メインコンテンツにスキップ

Project02

世界初の大規模e-メタン
サプライチェーン構築へ
LNGの知見を武器に、
脱炭素の未来を切り拓く

e-メタンプラント建設プロジェクト

  • #カーボンニュートラル
  • #グローバル事業
  • #グローバル事業
  • #カーボンニュートラル

世界初の大規模e-メタンサプライチェーン構築へ LNGの知見を武器に、脱炭素の未来を切り拓く

脱炭素社会の実現に向け、世界が新たなエネルギーを模索する中、東京ガスは「e-メタン」の大規模な国際サプライチェーン構築という壮大なプロジェクトに挑んでいる。水素と二酸化炭素を原料とするカーボンニュートラルなエネルギー、e-メタン。その製造プラントを米国に建設し、日本へ供給する。世界でも前例のないこの挑戦を、技術の力で牽引するのが、e-methane推進部のY.I.とY.M.だ。長年LNGプラントで培った経験を武器に、彼らはどう未来を切り拓くのか。

e-メタンとは、再生エネルギーなどで製造された水素(H2)と、発電所などから排出された二酸化炭素(CO2)を原料に合成されるメタンのこと。排気ガス等から回収したCO2を原料とするため、燃焼時にCO2を排出しても実質的に大気中のCO2は増えない。そのため、社会全体のCO2排出量を抑制できるカーボンニュートラルなエネルギーとして期待されている。東京ガスは、米国・豪州・東南アジアなどの地域においてeメタンプラントの建設プロジェクトを推進中であり、2030年までのプラント運転開始を目指している。

プロジェクトメンバー

  • Y.I.

    Y.I.2007年度 新卒入社

    グリーントランスフォーメーションカンパニー
    e-methane推進部 エンジニアリンググループ

  • Y.M.

    Y.M.2012年度 新卒入社

    グリーントランスフォーメーションカンパニー
    e-methane推進部 エンジニアリンググループ

※取材時の部署名となります。現在は組織改編や移動により異なる所属となっている場合があります。

未来のエネルギー供給の礎を築く、
前例のない挑戦

今回のプロジェクトでエネルギー供給はどのように変わるのでしょうか?

  • Y.I. Y.I.

    現在、私たちが取り組んでいるのは、年間数万トンという規模でe-メタンを製造するプラントの建設計画です。これまで技術検証のための小規模な実証プラントはありましたが、商業ベースでの大規模プラントは世界でも前例がありません。この規模は、LNG船一隻を満載にするほど。東京ガスが1969年に初めてLNGを導入した時も大きな挑戦でしたが、今回のe-メタンもそれに匹敵する、未来のエネルギー供給の礎を築く挑戦だと感じています。まずは都市ガス供給の1%をe-メタンなどに転換することが当面の目標ですが、この最初の1%を実現できれば、他の国での展開や、さらなる技術革新にも繋がっていくでしょう。非常に大きな一歩ですね。

  • Y.M. Y.M.

    e-メタンの大きな利点は、東京ガスの持つ既存のインフラを最大限活用できる点にあります。LNG基地や都市ガス導管、さらにはお客さま先にあるガス機器まで、そのまま利用できるため、社会全体の移行コストを抑えながらスムーズに脱炭素化を進めることができます。しかし、「前例がない」ということは、ルールや基準を一つひとつ作っていかなければならないということでもあります。従来のLNGプラントであれば、参照すべき過去のプロジェクトや確立された設計手法が数多くありますが、e-メタンにはそれがありません。サプライチェーン全体の枠組みが流動的な中で、将来の環境変化にも柔軟に対応できるような最適なプラント設計を考えなければなりません。そこに、このプロジェクトならではの難しさを感じています。

これまでのキャリアを活かし、前例のないプロジェクトを牽引する

前例のないサプライチェーン構築プロジェクトにおいて、皆さんはどのような役割を果たしていますか?

  • Y.I. Y.I.

    現在、プロジェクトの技術ワーキンググループの一員として毎週のように議論を行っており、私は主にメタネーション装置(水素とCO2を合成してメタンを製造する装置)を担当しています。海外の装置ベンダーとの技術的な協議や、設計図面のチェックなどが主な業務です。前例のないプロジェクトではありますが、私の場合、これまでのキャリアすべてが活きていると感じます。袖ケ浦LNG基地でのメンテナンスや設計、オーストラリアのLNG基地での勤務、LNG船の維持管理など、様々な仕事を経験してきました。配管やポンプの設計思想といった技術的な知見はもちろん、「こういう設計にすると、後々の運用で苦労する」といった現場感覚も役立っています。また、海外企業とのプロジェクトでは、多様な価値観を持つ人々と仕事を進める必要があります。私は過去の海外勤務で、国による文化や考え方の違いも経験してきたので、その経験が今の合意形成プロセスに活きていますね。

  • Y.M. Y.M.

