東京ガスTOP > 企業情報 > プレスリリース > 2015年度プレスリリース
プレスリリース
お問い合わせはこちらへ

都市生活レポート「入浴習慣が心身に与える影響~全身浴のすすめ~」を発行

東京ガス株式会社
平成28年2月15日
広報部

 

東京ガス株式会社(社長:広瀬 道明、以下「東京ガス」)都市生活研究所は、このたび都市生活レポート「入浴習慣が心身に与える影響~全身浴のすすめ~」を発行しました。

東京ガス都市生活研究所は、1986年に社内シンクタンクとして設立されて以来、生活者の立場から食生活や入浴、家事、室内環境など、エネルギー利用に関わる暮らしのあり方を考え、提言することを目的に研究を行っています。

日本人はお風呂好きといわれていますが、近年はシャワー浴のみで済ます人が増えるなど、人によって入浴習慣に違いがみられます。入浴はほぼ毎日行うものであり、入浴習慣の違いは心身に影響を及ぼすことが考えられますが、長期間の入浴習慣の効果を確認する研究はほとんど行われていません。そこで、今回、肩までお湯につかる「全身浴」と、シャワーのみの「シャワー浴」を1か月間継続した場合の心身の変化を測定する実験を行い、結果をまとめました。
本研究の結果、全身浴では、シャワー浴よりも心臓・血管への負担が軽減し、睡眠の質および体質の改善が見られました。また、全身浴では緊張が緩和し、リラックスすることがわかりました。

都市生活レポート「入浴習慣が心身に与える影響~全身浴のすすめ~」は、ホームページより、ダウンロードが可能です。
 http://www.toshiken.com/report/hot35.html

結果概要

■全身浴を続けることで、心臓・血管への負担を軽減

全身浴を1か月続けると、拡張期血圧、心拍数の値がシャワー浴に比べて低くなる傾向。心臓・血管への負担軽減が期待できる。

■全身浴を続けることで、睡眠障害の解消に役立つ

睡眠障害の疑いがある人について、全身浴を1か月続けると、睡眠の質を表す数値が改善。睡眠障害の解消に有効と考えられる(図1参照)。

■全身浴を続けることで、緊張を緩和しリラックスする

緊張状態で高くなる「交感神経」の値はシャワー浴の方が高く、リラックスした状態で高くなる「副交感神経」の値は全身浴の方が高くなった(図2参照)。

■全身浴を続けることで、ニキビができやすい体質を改善

全身浴を1か月続けると、中医体質のひとつ、「湿熱質」を示す値が低下。顔や鼻が脂っぽい、ニキビができやすいなどの体質の改善に役立つと考えられる。

*中国の治未病センターで行われている中位体質調査票の質問をもとに、健康とされる体質と改善が必要とされる体質の9つに分類されるもの。

【掲載データ】(一部)
図1 PSQI※1 変化量(事前測定5.5以上) 図2 副交感神経の指標(HF)※2の変化率
※1 ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)
過去1か月間の睡眠の状態について19の設問に回答することで得点化を行う。5.5ポイント以上で睡眠障害の可能性があると評価する。今回は、事前測定と事後測定において、アンケート用紙を用いてピッツバーグ睡眠評価表(以降PSQI)で評価した。PSQIでは、0~21の値をとり、数値が低いほど睡眠の質が高いと評価することができる。
※2 副交感神経の指標(HF)
自律神経は交感神経と副交感神経という正反対の働きをする2つの神経から構成され、この2つの神経はシーソーのように交互に働く。交感神経は活動している時、緊張している時、ストレスを感じている時などに優位に働き、副交感神経は休息している時、リラックスしている時、眠っている時などに優位に働く。今回は、交感神経と副交感神経の指標となるLF/HF比とHF成分について比較を行った。HF成分は副交感神経が働く、リラックスした状態で高い値となる。

実験概要

入浴習慣の違いが心身に与える影響を確認するため、健康な成人男女を対象とし、全身浴を行う人とシャワー浴を行う人に分け、生理・心理にどのような違いが現れるか実験を行った。
なお、この実験は、日本補完代替医療学会の倫理委員会の審査で承認されており、健康保養地医学研究機構の阿岸祐幸先生、上馬塲和夫先生、許鳳浩先生への委託研究として実施した。

被験者 健康な成人男女30名(男性6名、女性24名)
実験期間 2014年10月下旬~11月下旬
実験の流れ 準備期間として、入浴習慣の影響を排除するため、1週間のシャワー浴を行う期間を設けた。次に、生理学的検査や、医師の問診などの事前測定を実施し、その後、肩までお湯につかる「全身浴」を行う人とシャワーのみの「シャワー浴」を行う人に、性別ごとに無作為に15名ずつ振り分けた。被験者には指定入浴を1か月間行ってもらった後、事後測定を行い、事前測定との変化を確認した。
測定項目 生理学的検査 身体機能(身長、体重、体脂肪率、体温)
循環機能(血圧、心拍数、動脈硬化度(CAVI))
自律神経機能(心拍変動(HF・LF成分))
代謝機能(安静時代謝率)
生化学検査(血液検査)
    主観評価 睡眠の質(ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI))
健康に関する意識(健康関連QOL(SF-8))
日常的な精神状態(気分プロフィール(POMS))
体質(中医体質調査票)
この件に関するお問合せはこちらへ
はじめへ
[ プレスリリース一覧に戻る ] | [ ひとつ前に戻る ]