大阪ガス株式会社(社長:本荘 武宏、以下「大阪ガス」)と東京ガス株式会社(社長:広瀬 道明、以下「東京ガス」)は、世界初の、電池で駆動する壁掛けタイプの家庭用ガス警報器(以下「本製品」)を、警報器メーカー※1と協力して開発しました。
家庭用ガス警報器「ぴこぴこ」は、万一のガス漏れや不完全燃焼による室内での空気の汚れを検知し警報する機能を備えた警報器で、設置方法として、天井に取り付ける天井付タイプと、壁からつりさげる壁掛けタイプの2種類から選択できます。
従来のガス警報器は、ガスを検知するガスセンサーを一定の温度に保つ必要があるため、消費電力が大きく、AC100V電源が必要でした。そのため、壁掛けタイプのガス警報器は、近くにコンセントが必要など、設置場所の制約を受けやすいという課題がありました。
上記の課題を解決するために、大阪ガスでは1999年から、東京ガスでは2006年から省電力ガスセンサーの研究開発に着手し、その結果、半導体製造プロセスなどに使用されるMEMS技術※2を用いて小型化(現行機の約100分の1~500分の1)することで、超省電力(現行機の約数千分の1)を実現しました。さらに、NEDO※3主催の事業にも参画し、フィールドデータを収集することで、信頼性向上のための改良を重ねた結果、ガス警報器では世界初となる電池駆動を可能にしました※4。これにより、コンセントの場所に影響されることなく壁掛け設置することができ※5、また、電源コードが不要になったこと、サイズを小型化したことで、美観性も向上しました。さらに、表面をフラットかつシンプルにすることで、デザイン性も向上しました。なお、本製品の有効期限は3年間です。
両社は、本製品を導入することで、今後もガス警報器のさらなる普及促進を実施し、お客さま宅の保安レベル向上に努めてまいります。
なお、本製品について、大阪ガスは住宅用火災・ガス・CO※6警報器を2015年5月11日から、東京ガスはガス・CO警報器を10月中旬から、2015年度はそれぞれ1万台を限定発売し、2019年を目途に、本格発売します。
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商品写真 |
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住宅用火災(熱式)・ ガス・CO警報器壁掛けタイプ |
住宅用火災(煙式)・ ガス・CO警報器壁掛けタイプ |
ガス・CO警報器壁掛けタイプ |
ガス・CO警報器壁掛けタイプ |
※1 |
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大阪ガス:富士電機株式会社と新コスモス電機株式会社
東京ガス:矢崎エナジーシステム株式会社と富士電機株式会社 |
※2 |
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半導体製造プロセスなどに用いられる微小電気機械システムおよびその創製技術。 |
※3 |
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NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)による「次世代高信頼性ガスセンサー技術開発」事業。 |
※4 |
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天井付きのガス警報器は、従来通りAC100V電源が必要です。 |
※5 |
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天井から30cm以内、燃焼機器から8m以内、等、設置には条件があります。 |
※6 |
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一酸化炭素(以下「CO」) |
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商品の特長 |
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(1)電池駆動を実現し、設置可能な場所を拡大
ガス警報器は、ガスセンサーを一定の温度に保つことで、ガスとセンサー表面上の酸素とを反応させ、その結果生じるセンサーの電気伝導度変化を測定することによりガスを検知します。そのため、従来のガス警報器は、消費電力が大きくAC100V電源が必要であったため、壁掛けタイプのガス警報器は、電源コンセントの位置や使用状況によっては、設置したい場所に設置できないケースがありました。
本製品は、ガスセンサーをMEMS技術を用いて小型化し、センサーの昇温に必要な電力を大幅にカットしました。さらに小型化により昇温スピードが向上したことから、間欠的に行っているガス検知時にのみ、センサーを加熱することができるようになり、更なる省電力化を可能にしました。
これらにより、電池駆動を実現し壁掛けタイプのガス警報器の設置可能な場所を広げました。
(2)電源コードが不要になり、美観性が向上
壁掛けタイプのガス警報器を導入する場合、電源コードが見えてしまうという美観上の理由から、設置を躊躇されるお客さまもいました。今回、電池式にしたこと、また、従来の壁掛けタイプの警報器と比較して小型化(容積比約50%減)を実現したことで、より美観を損なうことなく、設置することが可能になります。
(3)デザインを一新
白を基調としたフラットでシンプルなデザインを採用することで、デザイン性を向上しました。
(4)万一の電池切れ時は、音声でお知らせ
より安全にご使用いただけるよう、万一の電池切れが発生した場合に音声でお知らせする機能を追加しました。
(「ピッ 電池切れです。販売店に連絡してください」を発報。以降約1分ごとに「ピッ」という音でお知らせします。)
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家庭用ガス警報器「ぴこぴこ」 |
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家庭用ガス警報器「ぴこぴこ」は、万一のガス漏れや不完全燃焼による室内での空気の汚れを検知し警報する機能を備えた警報器です。1980年に発売を開始し、大阪ガス・東京ガス合わせて、年間平均約110万台販売※7しています。発売開始当初はガス検知機能のみでしたが、一酸化炭素(CO)検知機能や、火災検知機能を追加する等、安全警報機能の向上を図っており、設置方法として、天井に取り付ける天井付タイプと、壁からつりさげる壁掛けタイプの2種類から選択できます。
※7:2010年度から2014年度の5年間における年間平均販売台数実績。
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仕様※8(大阪ガス) |
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品名 |
住宅用火災(熱式)・ガス・CO警報器 (4)101-0701 |
住宅用火災(煙式)・ガス・CO警報器 (4)101-0801 |
外形寸法(mm)
幅(W)×高さ(H)×奥行き(D) |
W85×H100×D33(突起部を除く) |
W85×H100×D30(突起部を除く) |
質量 |
175g |
検知対象ガス |
都市ガス(空気より軽い12A・13Aガス用)燃焼排ガス中のCO |
火災警報機能検知原理 |
熱感知方式(サーミスタ式) |
煙感知方式(光電式) |
警報音量 |
70dB(A)/m以上 |
電源 |
DC3V、300mA 専用リチウム電池 |
有効期限 |
3年 |
開発・製造メーカー |
富士電機株式会社 |
新コスモス電機株式会社 |
※8:大阪ガスの場合。東京ガスは品名が異なります。
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仕様※9(東京ガス) |
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品名 |
ガス・CO警報器 YS-710B |
ガス・CO警報器 FJ-710B |
外形寸法(mm)
幅(W)×高さ(H)×奥行き(D) |
W75×H100×D20.5(突起部を除く) |
W85×H100×D22(突起部を除く) |
質量 |
130g |
170g |
検知対象ガス |
都市ガス(空気より軽い12A・13Aガス用)燃焼排ガス中のCO |
警報音量 |
70dB(A)/m以上 |
電源 |
専用リチウム電池 |
有効期限 |
3年 |
開発・製造メーカー |
矢崎エナジーシステム株式会社 |
富士電機株式会社 |
※9:東京ガスの場合。大阪ガスは品名が異なります。また、仕様は、現段階の計画値です。
以上