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プレスリリース

msb Tamachi(ムスブ田町)において、
田町スマートエネルギーセンター第二プラントを竣工し、熱と電気の供給を開始
~二つのスマートエネルギーネットワーク連携によるエネルギー需給の最適化へ~

東京ガス株式会社
東京ガスエンジニアリングソリューションズ
平成30年5月8日

 

東京ガス株式会社(社長:内田 高史、以下「東京ガス」)と東京ガスの100%出資子会社である東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(社長:髙木 信以智、以下「TGES」)は、このたび、地域開発サービス(不動産)事業の一環として取り組んでいる、JR田町駅東口に直結する東京ガス所有地msb Tamachi「新たな都市の拠点ゾーン(西側エリア)」において、「田町スマートエネルギーセンター第二プラント」(以下「本センター」)を竣工し、5月1日より熱と電気の供給を開始しました。

東京ガスとTGESは、本センターを中心に、オフィス、商業施設、ホテル等への熱と電気の供給網を結び、エネルギーに関連する情報のネットワークと連携させることで、熱源機器、ガスコージェネレーション等を高効率に運転し、熱と電気を効率的に供給するスマートエネルギーネットワーク※1を構築しました。今後、2014年に竣工した「暮らしの拠点ゾーン(東側エリア)」における既存のスマートエネルギーネットワークと連携させ、それぞれのエリアに導入された再生可能エネルギー、ガスコージェネレーション、空調熱源等を、SENEMS※2の活用により制御し、熱の相互融通※3を行うことで、田町駅東口北地区全体のエネルギー需給の最適化を実現し、1990年基準と比べて地区全体のCO2排出量約45%の削減※456を目指します。また、非常時においても相互に熱を融通することを通じてバックアップ体制を構築し、エネルギーセキュリティの向上を実現し、災害に強いまちづくりに貢献します。

なお、複数のスマートエネルギーネットワークを連携させる取り組みは、日本で初めてであり、スマートエネルギーネットワークにおける設備導入※5、運営はTGESが実施します。

東京ガスとTGESは「GPS2020」で掲げた、先進的かつ魅力的な街づくりと賃貸事業の実現に向け、スマートエネルギーネットワークやBCP強化を進め、地域へ貢献していきます。

※1: ガスコージェネレーションと再生可能エネルギーや未利用エネルギーを組み合わせ、これを情報通信技術(ICT)により最適に制御し、効率良く熱・電気を供給することで、省エネルギーとCO2削減を実現するシステム。
※2: スマートエネルギーネットワーク・エネルギーマネジメントシステム。
※3: 熱融通は2020年より開始予定。
※4: 1990年当時に同様の施設整備を行い、エネルギー供給は集中プラント方式を採用し、再生可能エネルギー等は利用しない場合のCO2排出量との比較。CO2排出係数はガスコージェネレーションにより削減される系統電力の係数として0.69kg-CO2/kWhを使用。
※5: 国土交通省「平成27年度(第1回)サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」の採択を受けました。
※6: 東京都「平成25年オフィスビル等事業所の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業」採択を受けました。

田町駅東口北地区におけるスマートエネルギーネットワークのイメージ


[新たな都市の拠点ゾーン(西側エリア)]・[暮らしの拠点ゾーン(東側エリア)]

msb Tamachiにおけるスマートエネルギーネットワークの概要

(1)二つのスマートエネルギーネットワークの連携

  • msb Tamachi「新たな都市の拠点ゾーン(西側エリア)」において、新たに構築するスマートエネルギーネットワークと、隣接する「暮らしの拠点ゾーン(東側エリア)」において2014年10月に構築した既存のスマートエネルギーネットワークを、両エリア間に熱融通配管等を構築することで連携し、熱の相互融通を行います。SENEMSを活用し、規模や機能、開発時期等の異なる田町駅東口北地区全体でエネルギー需給を最適に制御することにより、2005年基準と比べて対象エリア全体のCO2排出量約30%の削減を目指すとともに、両スマートエネルギーセンターの省力化を実現します。
  • また、非常時には地域の防災拠点となる港区の公共公益施設「みなとパーク芝浦」を有する「暮らしの拠点ゾーン(東側エリア)」において、必要な熱が万が一不足した場合、「新たな都市の拠点ゾーン(西側エリア)」から熱を融通できるようになります。「新たな都市の拠点ゾーン(西側エリア)」において、必要な熱が万が一不足した場合も、同様に「暮らしの拠点ゾーン(東側エリア)」から熱を融通できるようになります。このように、相互に熱を融通することを通じて、田町駅東口北地区全体のエネルギーセキュリティ向上を実現し、安心で災害に強いまちづくりに貢献します。

(2)ガスコージェネレーションの導入や再生可能エネルギーの積極的な活用

  • クラス最高効率の大型ガスコージェネレーションを導入します。
  • 太陽熱を夏は冷房、冬は暖房に活用します。大規模な太陽熱集熱パネルを歩行者デッキの屋根面に設置することで、来訪者への「見える化」を行います。

(3)ガスコージェネレーションの活用等による「新たな都市の拠点ゾーン(西側エリア)」におけるエネルギーセキュリティの向上

  • 停電対応タイプのガスコージェネレーションを活用することで、停電等の非常時にも中圧ガス供給が継続する限り、msb Tamachiの施設で停電時に必要な100%の熱や電気負荷に対する供給を一定期間継続することにより、エネルギーセキュリティの向上を実現します。

(4)情報通信技術(ICT)を活用した建物利用者と本センターとの連携、最適制御

  • 建物の需要情報や本センターの供給情報、気象状況といった膨大な外部情報等を瞬時に収集・分析し、人には難しいリアルタイム熱負荷予測を見越してのコントロールを実施することで、地域全体のエネルギー需給を一括管理・制御するシステム「SENEMS」を活用します。本センターから需要側建物の空調設備の設定温度の変更や、供給側熱源設備の供給温度や圧力、運転状態を設定するなど、常時最適な需給調整を実施することで、田町駅東口北地区全体の省エネ・省CO2を実現します。

主要設備概要

主要設備 設備能力
ガスコージェネレーション ガスエンジン:1,000kW×5台(停電対応機種)
太陽熱集熱パネル 82m2(空調利用)
排熱投入型蒸気吸収冷凍機 1,400RT×2台
ターボ冷凍機 1,050RT×2台
蒸気吸収冷凍機 1,050RT×2台
貫流ボイラ 3t/h×8台

以上

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