レジリエンス機能を強化 |
レジリエンスモデルは、停電時に電気を使いたいというニーズに従来以上に対応しやすくするため、スタックの連続発電性能を向上させることで、現行品の約2倍の最長約8日間(192時間)、継続して発電できるようにしました※8。また、現行品は、エネファームが発電していないときに停電が起きた場合、別付タイプの自立起動用オプション品で起動させる必要がありました。このたび発売するレジリエンスモデルでは、起動時に必要な電流耐性の見直しなどにより、停電中にエネファームが停止していた場合でも、市販の蓄電池や発電機等のAC100V電源でエネファームを起動できるようにしました※9。
また、断水時にエネファームの貯湯ユニット内のタンクに貯まった水を雑用水※10として利用しやすくするため、エネファームの水抜き栓の改良等を行い、約140Lのタンクの水を全て利用する場合、現行品で最大約200分かかっていた水抜き時間を、新製品では約30分に短縮し、操作性を向上させました※11。
※8 |
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停電時にエネファームを発電させるには、都市ガスと水道が供給状態であることが必要です。 |
※9 |
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新製品は、レジリエンスモデル、一般モデルともに、これまで提供していた別付タイプの停電時発電機能オプション品には、対応していません。 |
※10 |
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水洗トイレ用水等、飲料目的以外の水としてご利用いただけます。 |
※11 |
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レジリエンスモデルだけではなく、一般モデルも対象となります。 |
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3. IoT化に対応 |
新製品は、LANケーブルを介してインターネットにつながることで、東京ガスが2017年8月から提供予定の「ネットワーク接続サービス※5」を活用できるようにしました※12。これにより、スマートフォンアプリを使用して、外出先からお風呂や床暖房、発電のON/OFF操作等が可能になります。また、エネファームで計測した電気やガス、お湯の使用量や光熱費等※13を、手軽に分かりやすく把握することもできます。
さらに、新製品はインターネット回線を通じて、遠隔からエネファームのソフトウェアを最新バージョンにアップデートしたり、万一の故障の際にメンテナンススタッフが遠隔からも機器の状態を確認できるようになるため、より安心してお使いいただけます。
なお、「ネットワーク接続サービス」は別途お申し込みが必要で、東京ガスとの都市ガス供給契約を締結しているお客さまを対象に、2020年3月まで無料※14で提供させていただきます。
※12 |
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エネファームから宅内までのLAN配線工事、およびインターネット環境のご準備等が必要となります。 |
※13 |
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アプリに表示している使用量および光熱費は、エネファームを通じて計測した電気・ガス・お湯(水道)の各使用量および、当該使用量にアプリ内で設定された単価を乗じることで得られる概算の代金相当額であり、お客さまの住居等における電気・ガス・水道の使用量の全量および実際の電気・ガス・水道代金とは異なります。 |
※14 |
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自動的に有償契約に移行する事はありません。 |
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4. 発電時間の長期化 |
主要デバイスであるスタックと燃料処理器の耐久性を見直すことで、燃料電池ユニットの発電耐久時間を従来の7万時間から9万時間に延ばし、より安心して長くお使いいただけるようになりました。また、現行品では、エネファームの性能を保つため、1回の連続発電時間を最大22時間に制限していましたが、スタックの耐久性を向上させたことにより、最大120時間に延ばすことができました。
また、起動回数も、従来は1日に1回しか起動できませんでしたが、運転方法の改良等により、1日2回の発電※15が可能になりました。これらの改善により、少しでも長く発電したいというお客さまのニーズにお応えするとともに、お客さまの生活スタイルに合わせた、きめ細やかな発電・停止が可能になりました。
※15 |
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発電モード「手動発電」、「貯湯量発電」では、所定回数内に限り、1日で2回の発電が可能。 |
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5. 設置性を向上し、バリエーションを充実 |
施工方法等の工夫や、メンテナンスの際に必要なスペースの見直しにより、現行品と比較して奥行きを150mm削減した600mmのスペースがあれば、一定の条件※16を満たした住宅にエネファームを設置できるようにしました。また、施工性を向上するため、燃料電池ユニットを現行品と比較して約15%軽量化しました。
さらに、現行品同様ラインナップとして用意した一体型については、意匠のバリエーションを増やすために、エネファーム本体前面に取り付けるルーバーパネル(二色展開)も、別売品として発売します※17。
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ルーバーパネル(ビターグレイン) |
ルーバーパネル(ライトバーチ) |
※16 |
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奥行き600mmの設置スペースの条件
(1)一体型、または、別置型の場合はスリムタイプのバックアップ熱源機採用の場合。
(2)設置時に、燃料電池・貯湯両ユニット間に位置する施工者(片側が壁で有る場合は壁・ユニット間に位置する施工者)が出入りする事が可能であること。
(3)メンテナンス時に、燃料電池・貯湯両ユニットのメンテナンス面への出入りが可能であること。
(4)メンテナンス面正面に、メンテナンススペースが800~900mmあること。 |
※17 |
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一体型の標準設置のみの対応となります。(反転設置や排気カバー取付品には対応できません。) |
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エネファームについて |
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「エネファーム」は都市ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気は家庭内で利用します。その際に出る熱も給湯に利用します。電気をつくる場所と使う場所が同じであるため送電ロスがなく、また発電時に出る熱を無駄なく活用できる環境に大変やさしいシステムです。火力発電所からの電気と都市ガス給湯器からの給湯を行う方式と比べ、定格運転時にCO2排出量を約47%削減、一次エネルギー消費量を約37%削減できます※18。また、年間の光熱費を約6万円節約、年間のCO2排出量を約1.3トン削減できます※19。
※18 |
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一時間の定格運転時の発電量(0.70kWh)と熱回収量(1.01kWh/約35L・40℃)を、従来の火力発電所からの電気と、都市ガス給湯器からの給湯を行う方式でまかなった場合との比較です。 |
※19 |
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試算条件は、下記のとおりです。
●戸建(延床面積 120m2)4人家族を想定。●年間負荷/給湯:16.6GJ、風呂保温:1.3GJ、調理:2.2GJ、冷房:6.4GJ、床暖房:12.7GJ、エアコン暖房:5.5GJ、照明他:12.5GJ。●CO2換算値/都市ガス:2.29kg-CO2/m3、電気:0.65kg-CO2/kWh。●一次エネルギー換算値/電気:9.76MJ/kWh、ガス:45MJ/m3。●ガス料金/従来システム:「暖らんぷらん」適用、エネファーム:「エネファームで発電エコぷらん」適用。●電気料金/従来システム、エネファームともに従量電灯B適用、契約アンペア40A。●ガス料金・電気料金は平成28年9月時点単価(原料・燃料費調整含む) |
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仕様概要 |
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