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オープンラック式LNG気化器

目的


建設コストの削減ならびにオペレーション性・メンテナンス性の向上を目的とし、設計・建設・運用に関する技術を集大成し安価で使いやすいオープンラック式LNG気化器を開発、実用化しました。なお、本気化器は2006年度日本ガス協会技術賞を受賞しました。

 

現状


最適設計技術の確立などにより、従来から多数実績があり信頼性のあるORVを踏襲・発展させた HiPer V (High PerformanceORV)を開発、初号機を東京ガス扇島LNG基地に設置(液/液熱調付LNG200t/h×1基、2000年11月完成)し、大幅なコスト削減を実現すると共にオペレーション性・メンテナンス性の向上を図りました。
 
オープンラック式LNG気化器の写真
 
 

特徴

1.最適設計技術による建設コスト削減

伝熱効率を高めるために1984年に開発した星型フィンの伝熱管「スターフィン伝熱管」について従来の実験をベースとした設計手法を抜本的に見直し、数値解析をベースに最適な伝熱管形状を効率的に決定する最適設計技術を確立しました。新開発のHiPerVは、最適設計技術の活用により、従来型より伝熱管径を大きくし、さらに内外面のフィン形状の適正化を図った伝熱管を採用しています。この伝熱管は、伝熱管外表面に熱抵抗となる氷が生成してもフィン溝が閉塞しにくく、かつ大流量の海水を均一に流下させることができる特性を有しており、大幅な気化性能向上が図れます。これにより、伝熱管本数の半減等による大幅な建設コスト削減と設置スペース縮小を実現しました。
 

2.オペレーション性の向上

気化器本体はアルミニウム合金製、接続配管はステンレス鋼を使用しています。本体と配管の接続にはフランジを使用していたため、起動時のフランジからのLNG漏洩を防止する目的で、停止中もわずかにLNGを流すことでフランジを常時低温に保持するという待機運転が必要でした。そこで、この待機運転を不要とし常温からの急速起動を可能とするため、1985年に爆着ジョイントを開発し、実機に適用しています。爆着ジョイントはアルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレスを層状に組合せた継手で、熱膨張係数を大きいものから小さいものへ順次組合せることで熱応力を吸収する構造となっています。現在では、気化器本体と配管の接続部には標準的に使用しており、オペレーション性の向上とともに保安の向上にも大きく寄与しています。
 
爆着ジョイント説明図
 
 

3.メンテナンス性の向上

ORVの加熱媒体は海水であり、伝熱管は腐食環境にあります。ORVの伝熱管の防食には従来、アルミニウム-亜鉛合金(メタリコン)溶射が適用されてきましたが、損耗しやすく、定期的な補修作業が必要でした。そこで、伝熱管の押し出し成形段階から防食材をクラッド化したものを1998年より採用しています。クラッド材は亜鉛系アルミニウム合金であり、犠牲陽極の役割を果たしています。本クラッド伝熱管の採用により、メタリコン補修作業が不要となり、大幅なメンテナンスコスト削減に寄与しています。
 
クラッド伝熱管図
 
 

展望


LNGの需要は海外も含めると今後益々増加すると見られ、信頼性が高くかつ経済的な気化器が望まれています。当社が開発した高効率でオペレーション性、メンテナンス性に優れたオープンラック式気化器は、国内外のLNG受入基地で300基以上が採用されており、LNG気化器の主流となっています。今回紹介した最適設計技術、爆着ジョイント、ならびにクラッド伝熱管は、気化器の新設やリプレースを計画している多くのユーザーにとって建設費やメンテナンス費削減に大きく貢献できる技術だと考えています。

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