東京ガス株式会社(社長:広瀬 道明、以下「東京ガス」)の100%出資子会社である東京エルエヌジータンカー株式会社(社長:山川 浩之、以下「TLT」)は、本日、ジャパン マリンユナイテッド株式会社(社長:三島 愼次郎、以下「JMU」)の三重県津事業所において、株式会社商船三井(社長:池田 潤一郎、以下「商船三井」)と共有する新造LNG船(保有比率:TLT10%、商船三井90%、以下「本船」)の命名式を行いました。
船名は「エネルギーリバティ」。
リバティには「自由」という意味があります。本船は主として米国コーブポイントプロジェクトからのLNG輸送に活用する予定です。米国の象徴である自由の女神をイメージして、また本船が大海を自由に航海するように、エネルギー自由化が進展する状況下を自由に渡り歩けるようにという期待をこめて命名されました。
本船は、国産技術である自立角型タンク方式(以下、「SPB方式※1」)を採用し、拡張後のパナマ運河を通峡可能な船型となっています。SPB方式は、株式会社IHI(社長:満岡 次郎)とJMUが開発したもので、タンクの大部分が船体内部に効率良く収まる構造でタンク形状にも自由度があるため、低抵抗船型を可能とし低燃費での航行が実現できます。
LNG船にSPB方式が採用されるのは25年ぶり(竣工年ベース)となり、TLTがSPB方式を採用することも初めてとなります。なお、本船のタンク総容量165,000m3はSPB方式のLNG船として世界最大です。
また、米国沿岸における環境規制※2に対応するため、低硫黄油も使用可能な三元燃料ディーゼル機関電気推進方式※3(TFDE:Tri Fuel Diesel Electric)と、ボイルオフ率※4を世界最小(0.08%/日)にするタンク防熱仕様を採用することにより、優れた燃費性能と環境負荷の低減を実現しました。
本船は、TLTが保有・管理する8隻目のLNG船となり、船舶管理は20年間の傭船契約に基づき、商船三井が実施します。
東京ガスグループは、自社LNG船を主体的に保有・運航管理することで、調達先のさらなる多様化・拡大を進め、原料価格の低減を図ってまいります。
※1: |
Self-supporting Prismatic-shape IMO type Bの略 |
※2: |
米国沿岸の沖合200海里までの海域における、船舶からの排気ガスに含まれる硫黄酸化物(SOx)の排出規制 |
※3: |
低硫黄油(軽油)、重油およびガスを燃料としてディーゼル機関により発電し、電気モーターによりプロペラに推進力を伝えるシステム |
※4: |
航行中にカーゴタンク内で自然気化する天然ガスの割合 |
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エネルギーリバティ概要 |
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全長 |
: |
299.9メートル |
幅 |
: |
48.90メートル |
総トン数 |
: |
122,800トン |
LNGタンク |
: |
SPBタンク方式 |
タンク容量 |
: |
165,000m3 |
主機関 |
: |
三元燃料ディーゼル機関電気推進方式 |
航海速力 |
: |
19.5ノット |
就航 |
: |
2018年3月(予定) |
 左より、JMU 三島社長、JMU 三島社長ご令室、TLT 山川社長、
東京ガス 広瀬社長、東京ガス 広瀬社長ご令室、商船三井 池田社長ご令室、商船三井 池田社長
 命名式で命名宣言を行う広瀬社長
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(参考1)東京エルエヌジータンカー株式会社の概要 |
(1)商号 |
: |
東京エルエヌジータンカー株式会社 |
(2)設立年月日 |
: |
1991年3月5日 |
(3)本店所在地 |
: |
東京都港区海岸1-5-20 |
(4)取締役社長 |
: |
山川 浩之 |
(5)事業内容 |
: |
船舶の保有、船舶貸渡業、LNGおよびLPGの海上輸送、海事関連の調査等 |
(6)資本金 |
: |
12億円 |
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(参考2)東京エルエヌジータンカー株式会社の保有・管理LNG船 |
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船名 |
タンク容量 (m3) |
種別 |
竣工 (予定) |
東京エルエヌジータンカーの保有比率 |
対象LNGプロジェクト |
自社管理船 |
エルエヌジーヴェスタ |
127,000 |
モス型 |
1994.6 |
35% |
オーストラリア拡張
マレーシア第1,3
ダーウィン
サハリン2
ゴーゴン
プルート他 |
エネルギー フロンティア |
147,000 |
モス型 |
2003.9 |
100% |
エネルギー アドバンス |
147,000 |
モス型 |
2005.3 |
90% |
エネルギー プログレス |
147,000 |
モス型 |
2006.11 |
0% |
エネルギー ナビゲーター |
147,000 |
モス型 |
2008.6 |
70% |
エネルギー コンフィデンス |
155,000 |
モス型 |
2009.5 |
70% |
エネルギー ホライズン |
177,000 |
モス型 |
2011.9 |
10% |
エネルギーリバティ (本船) |
165,000 |
SPB |
2018.3 (予定) |
10% |
コーブポイント他 |
第三者傭船 |
エルエヌジーフローラ |
127,000 |
モス型 |
1993.3 |
10% |
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ネプチューン (再ガス化装置付) |
145,000 |
メンブレン型 |
2009.11 |
1.5% |
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GDF スエズ ケープ アン (再ガス化装置付) |
145,000 |
メンブレン型 |
2010.6 |
1.5% |
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以上
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