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電気&ガスのハイブリッド式過熱水蒸気発生器

概要


過熱水蒸気とは、100℃以上の高温の水蒸気のことで、加熱調理時に無酸素状態で食品のうま味を閉じ込めることによる風味向上効果や、金属や樹脂・セラミック等の非金属を短時間で加熱できるといった特長があり、工場や家庭のオーブン等で利用が拡大されています。
工業用途で用いる過熱水蒸気発生器は主に電気式とガス燃焼式があり、電気式の場合は精密な温度制御が可能ですが、消費電力が大きくなることが課題となります。一方で、ガス燃焼式の場合はランニングコストが小さくなりますが、温度制御性が課題となります。
本開発品は、電気の優れた温度制御性とガス燃焼の高効率な加熱の特長を活かし、ハイブリッド方式とすることにより、従来は困難であった消費電力の抑制と精密な温度制御の両立を実現しました。
中部電力株式会社、直本工業株式会社との共同開発品であり、食品工場や自動車工場等を対象に、オーブン等の工業用の加熱装置に組み込み、直本工業より発売されています。

 

特長

(1) 消費電力の削減

  ガスバーナと電気ヒータを併用することにより、消費電力を抑えることができます。

(2) 優れた温度制御性

  電気とガスの負荷分担の割合を最適化することにより、消費電力を抑えつつ、設定温度(最高温度400℃)に対し±5℃の十分な精度の温度制御が可能となります。

(3) 省エネルギー性の向上

  一次エネルギー消費量が電気式の過熱水蒸気発生器に比べて約35%低減できます。

(4) コンパクト化

  コンパクトな設計により、オーブンや乾燥装置等への組み込みが容易になります。

 

本開発品の仕様


図1 開発品の外観
開発品の仕様
項目 数値
ガスユニット ガス種類、供給圧力 都市ガス13A、低圧仕様(2.0kPa)
定格ガス流量 1.9m3/h
寸法(W×D×H) 330×910×660mm
電気ユニット 定格電圧 AC200V 3相
電気ヒータ容量 7.2kW(1.8kW×4台)
寸法(W×D×H) 185×610×80mm×4台
過熱水蒸気※ 温度範囲 160~400℃
最大圧力 0.2MPaG
最大蒸気量 120kg/h
※ 飽和水蒸気は別置のボイラからの供給が必要です。
 

開発のポイント

(1)開発技術

① ガスユニットの開発
  • メタルニットバーナ*を採用し、効率的に燃焼排ガスと飽和水蒸気**が熱交換できるようバーナ形状を新たに考案。
  • ガスユニット内の蒸気配管を二重らせん構造にすることで、伝熱面積を確保しつつコンパクト化を実現。

② 制御システムの開発
  • 低負荷運転時は電気ヒータで単独運転し、中負荷・高負荷運転時はガスバーナと電気ヒータを併用で運転する等、設定温度に合わせ最適な運転割合で高精度温度制御と消費電力削減を両立する制御を実現。
 
開発品の構造
* 燃焼面が耐熱金属繊維の織布で構成される高効率な表面燃焼ガスバーナ。被加熱物に応じて最適な形状に加工でき、また、火炎長が短いため燃焼室をコンパクトにできます。

** 水の沸騰により発生する蒸気のうち、気体(水蒸気)と液体(水)が共存している状態の蒸気。一定の圧力のもとでは、飽和温度(沸点)と等しくなり、大気圧下では100℃の蒸気となります
 

(2)産業用の利用用途の一例

① 食品の加工 … 食品のうま味を閉じ込めることで、風味が格段に向上します。
② 金属の加熱 … 従来式に比べて、加熱時間を大幅に短縮できます。
 
食品工場向け大容量オーブン 調理イメージ(鶏・鯖)

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