    私も業務内容はY.I.さんとほぼ同じですが、担当する設備が異なり、水を電気で分解して水素を製造する水電解装置を担当しています。世界中に多くのメーカーが存在するため、各社の技術を比較・評価し、プロジェクトにとって最適なメーカーを選定するプロセスをリードすることが私の役割です。この業務では、国内LNG基地の建設に携わった経験が大きな基盤になっています。当時、私は制御システムや計測設備の設計を担当していました。一つの設定ミスがプラント全体に重大な影響を及ぼすこともあるため、慎重さが要求される仕事であり、建設会社やさまざまなベンダーと議論を重ねて仕様を固めていった経験は、現在のプロジェクトでも非常に役に立っています。また「LNGプラントの時はこうだった」という知見が、検討の糸口や判断の拠り所になる場面も多いです。今感じている難しさは、海外企業を含むコンソーシアムの中で英語を使って議論し、合意形成を図ること。海外パートナーとの仕事では、日本人同士のように「言わなくても理解してくれるはず」という感覚は通用しません。そのため、議論の論点を明確にし、一つひとつ丁寧に言語化して伝え、資料に落とし込むことが、プロジェクトを円滑に進めるために不可欠だと感じています。

社会的使命と挑戦者の姿勢が両立する、東京ガスの魅力

プロジェクトを通して発見した東京ガスで働く魅力とは?

  • Y.I. Y.I.

    エネルギー業界の最前線でカーボンニュートラル実現に向けて挑戦できる点に魅力を感じています。東京ガスは、長年にわたり都市ガスや電力などの供給を通じてライフラインを支えてきましたが、現在はカーボンニュートラルという地球規模の課題にも真剣に取り組んでいます。e-メタンのような新しいエネルギーを商用規模で生み出す挑戦は最先端であり、技術者として非常に大きなやりがいを感じます。そして当社には、これまでも挑戦を続けてきたという歴史があります。LNGの導入しかり、電力事業やLNG船の自社運用しかり、常に新しいことにトライし、会社を変化させてきました。今回のe-メタンもその延長線上にあり、そうした大きな挑戦に携われることに誇りを感じます。

  • Y.M. Y.M.

    その通りですね。エネルギー供給という社会的な使命と、e-メタンのような新しい分野への挑戦。この両方が高いレベルで両立しているのが、東京ガスの魅力だと思います。世間が東京ガスに対して持っているイメージよりも自由度が高く、若手にも大きなチャンスが与えられる会社です。私もLNG基地での経験を経て、このプロジェクトに参加する機会を得ましたが、これまでのキャリアで培った経験を最大限に活かすことができ、充実しています。脱炭素は先の長い壮大な取り組みですが、私たちは今、「長い道のりの1ページを書いている」という感覚です。気候変動という大きな課題に対し、これは誰かがやらなければならないことであり、エネルギーで社会を支えてきた東京ガスが先頭に立ってやるべきこと。その責任とやりがいを感じながら、日々業務に向き合っています。

次の世代へ経験を繋ぎ、エネルギーの未来を創造し続ける

これからの自分、これからの東京ガスとは?

  • Y.I. Y.I.

    私が入社した頃、まだ「e-メタン」という言葉は存在しませんでした。エネルギーの世界は、10年、20年で大きく変わり得ます。変化の激しい世界だからこそ、私も常にアンテナを高く張り、新しい技術を学び続けなければならないと考えています。まずはこのプロジェクトを成功させることが第一の目標ですが、将来的には大気から直接CO2を回収するDAC技術や、水素製造・メタネーション分野での技術革新なども重要になってくるでしょう。どのような新しい技術が出てきても対応できるよう自分をアップデートし続け、社会に貢献していきたいです。

  • Y.M. Y.M.

    東京ガスの使命は、首都圏のお客さまにエネルギーを安定的に届けること。その使命に、私個人としても貢献し続けたいです。このプロジェクトを必ず成功させ、その経験を次の世代に繋いでいくことも我々の役割だと考えています。そして、これから先の10年、20年で、エネルギーを取り巻く事業環境や構造はさらに大きく変わっていくでしょう。様々な領域で挑戦できるよう、まずはこのプロジェクトを成功させ、自身の今後の成長の土台にしていきたいです。

Other Interviewほかの社員インタビュー