(1)ソーラー吸収冷温水機の採用
太陽熱を有効に冷房利用するために、太陽熱利用のために専用設計されたソーラー吸収冷温水機を採用します。ソーラー吸収冷温水機は、コージェネレーションシステムの廃熱を利用するジェネリンク※5よりも、冷房時における太陽熱の利用量で5%から10%の増加が見込めます。
(2)高効率の真空ガラス管形集熱器の採用
ソーラー吸収冷温水機を用いて太陽熱を冷房に利用する場合は、家庭用および業務用で給湯に利用される太陽熱よりも高温の温水が必要となります。東京ガスとENACは、高い効率で高温の温水を取り出すことができる真空ガラス管形集熱器に着目し、ヨーロッパで実績のあるドイツの技術を活用した効率とコストを両立する集熱器を採用しました。本集熱器の効率は53%※6であり、世界の中でもトップレベル※7にあります。
(3)省エネルギーを実現するソーラークーリング制御盤の開発
ソーラークーリングシステム専用の制御盤を開発しました。日射とソーラー吸収冷温水機の状態を監視し、ソーラー吸収冷温水機で利用可能な温度に達したときだけ集熱ポンプを運転させる制御方法により、搬送動力の低減を実現します。さらに本制御盤は、空調利用だけではなく、給湯利用やコージェネレーションシステムの廃熱を活用する組み合せなど、多機能対応が可能となっています。
(4)システムを最適化するエンジニアリング技術
太陽熱を最大限利用するために、下記のエンジニアリング技術を駆使してまいります。
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放熱の要因となる蓄熱タンクを保有せず、年間を通して集めた熱を有効に利用します。
- 集熱性能ならびに設置コストを考えた最適な集熱器の設置方法(傾斜角度、配列)を選定します。
- 配管施工コスト、集熱器内部の圧力損失、ソーラー吸収冷温水機での熱利用可能な温度差等の条件から、ソーラー温水流量と集熱器の連結枚数を最適化します。
- 各集熱器に均一にソーラー温水が流れる配管回路を構築します。
- 集熱器とソーラー吸収冷温水機を循環する配管系等を密閉回路として腐食防止することにより、システムを長期に渡って安定して運用します。
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