東京ガス株式会社(社長:広瀬 道明、以下「東京ガス」)都市生活研究所は、このたび「生活トレンド予測レポート2015 ひとり自由化 ~ひとり⇔つながり 自由自在~」を発行しました。
本レポートは、都市生活研究所が3年ごとに実施している「生活定点観測調査」*1から生活者の意識・行動の変化の兆しを捉え、生活者が望むこれからのライフスタイルを明らかにする「生活トレンド予測」をまとめたものです。
2009年、2012年に行った過去2回の「生活トレンド予測」では、いずれも「人と人とのつながり」に関するキーワード*2が導き出されました。今回「生活定点観測調査2014」から捉えた変化の兆しは、一見、従来のつながり志向とは逆の方向に感じられる「ひとりになれる時間や場所の重視」というものでした。つながり志向がなくなったわけではありませんが、これまでと比べて「ひとり重視」の傾向がやや強めに現れています。
都市生活研究所では、このような生活者の「ひとり重視の傾向=ひとり志向」に着目し、インタビュー調査、定量調査などを重ねることにより、これからの生活トレンド「ひとり自由化 ~ひとり⇔つながり 自由自在~」を導き出しました。
本レポートでは、これからの生活トレンド「ひとり自由化」について、生活定点観測調査から捉えた「ひとり志向」、「ひとり」と「つながり」に関する生活者の現状、「ひとり自由化」に伴って広がると予測される今後の暮らしについてご報告します。
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東京ガス都市生活研究所では、首都圏に暮らす人々の生活・意識・行動の現状及びその変化を経年的に把握するために「生活定点観測調査」を定期的に行っています。1990年を始点に3年ごとに実施し、2014年度が9回目になります。2014年の調査結果をまとめた「生活定点観測レポート2014」は、2015年4月に発行しました。 |
*2 |
2009年: |
「ハピシェア=みんなで共有(シェア)してよりハッピーに」
時間や場所、モノや体験を自分以外の人と共有することで、よりしあわせになるというライフスタイル |
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2012年: |
「en+self~つながりたい、しっかりしたい」
震災という大きな出来事を経て、「自立」と「つながり」を両立したいという生活トレンド |
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内容要旨 |
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1. 生活定点調査2014から捉えた変化の兆し |
(1)「ひとり志向」の拡大
- 自分ひとりの場所や時間を持ち、気ままに過ごしている人が増加(右図参照)。
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(2)「ひとりになれる場所」の重視
- 住まいの中で「ひとりになれる場所の充実」を重視する人が増加。
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図 ひとりに関する意識の変化(全体) |
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2. 生活者が望む「ひとり」の定義 |
インタビュー調査、定量調査の結果から以下のように「ひとり」を定義しました。
ひとりの定義 |
- 「ひとり」≠「単身者」
- 自分の好きなように、気ままに過ごせる状態
- 人に干渉しない、されない、場の空気を読まなくてもいい状態
- 自分を大切にして、自分のしたいことを自分で選んでできる状態
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3. これからの生活トレンド「ひとり自由化」 |
(1)「ひとり自由化」とは
「ひとり自由化」=「つながり」を調整しながら「ひとり」を充実させるライフスタイル
(2)「ひとり自由化」で広がる暮らしの変化
- 「どこにいても、好きな時に、好きなだけ」を自分で選べる働き方が広がる。
- 生活に必要な家事や育児のやりくりが重要となり、家事・育児の分担や外部化がより進む。
- 家族の形も多様で柔軟になり、従来の枠にとらわれない家族の形が広がる。
- 家族との近居、シェアハウスなど「ひとり」と「つながり」を調整できる住まい方が広がる。
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調査概要 |
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<生活定点観測調査>
都市生活者の意識・行動を経年的に捉えるため、1990年から3年ごとに実施。2014年で9回目となる。質問は食・住を中心に、暮らし全般にわたる約500問。
- 調査方法:質問紙郵送法
- 調査時期:2014年7月
- 調査対象:一都三県在住の20代以上の男女
- 調査手法:インターネット調査
<「ひとり」に関する調査>
○有識者ヒアリング
- 調査時期:2014年12月~2015年2月
- 調査対象:家族、住まい、消費、働き方などの研究者・事業者7名
○生活者インタビュー
- 調査方法:デプスインタビュー
- 調査時期:2015年1月
- 調査対象:「ひとり重視」の暮らしを実践している既婚男女3名
○定量調査
- 調査方法:インターネット調査
- 調査時期:2015年2月
- 調査対象:一都三県在住 20~60代男女、2000名