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「横浜スマートシティプロジェクト」における東京ガスの取り組みについて

東京ガス株式会社
平成22年8月11日
広報部

 

   東京ガス株式会社(社長:岡本毅、以下「東京ガス」)は、「横浜スマートシティプロジェクト※1」(以下「YSCP」)において、再生可能エネルギーおよび未利用エネルギーの大幅導入を行いながら、地域単位での熱・電気エネルギーの最適化・安定供給を図る次世代のエネルギー・社会システムの実現に向けた実証試験を開始します。
   YSCPは、経済産業省が全国の4地域で推進する「次世代エネルギー・社会システム実証※2」の一つであり、本日、横浜市が経済産業省に計画書(マスタープラン)を提出しております。

主な取り組み内容

(1)東京ガス社宅(新築集合住宅)などでの『スマートハウス』の実証
   東京ガスは、横浜市磯子区に、地上4階建ての集合住宅(20数戸で検討中)を建設し、以下の実証を行います。本実証により、従来と比較して約3割のCO2削減を見込んでいます※3。2010年度に建物や設備の設計を始め、2011年度中に工事を終了し、2012年度から社員とその家族が実際に居住した状態で、データの取得・解析を行う予定です※4
■再生可能エネルギー、家庭用燃料電池などを活用した熱と電力の管理手法の確立
   太陽熱利用ガス温水システム「ソラモ(SOLAMO)」や太陽光発電装置などを設置して、再生可能エネルギーの優先利用を図るとともに、家庭用燃料電池「エネファーム」などを組み合わせた設備の最適制御により、エネルギーの安定供給と省エネルギー・CO2削減を実現するエネルギー管理システムの確立を目指します。
   具体的には、太陽熱集熱装置、太陽光発電装置および「エネファーム」が創出する熱・電力を住戸間で融通することによる省エネルギー・CO2削減効果の検証などを行います。将来は、次世代燃料電池を活用した実証も行う予定です。
■居住者の行動変化を促す手法などの検証
   居住者の省エネルギー・CO2削減行動を促すことを目指し、ガス・電力の使用量や、再生可能エネルギーの利用可能状況などの「見える化」を図ります。さらに、再生可能エネルギーなどの供給状況に応じた消費機器のより適切な使用を促す手法について試行し、効果を検証します。
   
   東京ガスは、前述の社宅(集合住宅)での検証とあわせて、この他の戸建住宅および集合住宅においても、ご協力いただけるお客さまに対し家庭用エネルギー管理システム(HEMS)※5の導入を推進し、実用化を加速してまいります。
   
   
(2) 業務用施設における最適エネルギー管理、さらには地域における熱ネットワークの拡大を目指す『スマートシティ』の実証
   業務用のビル等で、太陽熱を給湯や空調に利用するなど、再生可能エネルギーの導入を進めるとともに、最適なエネルギー制御による安定的で効率的なエネルギー管理システムの確立を目指します。また、既存の地域冷暖房エリアにおいては、未利用エネルギーとして清掃工場廃熱を活用した熱のネットワークの拡大を目指します。
    具体的には、2030年に一次エネルギー使用量を実質ゼロにすることを目指す「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」を、東京ガス「港北NT(ニュータウン)ビル」において実証※6するとともに、横浜市内の福祉施設などへの太陽熱集熱装置の導入の技術支援を積極的に行ってまいります。また、清掃工場廃熱を既存の地域冷暖房エリアで活用するための高温熱供給配管の整備についての調査を2012年度目途に進めてまいります。
   
   東京ガスは、YSCPの実証において、これまでの開発成果や他の実証の成果も適用し、次世代エネルギー・社会システムとしてのスマートコミュニティの早期の実現を目指してまいります。また、YSCPの中で得られた成果は広く普及させ、安全・安心で快適な低炭素社会への移行に貢献してまいります。
   
※1.横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)は、横浜市および民間企業7社(アクセンチュア、東京ガス、東京電力、東芝、日産自動車、パナソニック、明電舎)が事業主体となり、「370万人規模の先進都市横浜を舞台に、世界一のスマートシティ・モデルを先行確立、海外都市に向けて横浜型ソリューションを輸出していく」ことをミッションに、今年度から5年間の実証を行うプロジェクトです。
※2. 再生可能エネルギーの大幅導入と次世代自動車などの新たな需要に対応しつつ、エネルギーの安定供給の確立と、地域単位での熱・電気エネルギーの効率化を図るスマートコミュニティの構築を目指す社会実証です。全国から横浜市、豊田市、京都府(けいはんな学研都市)、北九州市の4地域が実証地域として採択され、2010年度から5年間の実証を行う予定です。
※3. 3人家族世帯において、従来給湯器および系統電力を利用した場合との比較です(電力CO2排出原単位は、0.69kg-CO2/kWh、都市ガス(13A)CO2排出原単位は2.29kg-CO2/m3Nを使用)。
※4. 本実証の結果は、東京工業大学先進エネルギー国際研究センター(AESセンター)と進めている共同研究にも活用してまいります。
※5. 家庭用エネルギー管理システム(HEMS)とは、情報通信技術(ICT)を用いて、家庭内の熱・電気の需要と供給を見える化し、適切な管理を行うシステムです。
※6.2010年2月3日東京ガスプレスリリースをご参照下さい。
(http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20100203-01.html)

参考

■東京ガス社宅(新築集合住宅)における『スマートハウス』の実証イメージ
機器 仕様
太陽光発電装置 約10kW、屋上設置
太陽熱集熱装置 約10kW、屋上設置
太陽熱利用ガス温水システム「SOLAMO」 数台、太陽熱集熱パネルをバルコニーの手すりに設置
家庭用燃料電池「エネファーム」 約10台
家庭用エネルギー管理システム(HEMS) ガス・電力使用量の見える化システム
再生可能エネルギー優先利用のための制御システム
スマートメーター(ガス)など
次世代燃料電池 数台(将来導入予定)
 
■2030年までに「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」化を目指す東京ガス「港北NT(ニュータウン)ビル」
※写真は1996年の竣工当時
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